出会いと別れと復讐と

カザハナ

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 今でも時折カルラは家族の夢を見る。

 彼等が死にゆく姿を。弟が泣き叫び、カルラを呼ぶ姿を。実際はそんな余裕も時間もなかったかも知れないが、それでも夢の中の彼等はカルラの名を呼ぶのだ。何度も何度も。幸せに暮らしていた何気ない日常から、あの悪夢とも呼べる日までを繰り返す。

 (駄目よ。今は昔の事に気を取られてる場合じゃないわ。今は一刻も早くこの近辺を去り、彼女の連れの状況を調べなきゃ。もし生きてれば向こうだって彼女を捜してるだろうし、これだけ目立つ娘だもの。向こうにすれば捜しやすい筈よ)

 彼女の連れである守護者が死亡していない事を願いつつ口に出す。


「貴女の連れを捜さなきゃね。居場所が判れば良いんだけど……」


 カルラの言葉に少女が瞳を軽く伏せる。すると、カルラの瞳に鮮やかな色彩を帯びた光りが、少女の中から放出される。

 (遠視能力……)

 本来、魔力は能力者であろうと目に見えない。そして、魔力が見える目視能力者であろうとも、その魔力がどういった能力なのかは判別出来ない。

 それが唯一出来る極めて珍しい特異能力者、それがカルラであり、魔力目視解析と呼ばれる能力だ。

 この能力は他の目視能力者と違い、常に魔力が見えている状態で、意識する事なく、又、対価を使う事なく見えているのが当たり前、といった能力だ。

 通常、魔力は使用する時、身体の外に放出されるのだが、この能力者に関しては魔力が血液同様、体内を巡回している為である。

 少女が一方向を指差す。幸い、後方ではなく右前方だった。

 ただし、その方向に見える範囲に道はない。


「そっちに進めばいいの?」


 カルラの言葉に少女が頷く。普通なら、見えもしない夜の道なき道を進もうなどとは誰も思わないだろう。

 だが、カルラは普通じゃなかった。

 何せ少女が魔力を使い、遠視能力を発動させた事を視ていたのだから。

 魔力の見えない者なら、出会ったばかりの相手を信じる事も出来ないし、道なき道なんて遭難するリスクも高ければ、どこに繋がるのかすら分からない、未知なる恐怖でしかないだろう。

 カルラは進む。少女が示す道なき道を。

 そして少女はカルラがあっさり信じ、迷いなく進む姿に、内心驚嘆するのだった。
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