氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

5 (ダン視点)

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 ダンの両親のミーシャ達は、孫娘と嫁の可愛さに、数ヶ月放浪しては訪ね、また数ヶ月すれば訪ねて来る事を繰り返していた。

 そして来る時は、必ずと言って良い程、行った他国のお土産を持って帰って来るのだ。勿論、嫁と娘と公爵家にも。

 因みに、アナスタシアが公爵家に訪問中にも一度来た事が有り、皆が皆、ダンの姉夫婦と勘違いしていたので、一応母親だと説明すると、誰もが固まって居たのは面白かったが。

 そして、今回は運悪く、エヴァンス領に訪問中、王都のクルルフォーン邸に来たようだが、それならと、エヴァンス領まで足を伸ばしたらしい。


「シルビーちゃん、シシルちゃん、会いに来ちゃったぁ~!」


 相変わらずの神出鬼没に内心驚きはしたが、ここはエヴァンス領のエヴァンス家、対応は素早く臨機応変、笑顔で迎え入れられていた。


「毎回毎回、事前連絡入れろや」


 ダンが呆れた声を出すが、ミーシャはどこ吹く風。


「だって、事前に連絡入れるより、直接来る方が速いんだもの」

「幾ら身内だろうと、エヴァンス家とクルルフォーン家ぐらいだからなぁ?呼んだ訳でもねぇのに、こんな直ぐに対応してくれんのは」

「うん。門前払い覚悟で訪ねて来たあたしが吃驚するぐらい、対応が速いんだもの。本当に凄いわよねぇ」

「それに毎回付き合わされてる、親父がスゲぇよ」

「本当よねぇ」


 うんうんと、他人事のように頷くミーシャ。


「原因はあんただからな?お袋……」

「まぁ、これはこれで、予測が付かないから、面白いよ。ミーシャは何をするのか、全く予想が出来ないからね」

「うふふ~♪ちょっとダン、聞いた?愛されてるわぁ、あたし♥勿論、あたしも、そんなマルクスが大好きなんだけど~♪」


 いい加減、年を考えろと言った所で、ミーシャは聞こうとしないだろう。

 それでこそ、ミーシャと言った具合だ。

 そしてシルビアは、ダンの両親の仲の良さを憧憬の目で見詰めている。


「シルビー、そんな目で親父等見んでも、俺達が年取ってもこんな感じだぞ」

「本当ですか?」

「当然だ。俺ぁシルビーを手離す気はねぇからなぁ。まぁ、俺達の場合は、子沢山になるだろうがなぁ」


 ミーシャが食い付く。


「本当?!孫がもっと増えるの?!」

「シルビーは子供好きだからなぁ。俺もシルビーとの子供なら、何人だろうと欲しいしな」

「だだだだっ、ダン?!」


 焦るシルビアを気にせず、目をキラキラさせるミーシャ。


「本当に本当ね?!よし!あたしも気が向いたらダンに養われてあげるわ!!可愛い孫達と可愛いシルビーちゃんとのハッピーライフ~♪」

「気が向いたらかよ。しかも、俺ぁどこ行ったよ?」

「だって、シシルちゃんもシルビーちゃんも可愛いけど、旅はまだ続けたいし、出来ればもっと増えてからの方が断然嬉しいもの!ダンは息子だから、放って置いても大丈夫~♪」

 そうしてダン達と一緒に過ごし、可愛い孫娘と嫁を堪能してからまた放浪の旅に出た。
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