出会いと別れと復讐と

カザハナ

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「……えっと、こいつ等どうしようか?」


 本来、ザアイに聞く筈の言葉だが、ヒューリーはカルラに聞いた。

 これ以上の駄目出しはされたく無いからだ。

 (私だけなら、記憶操作や改竄しまくって、ポイするんだけど、こいつ等の前でして、変に疑われても困るのよね~。さて、どうしようかしら?)

「縛り上げて放置で良いんじゃないかしら?野獣に襲われた場合は自業自得だし、同業者だろうと同じだし。他人を襲って自分等は襲われないなんてご都合主義も良いとこだわ。勿論、腕が有るならアジト壊滅させるって手も有るけど、ティファの安全重視なら、放置が一番だもの。あなた達が居るなら、万が一追加が来ても、大丈夫なんでしょう?」


 取り敢えず、念の為に、確認も入れて置く。

 彼等の実力は高いと判っているが、それを子供の姿をしたカルラが言えば、藪蛇になる可能性が高い。

 子供の頃、カルラの住んでた宿に、たまに顔を見せてくれた、顔に大きな傷の有るお客さんは、多分、彼等と同じか、それ以上に強かった気がする。

 とは言っても、子供の記憶。

 変に美化したり、普通だろうと、その時は物凄く強く見えたりという事も有ったりするので、あくまでも気がするとしか言えないが。

 カルラは何度か顔に大きな傷の有るおじさん、グレンに、鬼門が絡んで来てる時、何度も助けて貰ったからだ。

 (何しろ子供の頃の記憶だし、あの時は、強いおじさん!としか思わなかったからなぁ)

 そんな事をカルラが思っていると、ヒューリーが力強く頷いた。


「うん。それは大丈夫だよ。さっきの腕ぐらいなら、エンヤ一人でも、余裕で倒せるし」

「じゃあ、この辺に転がした後は、早々にこの場を去りましょう。これ以上留まって追加に来られても時間が勿体無いし、相手をする必要が無ければ、その方が楽だもの」


 そう言って、カルラは次の街を目指した。

 次の街は、魔力研究所の恩恵を受ける街で、街中が機械で埋め尽くされている場所だ。

 そうは言っても、近くに大きな魔力研究所が有る訳でも無く、要は、魔力研究所に多大な資金を送り、その見返りに、魔力研究所から、便利な機械装置を融通して貰っていたりする場所だ。

 この街の周辺には、良質の鉱山が有るらしく、そこから数々の魔石や宝石が取れるそうだ。

 (その資金源を、私の能力で全部屑石に変えたら、どうなるのかしらね?)

 魔力研究所の資金源、なんて物の供給は、本来無くて良い物よね?どうせこの先潰す物なんだからと、カルラは内心で自己完結させた。
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