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番外 隊長の奮闘…?
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まさか、これ程手強いとは…。
特殊隊の仕事柄、山野で何日も潜伏することもある。今回もその類いだ。隣国の奴ら、諦めれば良いものを、性懲りもなくチョッカイ出してきやがるからな。決定的な証拠を掴み、今度こそ二度とオレたちに手を出そうと思わないよう、徹底的に痛め付けてやらないと。
皆の奮闘もあり、任務はうまく行った。後始末は国王や宰相に丸投げすればいい。珍しく、王妃からも労われた。・・・後が恐い・・・
だが。ナディルのヤツが全くなびかねえ。
任務中はツガイの存在で安定するから、むしろ調子がいいと言える。問題はプライベートだ。任務上がりに娼館通いしていたせいか、ナディルからとっととヌイて来い、と言わんばかりに放り出される。
つうか、アイツオレの名前認識してるか?隊長としか呼ばれたことねえぞ…。オレにはラギって名前が…
地道に口説いてはいる。折に触れ何度もデートに誘ったり(*普通とは程遠い)、プレゼントしたり(*なぜ実用性を求めたのか理解に苦しむ)。たまに、マーキングのため後ろから抱き締めるくらいで(*うなじ舐めてるでしょう!)、ほとんど触れてない。
隊の奴らは仲間として側にいても許容できるから、今は未だ何とか耐えられるが…。他の男が近付いた時、自分でもナニをしでかすか分からねえ。
そんなある日。珍しくナディルが隊員以外の誰かと話していた。相手は…、王子、か。
何故、そんなヤツと?
「おや。まさか、ナディ?」
「・・・え?ええ。良く分かりましたね?」
「ふふ。当然だよ。元気そうで良かった。
・・・仕事中だったね。
久しぶりに、一緒に食事しよう。
またね。」
食事、ねえ…?嬉しそうだが…ずいぶん、親しい…
爆発しそうな嫉妬でどうにかなりそうだ。
魔力が高まるのを感じるが…、ここで、ナディルにぶつけるわけにはいかない。まわりにも被害甚大だな。
「珍しいな。知り合いか?」
「ええ。お会いするのは夜会以来ですね。」
「ふーん・・・?」
「・・・何か?」
「別に・・・?」
色めいたモノは感じないが…面白くはない。
そろそろ、ヤバイか?…狂いそうな飢餓を感じる。たまに、軽くkissをしてまぎらわす。後ろから抱き締め、肩に顔を埋めて匂いを堪能する。くすぐったいのか、身をよじるが…離してやれない。そんな時は何か察するものがあるようで。ナディルにやわらかく頭を撫でられるだけで、オレが自分から離すまで待ってくれる。どうにか自分を保っているが、いつまで持つんだろう…
数日後、どうやら王子と食事をしたらしいナディルは、上機嫌だった。
「ご機嫌だな?」
「ええ。皆で食事するのは久しぶりでしたから。」
「・・・皆?・・・二人きりではなかったんだな。」
「・・・?そうですが・・・?」
ヤッベエなあ。もう、限界だ。
-ナンデ、ホカノヤツトウレシソウニ…?
気が、狂う。
いつものように後ろから抱き締めて。
ぎゅっと、力を込める。
-モウ、ニガサナイ
「なあ。ナディル。
理性なくして襲われんのと、受け入れて大人しく抱かれるの、どちらを選ぶ?」
ナディルのカラダが強ばり。やはり、イヤなのかと絶望し…暗い水底に沈みそうになる前に感じたのは。
…仄かに香る、オンナの、匂い…オレを、求めてくれるのか…?
そこからの記憶はほとんどない。
ナディルにたくさんの愛をぶつけたことと、名前を呼んでもらったこと。
それだけを。覚えている。
朝起きたら、ナディルはちゃんと腕のなかにいた。
「小出しにしねえとヤバイからな?」
そう伝えると、ナディルは顔をひきつらせながら頷いた。
…あれ?ナディルの腹に…?
オイオイ、腹にガキがいるじゃねえか!
マジか?オレの魔力が濃すぎて何年も出来なくても可笑しくねえ、ってのに。この感じ、もうすぐ産まれそうだぞ…?つまり、あの日の?…こんなカラダで任務こなしてやがったのかよ?つうか、自覚なしかよ。ガキに魔力吸われてキツいはずなんだがな?普通は男が魔力を分けてやらねえと母子共に生命の危機のはずなんだが。
まあ、良い。ガキがいる以上、遠慮なんてしてられねえ。すぐに囲い込まねえと、なあ。
お前が堕ちてくれるのは、もう待てねえ。
ようやく、手に入れた。
モウ、ニガサナイ
特殊隊の仕事柄、山野で何日も潜伏することもある。今回もその類いだ。隣国の奴ら、諦めれば良いものを、性懲りもなくチョッカイ出してきやがるからな。決定的な証拠を掴み、今度こそ二度とオレたちに手を出そうと思わないよう、徹底的に痛め付けてやらないと。
皆の奮闘もあり、任務はうまく行った。後始末は国王や宰相に丸投げすればいい。珍しく、王妃からも労われた。・・・後が恐い・・・
だが。ナディルのヤツが全くなびかねえ。
任務中はツガイの存在で安定するから、むしろ調子がいいと言える。問題はプライベートだ。任務上がりに娼館通いしていたせいか、ナディルからとっととヌイて来い、と言わんばかりに放り出される。
つうか、アイツオレの名前認識してるか?隊長としか呼ばれたことねえぞ…。オレにはラギって名前が…
地道に口説いてはいる。折に触れ何度もデートに誘ったり(*普通とは程遠い)、プレゼントしたり(*なぜ実用性を求めたのか理解に苦しむ)。たまに、マーキングのため後ろから抱き締めるくらいで(*うなじ舐めてるでしょう!)、ほとんど触れてない。
隊の奴らは仲間として側にいても許容できるから、今は未だ何とか耐えられるが…。他の男が近付いた時、自分でもナニをしでかすか分からねえ。
そんなある日。珍しくナディルが隊員以外の誰かと話していた。相手は…、王子、か。
何故、そんなヤツと?
「おや。まさか、ナディ?」
「・・・え?ええ。良く分かりましたね?」
「ふふ。当然だよ。元気そうで良かった。
・・・仕事中だったね。
久しぶりに、一緒に食事しよう。
またね。」
食事、ねえ…?嬉しそうだが…ずいぶん、親しい…
爆発しそうな嫉妬でどうにかなりそうだ。
魔力が高まるのを感じるが…、ここで、ナディルにぶつけるわけにはいかない。まわりにも被害甚大だな。
「珍しいな。知り合いか?」
「ええ。お会いするのは夜会以来ですね。」
「ふーん・・・?」
「・・・何か?」
「別に・・・?」
色めいたモノは感じないが…面白くはない。
そろそろ、ヤバイか?…狂いそうな飢餓を感じる。たまに、軽くkissをしてまぎらわす。後ろから抱き締め、肩に顔を埋めて匂いを堪能する。くすぐったいのか、身をよじるが…離してやれない。そんな時は何か察するものがあるようで。ナディルにやわらかく頭を撫でられるだけで、オレが自分から離すまで待ってくれる。どうにか自分を保っているが、いつまで持つんだろう…
数日後、どうやら王子と食事をしたらしいナディルは、上機嫌だった。
「ご機嫌だな?」
「ええ。皆で食事するのは久しぶりでしたから。」
「・・・皆?・・・二人きりではなかったんだな。」
「・・・?そうですが・・・?」
ヤッベエなあ。もう、限界だ。
-ナンデ、ホカノヤツトウレシソウニ…?
気が、狂う。
いつものように後ろから抱き締めて。
ぎゅっと、力を込める。
-モウ、ニガサナイ
「なあ。ナディル。
理性なくして襲われんのと、受け入れて大人しく抱かれるの、どちらを選ぶ?」
ナディルのカラダが強ばり。やはり、イヤなのかと絶望し…暗い水底に沈みそうになる前に感じたのは。
…仄かに香る、オンナの、匂い…オレを、求めてくれるのか…?
そこからの記憶はほとんどない。
ナディルにたくさんの愛をぶつけたことと、名前を呼んでもらったこと。
それだけを。覚えている。
朝起きたら、ナディルはちゃんと腕のなかにいた。
「小出しにしねえとヤバイからな?」
そう伝えると、ナディルは顔をひきつらせながら頷いた。
…あれ?ナディルの腹に…?
オイオイ、腹にガキがいるじゃねえか!
マジか?オレの魔力が濃すぎて何年も出来なくても可笑しくねえ、ってのに。この感じ、もうすぐ産まれそうだぞ…?つまり、あの日の?…こんなカラダで任務こなしてやがったのかよ?つうか、自覚なしかよ。ガキに魔力吸われてキツいはずなんだがな?普通は男が魔力を分けてやらねえと母子共に生命の危機のはずなんだが。
まあ、良い。ガキがいる以上、遠慮なんてしてられねえ。すぐに囲い込まねえと、なあ。
お前が堕ちてくれるのは、もう待てねえ。
ようやく、手に入れた。
モウ、ニガサナイ
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