出会いと別れと復讐と

カザハナ

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「お嬢、強っ!エンヤがやられるなんて吃驚だよ。まぁ自業自得な感じだけど」


 守護者の二人は肩を震わせ笑ってるようだ。エンヤのカルラに対する態度はさすがにちょっと行き過ぎだろうと思ってた分、カルラからの反撃変態発言がツボに入ったらしい。


「それより早く、注文決めて。あちこち見て回る時間が無くなっちゃうわ」


 カルラとしては、彼等と少しでも距離を置きたいのだ。笑わせたい訳じゃない。なので、たったと食べて、たったとこの場から離れた方が得策だ。


「ああ、うん、そうだね。すみませ~ん、注文宜しく!」


 女性店員が、素早く笑顔で近寄ってくる。


「はい、お待たせしました!承りますぅ♥」

「クリームパスタと彩りサラダ、あと、この辺片っ端から持ってきてくれる?」


 ヒューリーが指で囲んだ部分は一品が三~四人前の盛り合わせの物ばかり。それを五~六品程注文したようにカルラは見えた。


「……こちらは盛り合わせになりますが宜しいでしょうか?」


 店員が確認を取る。当然だ。カルラだってこの量を一度に並べられたら、見てるだけで胸焼けを起こすだろう量だ。


「うん、勿論」


 それを平然と頷き微笑むヒューリー。彼等にとって、この量はいつもの量なのだろう。

 カルラは内心ドン引き、そして、ヒューリーの微笑みにときめいた店員は、頬を赤らめ微笑み返す。


「では、少々お待ち下さい♥」


 (どれだけ……まぁいいけど。私が払うんじゃないし)

 名残惜しそうに何度か振り返る店員に、場所を代わってやりたいと心底思うカルラ。

 カルラの家は宿屋で、食堂も兼ねていたから、女性店員と同じような事もしていたのだ。道中の宿屋で、家族から教わったレシピを忘れないよう、キッチンを借りる事も多い。

  (邪魔が無ければ作りたい。ティファなら喜んで食べてくれそうだし)

 守護者達にやる気は更々ない。万が一欲しがる場合は、料金を請求してやろうとすら思うカルラだ。





 結局その後大量の料理が次々運ばれ、カルラは途中、食欲減退しつつ黙々と食べていた。驚いた事に、三人同様ティファもかなりの量を食べている。が、カルラはこれに付いては何とも思わなかった。何故なら、ティファが遠視能力を使った時、その対価までも視えていたからだ。

 (ティファは対価が飲食だものね。沢山食べて当然。中には糖分とか水分とか、偏った対価の人もいるけど、甘いの苦手で糖分とかだったら最悪でしょうね)

 因みに通常の魔力目視解析者は対価まで視る事は出来ない。これもカルラが様々な投薬により、底上げされた能力だからだ。
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