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後日談
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「話の解らない夫人だな。さすがは精神が病んでいる病人なだけは有る。気安く私の妻の名を呼ぶなと言ってるのが解らないのか?無関係と言うが、私は妻の元婚約者だったお前の息子の事も知っているし、対面した事も有る。入り婿する予定の分際で、その家の血筋を引かぬ女に現を抜かし、挙げ句、正統な後継者と縁を切り、その家の乗っ取りに加担。騙されただけだとお前は言うが、騙されたと言う事は、裏取りもせず、相手の言葉だけを鵜呑みにした間抜けだと言ってるような物だ」
「そっ、そんなの、信頼ーー」
前ウォール伯爵夫人の言葉に被せる形で、ジーンがそのまま言葉を奪う。
「信頼出来る相手だと思っていたから……とでも言う気か?そもそも、信頼すべき相手が違う事に、何故気付かない?一体誰と結婚する気だったんだ?お前の息子は先ず、婚約者から話を聞き出し、他の誰よりも婚約者の言葉を最優先し、調査をするべきだったんじゃないのか?それなのに婚約者の話を聞かず、調べれば誰でも判る事すら調べずにいる時点で怠慢だ。騙されたと言うが、貴族なら誰もが、自身の領地や国の繁栄の為に、自身の不利益な情報を他の貴族や商人達に流したりはしない。だからこそ、それを独自で調べて情報を精査し、不利益を出さないように努力するのは、貴族として当然の事だ。お前の息子はそれをしていないのだから、自業自得でしか無い。それに元婚約者だからと私の妻に助けろと言うのはお門違いだ。何故なら妻は被害者で、お前の息子は加害者、その上お前の息子は王族に不敬を働き罪人になったのだ。国王陛下の決定に異を唱える事は、反逆の意思有りと捉えられても仕方が無いし、一貴族が国王陛下の決定を覆せる訳が無い」
「そんなっ、マディソンがそんな事をする訳が……」
そんな夫人の言葉に嘲笑し、更に追撃するジーン。
「やっているから捕まったと、何故理解出来ない?それともお前は陛下が冤罪を着せたと言いたいのか?それこそ陛下に対する不敬だと、何故気付かない?お前は私を、只の侯爵子息と思っているようだが、私は王宮の政務官監督の立場に居るし、宰相補佐も任されていて、国王陛下直々に次期宰相に指名されている次期侯爵だ。当然王都に帰れば、陛下と直々に話をする立場に居る。そして私の妻は、王妃のお気に入りでも有る。その私達を前に、陛下の批判とはいい度胸だな」
ジーンはまだ爵位を受け継いではいないが、扱いは既に侯爵と変わらない。不在しがちなジルギリスに代わり、当主代行をしているのだから、当然だろう。
しかも、下に見ていたアシュリーが王妃のお気に入り。
エヴァンス家の格の高さが、嫌でも理解してしまえる事例だろう。
そして、次の言葉も予測していたジーンは、夫人の言葉に言葉を被せて、夫人が言おうとしていた言葉をまたもや奪う。
「そっ……」
「「そんなつもり」は無かった、か?貴族なら言葉の重みと責任は持て。知らなかったでは済まされないから、事前に相手の情報を精査する必要が有るんだ。それを怠るから、お前は今窮地に立たされているんじゃないか。詰めの甘い所は親子そっくりだな。まぁ、精神の病んだ病人の言う事だ。現当主で有るヘンリー殿に免じて、この事は公にしない。ただし、前伯爵夫人には、私が紹介する施設に入って貰う事が条件だがな」
ジーンは言葉の後半、ヘンリーに視線を向ける。
「仰せのままに」
ヘンリーはジーンの言葉に従うしか道は無いが、手に余る母親の面倒を見ずに済んだ事に、心の底から安堵した。
「そっ、そんなの、信頼ーー」
前ウォール伯爵夫人の言葉に被せる形で、ジーンがそのまま言葉を奪う。
「信頼出来る相手だと思っていたから……とでも言う気か?そもそも、信頼すべき相手が違う事に、何故気付かない?一体誰と結婚する気だったんだ?お前の息子は先ず、婚約者から話を聞き出し、他の誰よりも婚約者の言葉を最優先し、調査をするべきだったんじゃないのか?それなのに婚約者の話を聞かず、調べれば誰でも判る事すら調べずにいる時点で怠慢だ。騙されたと言うが、貴族なら誰もが、自身の領地や国の繁栄の為に、自身の不利益な情報を他の貴族や商人達に流したりはしない。だからこそ、それを独自で調べて情報を精査し、不利益を出さないように努力するのは、貴族として当然の事だ。お前の息子はそれをしていないのだから、自業自得でしか無い。それに元婚約者だからと私の妻に助けろと言うのはお門違いだ。何故なら妻は被害者で、お前の息子は加害者、その上お前の息子は王族に不敬を働き罪人になったのだ。国王陛下の決定に異を唱える事は、反逆の意思有りと捉えられても仕方が無いし、一貴族が国王陛下の決定を覆せる訳が無い」
「そんなっ、マディソンがそんな事をする訳が……」
そんな夫人の言葉に嘲笑し、更に追撃するジーン。
「やっているから捕まったと、何故理解出来ない?それともお前は陛下が冤罪を着せたと言いたいのか?それこそ陛下に対する不敬だと、何故気付かない?お前は私を、只の侯爵子息と思っているようだが、私は王宮の政務官監督の立場に居るし、宰相補佐も任されていて、国王陛下直々に次期宰相に指名されている次期侯爵だ。当然王都に帰れば、陛下と直々に話をする立場に居る。そして私の妻は、王妃のお気に入りでも有る。その私達を前に、陛下の批判とはいい度胸だな」
ジーンはまだ爵位を受け継いではいないが、扱いは既に侯爵と変わらない。不在しがちなジルギリスに代わり、当主代行をしているのだから、当然だろう。
しかも、下に見ていたアシュリーが王妃のお気に入り。
エヴァンス家の格の高さが、嫌でも理解してしまえる事例だろう。
そして、次の言葉も予測していたジーンは、夫人の言葉に言葉を被せて、夫人が言おうとしていた言葉をまたもや奪う。
「そっ……」
「「そんなつもり」は無かった、か?貴族なら言葉の重みと責任は持て。知らなかったでは済まされないから、事前に相手の情報を精査する必要が有るんだ。それを怠るから、お前は今窮地に立たされているんじゃないか。詰めの甘い所は親子そっくりだな。まぁ、精神の病んだ病人の言う事だ。現当主で有るヘンリー殿に免じて、この事は公にしない。ただし、前伯爵夫人には、私が紹介する施設に入って貰う事が条件だがな」
ジーンは言葉の後半、ヘンリーに視線を向ける。
「仰せのままに」
ヘンリーはジーンの言葉に従うしか道は無いが、手に余る母親の面倒を見ずに済んだ事に、心の底から安堵した。
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