出会いと別れと復讐と

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　街を歩けば、相変わらず注目の的となり、内心嫌気が増していく。

　ティファ一人でも充分目立つ容姿をしているが、子供の為、帽子等で誤魔化す事が出来るが、彼等自身はそんな気が更々無い。

　(目立たないようにするっていう選択肢は無いのかしら……。本当、迷惑……)

　大方の視線は彼等に向いてはいるが、残りの少数は明らかにカルラの方を向いている。確実に、敵意を籠めて。

　(子供の容姿だってのに、ここまで敵意向けて来るなんて、どれだけ男に飢えてんのよ……。そもそも私はこいつ等に興味無いっての。迷惑被こうむっているだけなんだから。彼等と話したけりゃ、勝手に話し掛けろっての。ティファや私に敵意を向けるなんてお門違いもいいとこよ)

　取り敢えず今の所、遠巻きで見てくるだけなので、害は無い。害が出てからでは遅いが、カルラがいるのといないのとでは、対処の方法も違うだろう。

　(私がいない時に、余計な事してないでしょうね？ティファに被害が出るようならシメるから……)

　街中の店を巡り、少なくなってる調味料や材料を買い足す。勿論、カルラが使う分とティファや守護者達の分は別にして。


｢一緒に纏めて買っても良いのに。お嬢に作って貰うんだからこれぐらいは奢るよ？｣

｢奢られる筋合いは無いわ。調理料金を取るんだもの。そんな事より嫌いな物とか無いでしょうね？身体が受け付けないとかの事情じゃなければ有っても無理にだろうと食べさせるから｣

｢一応は無い筈だけど……それってティファに有っても食べさせるの？｣

｢そうね、嫌いな物は無い方が良いもの。でもあたし、ティファに不味い物を食べさせる気はないわよ？素材は調理次第でどうとでもなるし｣


　さらっと言うカルラに驚くヒューリー。

　子供が言う台詞でもなければ、それ程の数のレシピを持ってる事自体がおかしいのだが、カルラが言うと、一般人ってそういう者達なのかと思えてしまう所が、世間知らずとカルラに言われても仕方ない事だ。

　そろそろ夕食を取るには良い時間となり、食事処へと足を向ける。


｢美味い店を見付けたんだ。お嬢も気に入ると良いけど｣

｢お前こそ、嫌いな物は無いだろうな？人には偉そうに言っておいて、自分は有りますなんて言うなよ？｣


　エンヤが皮肉気に言うが、カルラに嫌いな食べ物なんて無い。


｢おあいにく様。あたしは好き嫌いを言ってられる程裕福じゃないのよ、そんな贅沢しないわ｣