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リシュリー①
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「リシュリー、俺、王都に行こうと思ってる」
幼馴染で恋人のイースが夜中こっそり窓からやって来たと思ったら、突然そんなことを言い出した。
何でも、ここ最近王都からやって来てうちの村に滞在していた騎士団の偉い人に、剣の腕を見込まれ一緒に来ないか、と誘われたらしい。
イースは昔からちょっと夢見がちなところがあって、御伽噺に出てくる騎士に憧れていたけれど、七歳の儀で《剣士》のスキルを与えられてからは、その傾向は益々強くなっていた。
私たちの住む小さな村には騎士なんていない。だって必要ないんだもの。
山の中の小さな村ではあるけれど、二時間も歩けば少し大きな街に行ける。馬車があればもっと早い。
周辺に危険な魔獣が出ることは滅多に無いし、その場合でも二時間先の街まで行って騎士を派遣してもらうか、冒険者を雇えばいい。
余所者の少ない村で犯罪を起こせば村八分になって生きていけないから、犯罪らしい犯罪も殆ど起こらない。たまにお父さん達が酔っぱらって喧嘩するくらいかな。
それだって、翌朝には大抵何事も無かったかのようにケロリとしている。
そんな訳で、折角手に入れたイースの《剣士》スキルは陽の目を見ることなく、それでもどこからか古びた剣を手に入れたイースは毎朝自主的に素振りを続けていたみたい。
イースのお父さんはそのエネルギーを畑を耕すことに使え、って小言を言っていたけれど。
そんな日々を送っていたところ、ある日突然立派な騎士服を着た男の人達がやって来たのだから、さぁ大変。
一番立派な鎧を付けていた偉そうな騎士様が言うには、うちの村の周辺で何か特別な任務があって、暫く村に滞在したい、って。
勿論、こんな小さな村に立派な宿屋なんて無いから、村で一番大きな村長さんの家の客間に泊まる組と、近くの広場に天幕を張って野営する組に分かれて滞在することになったようだった。野営といっても、冒険者の人が使う簡易テントとは違い、ちょっとした雨風ではびくともしない、立派なものだ。
野営に慣れているのか、意外にも騎士達の手際は良く、あっという間に快適そうな空間が出来上がっていた。
本物の、しかも普段は王都で働いているらしい騎士様を間近で見て、イースは大興奮だった。騎士と名乗ることを許されている彼等は皆、騎士爵を持っている。お貴族様の中では一番下の爵位で、扱いは平民と大して変わらないそうだけど、こんな田舎の村に住んでいる私たちからしたら、それでも雲の上の人だ。
爵位持ちと話せる機会なんて滅多に無いから、騎士様たちの仕事を邪魔しないよう気を付けながらも、村の人たちは空き時間を見つけては彼等の所に行って話し掛けていた。
若い子ばかりではなくて、それなりの年のおばさんやおじさんまで色めき立っていたのは、意外と言えば意外だった。私はあまり気にしたことがなかったけれど、意外と皆、娯楽に飢えていたのかも知れない。
最初の数日は、イースに誘われて私も一緒に行った。
私は別に騎士という職業に対する憧れを持っていた訳ではないけれど、村の大人と全然違う騎士様に少しもときめかなかった、って言ったら嘘になる。
綺麗に整えられた髪を撫でつけ、鍛えられた身体でビシッと騎士服を着こなす大人の男の人は動作のひとつひとつに都会の香りがして、とても格好良かった。
村の女の子の中には、騎士様達に積極的にアプローチしている子が何人もいた。騎士様達が私たちみたいな平民、それも田舎者を相手にする訳ないのに。
それでも、「あの騎士様達になら遊ばれてもいい」って、覚悟の上だと言われれば、私には何も言えなかった。
逆に、騎士様の方から女の子に声を掛けることもあった。実は私も、何人かの騎士様に「可愛いね」とか「一緒に食事しない?」なんて声を掛けられた。彼等にしてみたらただの社交辞令だったかもしれないけれど、あんなキラキラスマイルでスマートな誘い文句を囁かれたら、ちょっとクラってくる子もいるだろう。
私? 勿論、笑顔でスルーした。
だって、私にはイースがいるし。
私とイースは同じ年齢で家が近かったことから、生まれた時からずっと一緒で、よく一緒に遊んでいた。
金色の髪に宝石みたいな緑の瞳をしたイースは、同じ年頃の子どもたちの中で一番綺麗な顔をしていたから、村の女の子達だけじゃなく、男の子達からも人気があった。
対する私は、墨で塗りつぶしたみたいな黒髪に、菫色の瞳。顔立ちも平凡で、イースとの顔面格差は誰もが認めるところだった。
それでも、不思議とイースは私のそばにずっといて、どんくさい私から離れなかった。
それは成長しても変わらず、私にとっても、いつもイースが隣にいるのが自然になった。
私たちの関係が進んだのは三年前。
私の十二歳の誕生日に、花束と一緒にイースの瞳と同じ色のリボンを渡されて、告白された。
「リシュリーが、好きだ。リシュリーだけが、ずっと好きだった。お、俺と付き合って下さい!」
たどたどしい告白に、内心飛び上がる程喜んだ。
イースが初恋なのは、私も一緒だ。私もずっと、イースが好きだった。
イースの告白を受け入れて、私たちは幼馴染で親友、から、幼馴染で恋人、になった。
いつもそばにいるのは、今までと変わらない。変わったのは、その日からずっと、私の髪にはイースのくれたリボンが結んであるってこと。
私たちが付き合い始めたことは、あっという間に村中に広まった。隠すつもりはなかったけれど、誰もいないつもりで手を繋いだり、キスしているところを密かに目撃されていたらしい。
揶揄ってくる人や、嫉妬の言葉をぶつけてくる女の子もいたけれど、私たちの両親は、ああ、やっぱり、っていう反応で、交際について特に何か言われることはなかった。
初めて手を繋いだのはイースで、初めてキスをしたのもイース。
このままずっと一緒にいて、私のあらゆる初めても、それから最後も、全部イースに捧げるんだ、って思っていた。
そんなイースが、村を出る。
今年の夏、イースは、冬生まれの私より一足早く十六歳になった。この国では十六で成人とみなされるので、イースがそう望むなら、たとえイースの両親が反対しても、村を出て好きな場所に行くことが出来る。
本当はずっと、騎士様達が村にやって来てから不安だった。漠然とした子供じみた憧れが、イースの中ではっきりとした目標に変わっていくのを感じていたから。《剣士》スキルを持っているイースなら、多分本当に騎士としてやっていけるだろう。
イースが王都に行くなら、私は?
イースは私を、置いて行っちゃうのかな……。
私はベッドに腰掛けながら唇を噛み締め何も言えないでいた。
「リシュリーも一緒に来いよ。俺、騎士にはなりたいけど、お前と離れたくないんだ」
いつの間にか私の頬を濡らしていた涙をぺろっと舐めながらイースが言ったその瞬間、私の心は決まっていた。
イースに付いて行く。私の隣にいるのは、イースでなきゃ嫌だ。
その夜、私達は初めて身も心も結ばれた。
……もしかしたら、両親にはバレてるかな。明日の朝がちょっと怖い。
隣で私を抱きしめたまま寝息を立てるイースの胸に、そっと顔を寄せる。
これまで生きてきた中で一番、幸せな夜だった。
幼馴染で恋人のイースが夜中こっそり窓からやって来たと思ったら、突然そんなことを言い出した。
何でも、ここ最近王都からやって来てうちの村に滞在していた騎士団の偉い人に、剣の腕を見込まれ一緒に来ないか、と誘われたらしい。
イースは昔からちょっと夢見がちなところがあって、御伽噺に出てくる騎士に憧れていたけれど、七歳の儀で《剣士》のスキルを与えられてからは、その傾向は益々強くなっていた。
私たちの住む小さな村には騎士なんていない。だって必要ないんだもの。
山の中の小さな村ではあるけれど、二時間も歩けば少し大きな街に行ける。馬車があればもっと早い。
周辺に危険な魔獣が出ることは滅多に無いし、その場合でも二時間先の街まで行って騎士を派遣してもらうか、冒険者を雇えばいい。
余所者の少ない村で犯罪を起こせば村八分になって生きていけないから、犯罪らしい犯罪も殆ど起こらない。たまにお父さん達が酔っぱらって喧嘩するくらいかな。
それだって、翌朝には大抵何事も無かったかのようにケロリとしている。
そんな訳で、折角手に入れたイースの《剣士》スキルは陽の目を見ることなく、それでもどこからか古びた剣を手に入れたイースは毎朝自主的に素振りを続けていたみたい。
イースのお父さんはそのエネルギーを畑を耕すことに使え、って小言を言っていたけれど。
そんな日々を送っていたところ、ある日突然立派な騎士服を着た男の人達がやって来たのだから、さぁ大変。
一番立派な鎧を付けていた偉そうな騎士様が言うには、うちの村の周辺で何か特別な任務があって、暫く村に滞在したい、って。
勿論、こんな小さな村に立派な宿屋なんて無いから、村で一番大きな村長さんの家の客間に泊まる組と、近くの広場に天幕を張って野営する組に分かれて滞在することになったようだった。野営といっても、冒険者の人が使う簡易テントとは違い、ちょっとした雨風ではびくともしない、立派なものだ。
野営に慣れているのか、意外にも騎士達の手際は良く、あっという間に快適そうな空間が出来上がっていた。
本物の、しかも普段は王都で働いているらしい騎士様を間近で見て、イースは大興奮だった。騎士と名乗ることを許されている彼等は皆、騎士爵を持っている。お貴族様の中では一番下の爵位で、扱いは平民と大して変わらないそうだけど、こんな田舎の村に住んでいる私たちからしたら、それでも雲の上の人だ。
爵位持ちと話せる機会なんて滅多に無いから、騎士様たちの仕事を邪魔しないよう気を付けながらも、村の人たちは空き時間を見つけては彼等の所に行って話し掛けていた。
若い子ばかりではなくて、それなりの年のおばさんやおじさんまで色めき立っていたのは、意外と言えば意外だった。私はあまり気にしたことがなかったけれど、意外と皆、娯楽に飢えていたのかも知れない。
最初の数日は、イースに誘われて私も一緒に行った。
私は別に騎士という職業に対する憧れを持っていた訳ではないけれど、村の大人と全然違う騎士様に少しもときめかなかった、って言ったら嘘になる。
綺麗に整えられた髪を撫でつけ、鍛えられた身体でビシッと騎士服を着こなす大人の男の人は動作のひとつひとつに都会の香りがして、とても格好良かった。
村の女の子の中には、騎士様達に積極的にアプローチしている子が何人もいた。騎士様達が私たちみたいな平民、それも田舎者を相手にする訳ないのに。
それでも、「あの騎士様達になら遊ばれてもいい」って、覚悟の上だと言われれば、私には何も言えなかった。
逆に、騎士様の方から女の子に声を掛けることもあった。実は私も、何人かの騎士様に「可愛いね」とか「一緒に食事しない?」なんて声を掛けられた。彼等にしてみたらただの社交辞令だったかもしれないけれど、あんなキラキラスマイルでスマートな誘い文句を囁かれたら、ちょっとクラってくる子もいるだろう。
私? 勿論、笑顔でスルーした。
だって、私にはイースがいるし。
私とイースは同じ年齢で家が近かったことから、生まれた時からずっと一緒で、よく一緒に遊んでいた。
金色の髪に宝石みたいな緑の瞳をしたイースは、同じ年頃の子どもたちの中で一番綺麗な顔をしていたから、村の女の子達だけじゃなく、男の子達からも人気があった。
対する私は、墨で塗りつぶしたみたいな黒髪に、菫色の瞳。顔立ちも平凡で、イースとの顔面格差は誰もが認めるところだった。
それでも、不思議とイースは私のそばにずっといて、どんくさい私から離れなかった。
それは成長しても変わらず、私にとっても、いつもイースが隣にいるのが自然になった。
私たちの関係が進んだのは三年前。
私の十二歳の誕生日に、花束と一緒にイースの瞳と同じ色のリボンを渡されて、告白された。
「リシュリーが、好きだ。リシュリーだけが、ずっと好きだった。お、俺と付き合って下さい!」
たどたどしい告白に、内心飛び上がる程喜んだ。
イースが初恋なのは、私も一緒だ。私もずっと、イースが好きだった。
イースの告白を受け入れて、私たちは幼馴染で親友、から、幼馴染で恋人、になった。
いつもそばにいるのは、今までと変わらない。変わったのは、その日からずっと、私の髪にはイースのくれたリボンが結んであるってこと。
私たちが付き合い始めたことは、あっという間に村中に広まった。隠すつもりはなかったけれど、誰もいないつもりで手を繋いだり、キスしているところを密かに目撃されていたらしい。
揶揄ってくる人や、嫉妬の言葉をぶつけてくる女の子もいたけれど、私たちの両親は、ああ、やっぱり、っていう反応で、交際について特に何か言われることはなかった。
初めて手を繋いだのはイースで、初めてキスをしたのもイース。
このままずっと一緒にいて、私のあらゆる初めても、それから最後も、全部イースに捧げるんだ、って思っていた。
そんなイースが、村を出る。
今年の夏、イースは、冬生まれの私より一足早く十六歳になった。この国では十六で成人とみなされるので、イースがそう望むなら、たとえイースの両親が反対しても、村を出て好きな場所に行くことが出来る。
本当はずっと、騎士様達が村にやって来てから不安だった。漠然とした子供じみた憧れが、イースの中ではっきりとした目標に変わっていくのを感じていたから。《剣士》スキルを持っているイースなら、多分本当に騎士としてやっていけるだろう。
イースが王都に行くなら、私は?
イースは私を、置いて行っちゃうのかな……。
私はベッドに腰掛けながら唇を噛み締め何も言えないでいた。
「リシュリーも一緒に来いよ。俺、騎士にはなりたいけど、お前と離れたくないんだ」
いつの間にか私の頬を濡らしていた涙をぺろっと舐めながらイースが言ったその瞬間、私の心は決まっていた。
イースに付いて行く。私の隣にいるのは、イースでなきゃ嫌だ。
その夜、私達は初めて身も心も結ばれた。
……もしかしたら、両親にはバレてるかな。明日の朝がちょっと怖い。
隣で私を抱きしめたまま寝息を立てるイースの胸に、そっと顔を寄せる。
これまで生きてきた中で一番、幸せな夜だった。
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