氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 サイナス達が結婚式を挙げて五日後の今日、ダンとシルビアの結婚式が取り行われる事になっていた。

 シルビアはモーラと違い、何故か男性受けが悪く女性にはモテ、男性に毛嫌いされる事が多々有った。

 ダンとシルビアの結婚式に、サイナスもモーラも出席するつもりだったので、さすがに昨日は手加減したものの、それでも愛しのモーラをたっぷりと味わい、新婚生活はとても充実している。

 サイナスからすれば、他の男共が何故そこまでシルビアを毛嫌いするのか、理解出来ない所は有る。

 モーラがシルビアを格好良いと褒めたとしても、サイナスは確かにそうだと思いはするが、だからと言ってモーラを取られるだの、モーラがサイナスを捨てるだのと言った事は想像した事すら無かった。

 シルビアは、取っ付き難い雰囲気の持ち主では有るが、ダンに絡みに行く姿は忠犬で、雰囲気詐欺だなと思える程だ。

 シルビアのファンを自称する、街の女性達は、最初、ダンの存在を毛嫌いしていたが、ダンはどこ吹く風だし、自身に敵意を向ける女性に対しても、困っているようなら助ける場面も多々有る為、シルビアを振ってると聞き、最初はシルビアの趣味が悪いだの、シルビアを振るなんてと殺気を向ける女性達も多かったが、次第に何で振るのか、他の頼り無い男達よりダンの方がマシだと言った意見が多く、付き合い出した頃には反対する女性は殆ど居なかったようだ。

 だが、一方シルビアに対する街の男性達は、付き合い出してもシルビアに対する態度は変わらず、二人が一緒にいる所を殆ど見ていなかった為、シルビアのどこが良いのか理解出来ずに、未だにシルビアに対して毛嫌いしている節が有る。

(今日の彼女の姿を見た男達は、自分の見る目の無さに、ショックを受けるだろうなぁ)

 サイナスは、モーラと一緒に支度を終えたシルビアに挨拶をして来たが、リラと同じく別人と言っても良い出来映えで、王都でのリラの結婚式と同じような状況になるだろうなとサイナスは予測し、ダンがしてやったりと言ったドヤ顔もするだろうと、その現場を、エヴァンス家関係者はほぼ全員で見学する事に決めた。

 クルルフォーン家の元からの使用人達は、サイナスの結婚式の時と同様に、エヴァンス本宅から別々に出発する二人を見送って、本宅でお留守番。式で出される食事と全く同じメニューを屋敷内で頂く事になっている。

 シルビアを運ぶ馬車の後ろから数台の馬車が付き、花嫁と花婿が出会う所から、じっくり見られるようになっているのだ。

 そしてサイナス達も勿論したが、王都結婚式とは違う所は、花婿が花嫁を連れて、教会の外側をぐるっと一周すると言う仕来たりが有る。

 これは、結婚する二人の姿を街の住民に確りと見せる為と、花嫁と一緒に来た式の参加者達が、二人が教会を一周している間に、教会の中へと足を運ぶ為の時間を作ってる、と言う理由が有るからだ。
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