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リシュリー⑭
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もしかしたら、って思ったけれど、やっぱりただの平民の私が王宮の中に入ることは出来なかった。まぁ、それは仕方ない。平民が簡単に王宮に入れたら、それこそ問題だから。
「夫が中にいるんです。騎士団の騎士で、イースという名前の平民出身の騎士です! 大事な用があるので、呼んでいただけませんか」
念の為、出掛ける前にサニーちゃんの所で買ったブラウスとスカートに着替え、髪も梳かしてきちんと結んだし、薄くだが化粧もしてきた。今日の私は見すぼらしい田舎者には見えない筈、だ。
だけどそれがいけなかったのか、門の所で警備をしていた騎士に渋い顔で追い返されてしまった。
「お嬢さんみたいな子多いんだよ。大方その騎士にどっかで会ってちょっと名前聞いたくらいだろ? 悪いことは言わないから、婚活は他所でやりな」
だって。
嘘じゃない、本当だって言ったけれど、本当に旦那だって言うんなら家で待っていれば話せるんだからいいだろ、って言われてしまった。帰って来ないから困って此処まで来たんだ、って言葉はかろうじて呑み込んだ。
イースの職場で、私が問題を起こす訳にはいかない。
仕方ないので、門から少し離れた場所で待つことにした。幸い今日は晴れていて、外で立っているのも苦ではない。暫くはお腹の子のために安静に、っておじいちゃん先生の言葉が頭を過ぎるけれど、じっと立っているのはきっと安静の範囲内だ。
さっき私の対応をした騎士は、少し離れた場所で待ち伏せし始めた私に目を止めると、困った顔をしていた。でも、知らない振り。門の外で待っちゃいけないなんて決まりはないんだもの。
ずっと立っているのもしんどくなってきた。流石に座り込むのはまずいので、近くの木に寄りかかる。
王宮周辺は人の往来も激しい。お母さんらしき人と仲良く手を繋ぐ子どもの姿を眺めながら、ぼうっと考える。
もしも、このままイースと上手く行かなかったらどうする?
今後の自分の人生や、周りの人にかける迷惑を思えば、妊娠は無かったことにして村に戻るのが良いんだろう。
村の私と同じ年頃の子たちの殆どは結婚しているだろうし、まだだったとしても相手が決まっている。
それに、イースと幼い頃からずっとべったりだった私に声を掛けてくる人はいないだろうから、村に帰ったとしても結婚出来る可能性は低い。奥さんを亡くした男の後妻くらいなら、運が良ければなれるかもしれないけれど……気軽に遊べる女として村の男らに狙われる可能性の方が高い。
それでも、少なくとも両親がいる実家に戻れば住む所は確保出来るし、食べるのにそう困ることもないだろう。
だけど……。
おかしいよね。今の自分に一人で子育てなんて無理、って分かっているのに、どうしても……どうしても諦める気にはなれない。少なくとも、今はまだ……。
どのくらい経ったのだろう。立ったままの脚が棒になったよう。地面から生える植物になったような気がしてきた頃、騎士の制服を着た一人がこちらに近付いてくるのが見えた。
はっとして木にもたれかかっていた背中を起こす。近づいてきた騎士の顔は、久しぶりに見るイースーーではなく、いつぞや私を食堂に連れて行ってくれたエイダンさんだった。
「え、エイダンさん」
「よう、リリーちゃん、だったよな。変な女がいて困ってるっていうから来てみれば、こんなとこで何やってんのー? ストーカーはしないんじゃなかったっけ?」
「……ストーカーじゃ、ありません。夫に話があるのに伝えて貰えなかったから此処で待っているんです」
「え、夫? いくら俺のファンでもそこまでの妄想はやばくない? 俺、リリーちゃんと結婚した覚えないんだけど」
「……エイダンさんのことは嫌いじゃないですけど、私、あなたのファンなんかじゃありません」
「ええ、まじで? 嘘? 俺のファンじゃなかったのかよ。いや別にショック受けてるとかじゃないから! てか、夫ってことはリリーちゃん成人してたんだ。そういえば、なんかちょっと大人っぽくなったかもね」
申し訳なくて思わず俯くと、エイダンさんが少し慌ててフォローしてきた。相変わらず、お人よしだ。
「えーと、リリーちゃんの旦那さんって誰?」
「イースです。平民出身の。……幼馴染なんです」
「イース……って、あの?」
「他にイースがいるか知らないけど、そうです。エイダンさんに話しかけたのも、前にイースと話している所を見たからです。エイダンさんは私のこと、幼い子だと思っているみたいだったからきちんと説明しませんでした。ごめんなさい」
私がエイダンさんに失礼なことをしてしまったのは事実だから、頭を下げる。
「ちょ、頭とか下げなくていいから! 俺の知っている騎士のイースは金髪に緑の目をしているイースだけど、間違いない?」
「はい、間違いないです」
エイダンさんは「うーん」と唸りながら顎に手を当てて少し考えるようにした後、気まずそうに口を開いた。
「あのさ、凄く言いづらいんだけど、俺、あいつが結婚しているとか、聞いたことない。まぁ、ちょっと前までなら兎も角、最近アイツとあんまり話してないんだけど。毎月の慰労会にもひとりで来てたし。普通、妻がいたり、結婚前でも結婚することが決まっている婚約者がいる騎士はパートナーを連れてくるもんなんだよ。騎士の妻たちにもそれなり交流があって、何かあった時には協力し合うもんだからね。リリーちゃんは確か、王都に来てから一年は経っているって前言ってたよね? 慰労会には誘われなかったの?」
「はい……そんなのがあるなんて全然知らなくて。知ったのは偶然なんです。家が近所のおば様から『行かないの?』って言われて初めて知って……」
「うーん……すっごく失礼なこと言うけど、本当に結婚してるの? ちょっと付き合っただけ、とかじゃなくて? 騎士爵ってのは期間限定の末端でも一応貴族であることに代わりはないから、一応姻戚関係を結ぶ時は王宮に申請が必要なんだよね。ホラ、もし俺らに何かあったら家族には弔慰金とか支払われる訳だし」
「そんな! ちゃんとしてます! 私の十六の誕生日を迎えてすぐに、こっちの教会で手続きしました」
「うーん……でもなぁ。本当に妻帯してたら、慰労会に連れて来ないのに団長が何も言わないのも変なんだよな」
難しい顔で眉を寄せるエイダンさんの目には、私への疑いが隠しきれていない。
「まあ、とりあえずこの話は置いておいて、イースに何の用だったの? こんな所でずっと待っているくらいだから、大事な用事なんだろ?」
「……私……その」
気付けば、無意識にお腹に手をやっていた。今ここで、妊娠について話すべき? 父親のイースにすら知らせていないのに、何の関係もないエイダンさんに?
でも、そもそもイースが帰って来ないからこんなことになっている訳で――。
「イースが、帰って来ないんです。仕事のこととか、将来のこととか、色々話さなきゃいけないことがあって、でももうずっと……」
結局、妊娠のことは口に出せなかった。
「取り合えず、どっちにしても今すぐにイースを此処に連れてくることは出来ない。勤務中だしね。俺からイースにきちんと家に帰って話をするよう伝えるよ。……イースと一緒に住んでいる、ってことでいいんだよな?」
エイダンさんに感謝の言葉を告げ、私は漸くその場を後にした。
「夫が中にいるんです。騎士団の騎士で、イースという名前の平民出身の騎士です! 大事な用があるので、呼んでいただけませんか」
念の為、出掛ける前にサニーちゃんの所で買ったブラウスとスカートに着替え、髪も梳かしてきちんと結んだし、薄くだが化粧もしてきた。今日の私は見すぼらしい田舎者には見えない筈、だ。
だけどそれがいけなかったのか、門の所で警備をしていた騎士に渋い顔で追い返されてしまった。
「お嬢さんみたいな子多いんだよ。大方その騎士にどっかで会ってちょっと名前聞いたくらいだろ? 悪いことは言わないから、婚活は他所でやりな」
だって。
嘘じゃない、本当だって言ったけれど、本当に旦那だって言うんなら家で待っていれば話せるんだからいいだろ、って言われてしまった。帰って来ないから困って此処まで来たんだ、って言葉はかろうじて呑み込んだ。
イースの職場で、私が問題を起こす訳にはいかない。
仕方ないので、門から少し離れた場所で待つことにした。幸い今日は晴れていて、外で立っているのも苦ではない。暫くはお腹の子のために安静に、っておじいちゃん先生の言葉が頭を過ぎるけれど、じっと立っているのはきっと安静の範囲内だ。
さっき私の対応をした騎士は、少し離れた場所で待ち伏せし始めた私に目を止めると、困った顔をしていた。でも、知らない振り。門の外で待っちゃいけないなんて決まりはないんだもの。
ずっと立っているのもしんどくなってきた。流石に座り込むのはまずいので、近くの木に寄りかかる。
王宮周辺は人の往来も激しい。お母さんらしき人と仲良く手を繋ぐ子どもの姿を眺めながら、ぼうっと考える。
もしも、このままイースと上手く行かなかったらどうする?
今後の自分の人生や、周りの人にかける迷惑を思えば、妊娠は無かったことにして村に戻るのが良いんだろう。
村の私と同じ年頃の子たちの殆どは結婚しているだろうし、まだだったとしても相手が決まっている。
それに、イースと幼い頃からずっとべったりだった私に声を掛けてくる人はいないだろうから、村に帰ったとしても結婚出来る可能性は低い。奥さんを亡くした男の後妻くらいなら、運が良ければなれるかもしれないけれど……気軽に遊べる女として村の男らに狙われる可能性の方が高い。
それでも、少なくとも両親がいる実家に戻れば住む所は確保出来るし、食べるのにそう困ることもないだろう。
だけど……。
おかしいよね。今の自分に一人で子育てなんて無理、って分かっているのに、どうしても……どうしても諦める気にはなれない。少なくとも、今はまだ……。
どのくらい経ったのだろう。立ったままの脚が棒になったよう。地面から生える植物になったような気がしてきた頃、騎士の制服を着た一人がこちらに近付いてくるのが見えた。
はっとして木にもたれかかっていた背中を起こす。近づいてきた騎士の顔は、久しぶりに見るイースーーではなく、いつぞや私を食堂に連れて行ってくれたエイダンさんだった。
「え、エイダンさん」
「よう、リリーちゃん、だったよな。変な女がいて困ってるっていうから来てみれば、こんなとこで何やってんのー? ストーカーはしないんじゃなかったっけ?」
「……ストーカーじゃ、ありません。夫に話があるのに伝えて貰えなかったから此処で待っているんです」
「え、夫? いくら俺のファンでもそこまでの妄想はやばくない? 俺、リリーちゃんと結婚した覚えないんだけど」
「……エイダンさんのことは嫌いじゃないですけど、私、あなたのファンなんかじゃありません」
「ええ、まじで? 嘘? 俺のファンじゃなかったのかよ。いや別にショック受けてるとかじゃないから! てか、夫ってことはリリーちゃん成人してたんだ。そういえば、なんかちょっと大人っぽくなったかもね」
申し訳なくて思わず俯くと、エイダンさんが少し慌ててフォローしてきた。相変わらず、お人よしだ。
「えーと、リリーちゃんの旦那さんって誰?」
「イースです。平民出身の。……幼馴染なんです」
「イース……って、あの?」
「他にイースがいるか知らないけど、そうです。エイダンさんに話しかけたのも、前にイースと話している所を見たからです。エイダンさんは私のこと、幼い子だと思っているみたいだったからきちんと説明しませんでした。ごめんなさい」
私がエイダンさんに失礼なことをしてしまったのは事実だから、頭を下げる。
「ちょ、頭とか下げなくていいから! 俺の知っている騎士のイースは金髪に緑の目をしているイースだけど、間違いない?」
「はい、間違いないです」
エイダンさんは「うーん」と唸りながら顎に手を当てて少し考えるようにした後、気まずそうに口を開いた。
「あのさ、凄く言いづらいんだけど、俺、あいつが結婚しているとか、聞いたことない。まぁ、ちょっと前までなら兎も角、最近アイツとあんまり話してないんだけど。毎月の慰労会にもひとりで来てたし。普通、妻がいたり、結婚前でも結婚することが決まっている婚約者がいる騎士はパートナーを連れてくるもんなんだよ。騎士の妻たちにもそれなり交流があって、何かあった時には協力し合うもんだからね。リリーちゃんは確か、王都に来てから一年は経っているって前言ってたよね? 慰労会には誘われなかったの?」
「はい……そんなのがあるなんて全然知らなくて。知ったのは偶然なんです。家が近所のおば様から『行かないの?』って言われて初めて知って……」
「うーん……すっごく失礼なこと言うけど、本当に結婚してるの? ちょっと付き合っただけ、とかじゃなくて? 騎士爵ってのは期間限定の末端でも一応貴族であることに代わりはないから、一応姻戚関係を結ぶ時は王宮に申請が必要なんだよね。ホラ、もし俺らに何かあったら家族には弔慰金とか支払われる訳だし」
「そんな! ちゃんとしてます! 私の十六の誕生日を迎えてすぐに、こっちの教会で手続きしました」
「うーん……でもなぁ。本当に妻帯してたら、慰労会に連れて来ないのに団長が何も言わないのも変なんだよな」
難しい顔で眉を寄せるエイダンさんの目には、私への疑いが隠しきれていない。
「まあ、とりあえずこの話は置いておいて、イースに何の用だったの? こんな所でずっと待っているくらいだから、大事な用事なんだろ?」
「……私……その」
気付けば、無意識にお腹に手をやっていた。今ここで、妊娠について話すべき? 父親のイースにすら知らせていないのに、何の関係もないエイダンさんに?
でも、そもそもイースが帰って来ないからこんなことになっている訳で――。
「イースが、帰って来ないんです。仕事のこととか、将来のこととか、色々話さなきゃいけないことがあって、でももうずっと……」
結局、妊娠のことは口に出せなかった。
「取り合えず、どっちにしても今すぐにイースを此処に連れてくることは出来ない。勤務中だしね。俺からイースにきちんと家に帰って話をするよう伝えるよ。……イースと一緒に住んでいる、ってことでいいんだよな?」
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