氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 遅れてやって来たセイル家の二人は、ミゲールの顔を見て、リリーの面影が有る事に気付いたようだ。


「「おぉ~っ!!リリーに似とる~!!!」」


 その声に驚いたのだろう。ミゲールが大声で泣き出し、他の子供達も泣き出した。


「ああ、よしよし。吃驚したねぇ~」


 ヨルドが慌てて、泣いてる子供達をあやしに掛かる。

 その間にリリーが、子供達を泣かせた元凶を、冷たい目で睨む。


「……お父様、お兄様?」

「「済まん……」」


 子供達は、うつらうつらとしていたので、ヨルドに任せて側で寝かせていたのだ。

 それなのに、いきなりの大音量で叫ばれれば、吃驚するのも当然だろう。

 ヨルドが近くに居た為、子供達は割りと直ぐに泣き止んでくれたが、それでもぐず付いていた。


「伯父様、お祖父様、暫く、エヴァンス邸内の出入りは禁止です!折角皆寝付いたと言うのに、何をして下さるのですか!暫く入って良いのはお庭までですからね!」


 リラに怒られ、スゴスゴと庭に行って、寂しそうにこちらを見返してくる二人。

 ただし、いい年した大の男なので全っ然可愛くは無いが。


「仕方無いですね。クロード、ちょっとあの二人とお話していらっしゃい」

「はぁ~い」


 良い返事をして、クロードがとてとてと二人の元に行く。


「じぃじ達、おとーと達、いじめちゃ、めぇ~!よ?」


 胸を張って言うクロードの、あまりの可愛さに、二人が撃沈した。


「「ごめんなさい。悪気は無かったんだ」」


 二人が座り込んで、素直に頭を下げたので、クロードが二人の頭を良い子良い子と撫でる。


「次におっきするまで、僕と遊ぼ?ただし、痛いのやぁよ?」

「「よし、何をするか?」」

「ん~、お庭探索~!」


 そう言ってクロードは二人の手を握り、沢山の花が咲く庭へと繰り出した。

 それを家の中から見ていたクルルフォーン家とエヴァンス家の面々は、将来が楽しみだと思いながら見送る。

 因みにこの後、クロードが庭の花の名前と花言葉を聞きたがり、脳筋な二人は、それに一つも答えられず、じぃじ達はダメねぇと、クロードに言われてしまい、クロードは近くに居た庭師に色々と聞き、その花の名前と花言葉をすらすら答える庭師がクロードに称賛され、余程羨ましかったのだろう二人は、次回こそはと涙ながらに色んな花を必死に覚える事にした。

 程好い時間を過ごしたクロードが屋敷に戻ると、寝ていた子供達が起き出して、機嫌が良くなっているのを見て、二人はホッとし、屋敷には入れないが、庭に連れて来て貰い、何とか子供達を抱き上げる権利を獲得した。
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