出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 渋々、街の宿屋の場所を聞き込み、宿屋へと向かう。

 カルラからすれば、宿屋自体を別々にしたかったが、どうせだから同じ宿を取りましょうとのザアイの言葉に嫌々承諾。部屋も同じにすれば、宿代も浮きますよと言われたが、それだけは何とか阻止をした。

 (ただでさえ美形達と知り合いって事でやっかまれそうなのに、部屋まで一緒にされてたまるか!真眼持ちティファがいるのに不用意に護衛対象増やそうとするなんて、何考えてんだか!)

 カルラとしては極力関わりたくないというのに、大迷惑な話だ。

 ただ、ティファがいるから絡まれている状態なのだが、それでもティファが居なければいいのにとはこれっぽっちも思わないカルラだから、ティファはカルラに心底なつき、堂々巡りになっている状態である。そうと解っていても、ティファを突き放す事が出来ずにどうしようかと頭を悩ませるカルラだった。

 (研究所関連を潰し続ける旅に、危険が伴わない訳がない。誰も巻き込まない為の一人旅だってのに、同行者になろうとしないでよ!鬼門がどうなろうと付き纏う方が悪いし、守護者をしてるぐらいだから襲われても問題ないって思うけど、ティファは別!こんな可愛い子を危険に晒させるような行動を取るんじゃない!守護者の癖にぃぃ~~~!!)

 カルラの前を歩き、こんな状況に追い込んだザアイとヒューリーを後ろから睨む。

 因みにティファは、カルラの横でカルラの手を繋いでいるから、カルラ達の後ろを歩くエンヤが、カルラに殺気とも取れる気配を向けてくる。背後が気になって仕方ないが、勿論カルラはわざと無視している。

 食事処へ着けば、やっぱりと言っていい程視線を向けられまくる。

 (あなた達は慣れてるからいいだろうけど、私からすれば堪ったもんじゃないわよ!何この視線の多さ、落ち着いて食事なんて出来るか!)

 内心怒り狂ってる状態のカルラだが、いままで鬼門相手に接客をしてきた経験がある分睨んではいるものの、顔には殆ど出ていない。不満気な気配は出ているが、カルラはそれを隠す気はない。


「ほらほらお嬢、女の子が眉間に皺を寄せちゃダメだよ。笑って笑って!笑顔が一番」

「面白くもないのに笑えないわ。仕事ならまだしも」


 メニューを見ながらスパッと切り返すカルラ。そんなカルラにエンヤが絡む。


「仕事?お前みたいな子供が何をする気だ。悪さじゃないだろうな?」


 (いい加減ウザいな、この男。人拐いの仲間じゃないし、悪事を働く暇があったら研究所関連を潰しに行くわよ。私にとって、あそこは復讐の場なんだから)
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