氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 その後、リラが嫡男を産んだ事で、裏で負け惜しみを言っていた連中は、一気に黙ったようだ。


「髪色はエドワルド様ですが、瞳の色は、リラ様譲りですわね♪」

「ああ。リカルド……か?この子はエドワルドの産まれた頃に、似ている気がする。私は赤子と接したのは、エドワルドとレオンぐらいだから、例える相手が二人しかいないが、多分そっくりなのだろうと思う」

「そう言えば、ジルギリス殿にも同じ事を言われました。私の生まれた頃によく似ていると」


 アレクシスとジルギリスにも、リカルドが、エドワルドに似ていると言われて、リラは物凄く喜んでいる。


「エド様のように、優しくて賢い、皆に愛されるお子に育って欲しいです♪」


 家族と思える一部や、気に入った一部の者にだけ優しくて、腹黒い策略を平気で考えて実行に移せる賢さと行動力、エヴァンス家の者達からは、リラの子だからと喩え可愛げが無くても愛される子供になるだろうし、母親の前では子供らしく愛くるしく見せるだろうな。何せ父親がエドワルドで、リラを困らせたりさせないように、きちんと言い聞かせ、時にその頭脳を使って、経験の差を見せ付けもする事だろうと、預言者でも無いと言うのに、リラ以外の全員が、同じような光景の、子供の未来を何となく頭に浮かべてしまえるのだから、少しだけ、子供が可哀想に思えてしまうが、お馬鹿には育ちようが無さそうなので、仕方無いよね?父親がエドワルドなんだからと誰もが心の中で口にせずに完結させてしまうから、そんな事を皆が思っているだなんて、少しも気付かないリラだけが、何の思惑も無い、愛情たっぷり満面の笑顔でリカルドを見ていた。

 そして、父親同様、頭脳明晰な子供で、瞳の色以外は、まんまエドワルドのミニチュアだなと思われながらも、父親よりは感情を明確に見せ、腹黒策士な上、あざと可愛さまで身に付けるリカルドが、小さなナイトとしてリラを守り、その後に産まれてきた弟妹達を可愛がり、父親に見守られ、様々な悪知恵……元い、沢山の知識と常識を教わりながら、すくすくと成長して行くのだった。


「父様、僕もいつか、母様みたいな自分だけの女性を見付けたいです!」


「それなら、見る目を養い、自分の心に従いなさい。噂や下らない思惑に惑わされずに、よくよく相手の言動や、誰も見ていない時の行動も注意して、内密に探し続けなさい。時間を掛けてじっくりと、見付けた後は絶対に逃がさないように、どんな手段を使ってでも手に入れたいと思える程の相手を見付けなさい。他人に知られて横取りされないように、接触したら、直ぐに捕獲出来るように、細心の注意を払いなさい。ああ、内密にと言っても、私やエヴァンス家の方達は、協力するよ?愛するリカルドの為だし、リカルド自身を見てくれないような令嬢は、私達も望まないからね」


 エドワルドは、にっこり笑顔でリカルドにそう教えたようだった。
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