出会いと別れと復讐と

カザハナ

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「カルラちゃんってさ、目的地とかってある?あるなら方角だけでもいいから教えてくれないかな?」

「……東よ。それと子供扱いしないで。あたしは子供じゃないわ。一人でだって野宿ぐらい出来るんだから」


 いかにも子供がよく使う言葉を、不自然に見えないよう、胸を張って言ってみる。実際、外見は子供の姿をしているが、成人は過ぎているのだ。年齢をバラす気はないが、似たような年齢の彼等に、子供扱いされたくないという本音も少しはあったり。

 まぁ、万一年齢がバレたとしても、だから子供じゃないと言ったでしょ。と、言ってやるつもりのカルラの思惑など、彼等は知るよしもないが。


「ちゃん付けは嫌かぁ……。じゃあお嬢で」

「……何でお嬢?」


 (ちゃん付けよりかは確かにマシだけど……)


「何となく?ザアイみたいにさん付けって、好きじゃないんだよね~。でも呼び捨ては、お嬢が嫌がりそうだし」


 (お嬢確定か。まぁいい。確かに呼び捨てよりは、断然いいし)


「ヒューリーさんは――」

「呼び捨てでいいよ。さん付けされるのも苦手だから」


 (本当は、呼び捨てもしたくないんだけどなぁ。こんな人達と親しいなんて他の人に思われたら、確実に変なやっかみ受けるもの)

 とはいえ、本人の希望だし、それ程長く行動を共にするつもりもないから、仕方ないか、と割り切るカルラ。


「ヒューリーは疑わないの?あたしが彼女を拐った奴等の仲間だって」


 ヒューリーの馬に乗せてもらいながら、問い掛ける。

 どうしてか、彼からは敵意というか、疑念といった嫌悪感っぽいものを感じない。エンヤと呼ばれてる男からはバシバシ来るのに。


「ん~、別にどっちでもいいんだよね、僕は。お嬢が人拐いの仲間だろうと何だろうと」


 さらっと答えるヒューリー。

 (いや、駄目だろそれ。神の愛し子に悪党かも知れない人間側に置いちゃあ)

 馬上で喋ると舌を噛みそうなので、歯を食いしばっていると、側を走っていた馬が、真横にピタリと寄せて並走する。

 その相手はザアイだ。


「大丈夫ですよ。もし見付かって追い付かれたとしても、我々が何とかしますから」


 その声は、相変わらずの洗脳悩殺ボイスだ。が、カルラは全く動じない。というか、まるで普通の声を聞いているかのような振る舞いだ。

 彼等には、それが物凄く不思議で仕方なかった。何故なら、ザアイの声を聞き慣れてるヒューリーもエンヤも、気を抜くと、ザアイの声に聞き惚れてしまう事があるからだ。神の愛し子であるティファが、ザアイの声に聞き惚れるという事はないが、一般人のカルラが聞き惚れずに平然としているなんて、不思議だとしか言い様がなかった。
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