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イース⑩
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勤務時間中に単独行動の末、一般人に暴力を振るったことによる、停職一ヶ月と半年間の減俸。
それが、俺に下された処分だった。
かっ、となってアルカの連れの男を殴ったあの後、迷子の幼女を送り届けた先輩騎士がすぐやってきて、仲裁に入ってくれた。先輩騎士は問答無用で俺を先に王宮へ帰すと、訴えてやると息巻く怪我した男を宥めすかして診療所に連れて行ってくれたそうだ。
一時の激情が去ってみれば、残ったのは後悔だけだった。
先輩騎士によると、相手の男も手当を受けると冷静になったようで、大事にしたくなさそうな素振りを見せたため、治療費を肩代わりすることと、俺を二度と近付かせないことの二点と引き換えに穏便に済ませることで落ち着いた。男の怪我は軽いもので、数日顔が腫れるくらいで済む程度だったことも幸いしたのだろう。
だが、白昼街中で起こったこと、それも多数の目撃者がいる状況で上に報告しないわけにもいかず。
公園でアルカとその連れと会った状況が悪かった。勤務時間外であれば、男女の痴情の縺れとして処理され、ここまで重い罰が下されることは無かっただろう。
だが、相手の男を殴った時、俺は任務中で騎士服を着ていた。
本来治安維持に努める筈の騎士が白昼暴力事件を起こしたことは、騎士団に対する信頼性を著しく損なわせるものであったとして、結果、前述の処分が下された。
最悪なのは、処分されたのが俺だけでは済まなかった、ということだ。
俺と共にいた先輩騎士にも停職と減俸処分が下った。どんな事情があれ、本来二人組で行動する、という決まりを破ったことが重要視されたようだ。
ただ、その後の適切な対応や穏便に事態を収束させた点を買われ、停職は三日、減俸は一ヶ月と俺より軽い処分で済んだことだけが救いだった。
免職にならずに済んだだけマシ、と言えるかも知れないが、停職の事実は今後に確実に響くだろう……。
この件に関しては、圧倒的に俺が悪い。俺だけが悪い。
元はと言えば、先輩騎士が一人で迷子を送っていく羽目になったのも俺の抱える事情のせいだ。彼はただ俺を気遣ってくれただけで、何も悪くない。優しかっただけだ。
彼は俺が王都に出てきて入隊する切っ掛けになった、あの村に来ていた遠征メンバーの一人でもある。あの時のメンバーの中では一番俺の歳に近く、ただの田舎の村人でしかなかった俺と初めに手合わせしてくれたのも彼だった。
最近、以前のように話すことが減っていたが、彼は俺と距離を置く騎士がちらほら出始めてからも、ずっと変わらずフラットな態度で接してくれていた。その彼に恩を仇で返すようなことをしてしまった……。
何の非も無いのに経歴に傷をつけられた先輩騎士は、大層俺を恨んでいるだろうと思ったが、謹慎を言い渡されたその足で頭を下げに訪れた彼は意外にも俺を責めなかった。
「入隊して暫くした頃からずっとお前が不安定なの気付いていたのに、何もしてやらなかった。ごめんな」
「先輩……」
「お前の剣の腕を田舎の村で腐らせるのは勿体無いと、隊長に話したのは俺だった。俺だって田舎から出てきたんだ。環境ががらりと変わることや、この仕事の難しさなんて分かっていたのに、自分のことばっかりでお前の変化に気付いていても何もしてやらなかった。もっと気にかけてやるべきだった。すまん」
「謝られることなんて……」
怒鳴られる覚悟をしていたのに、想定と全く違う態度を取られ戸惑う。
俺は傍から見てもそんなに、おかしかったのか? 否、おかしいのか……?
そういえば、と、以前別の先輩からも忠告されたことを思い出した。
俺を気に掛けてくれている人はいたんだ。でも、俺は彼等の話を軽く聞き流し、真剣に耳を傾けてこなかった。
俺を見つめる先輩騎士の目に浮かぶのは、憐れみ……?
「なぁ、イース。お前、あの幼馴染の子と別れたって言ってたけど、もう連絡はとっていないのか?」
「え、どうしたんですか急に……。取ってませんよ。取っていたらこんな事件起こしてない、って言いたいとこだけど、それは分かりません」
「うーん、そういうとこは素直なんだけどな、お前」
苦笑しながら、先輩騎士は溜息を吐いて、「今日、家に飯食いに来ないか?」と、突然俺を誘った。
「え、でも停職中ですし……」
「停職にはなったが、宿舎から出ちゃいけないとは言われてないだろ」
「奥さんに迷惑では」
しかも俺は、旦那を停職に追い込んだ張本人だ。張り倒されても仕方ないと思っているが……もしかして、それが狙いか?
「大丈夫だって。俺の嫁はお前が思う程心は狭くない。三日も休みっていったら逆に喜ぶかもな」
結局、引き摺られるようにして俺は大人しく彼の家についていくことにした。
先輩騎士の家は王都の中心部から外れた地域にある、こじんまりとした一軒家だった。お世辞にも広いとは言えない庭は、家庭菜園と植木鉢に入った小さな花で埋まっていて、村の実家を思い出す。
「お帰りなさい!」
「おかえりなちゃいっ」
出迎えてくれたのは彼の妻とまだ幼い娘と生まれて間もない息子だった。突然来た俺にも嫌な顔ひとつせず、ニコニコと笑って中に案内してくれる。
「パパぁ、おともだちぃ?」
「ああ、パパのお友達だよ。パパはママと話があるから、あっちでパパのお友達と遊んでいてくれるか?」
「うんっ! 行こっ! メルのお気に入りのくまたん見してあげゆっ!」
先輩騎士に目線で促されるまま、彼の娘に腕を引かれ奥の部屋に連れて行かれる。お気に入りらしい玩具を床にひとつひとつ並べ説明してくれるのを聞きながら、俺の意識は先輩騎士とその奥方の方に向いていた。
二人が話し込むキッチンの方からは、時折「うそっ?!」とか「ええー!」なんて声が聞こえて、その度に心臓が跳ねる。心なしか、視線さえ感じるような……。
「ねぇねぇー、いーしゅは、おうじしゃまなの?」
「え?」
突然服を引っ張られ隣を向くと、きらきらした瞳で彼の娘が俺を見ていた。
『いーしゅ』
舌足らずでまだ自分の名前さえ上手く発音出来無いらしい彼の娘にそう呼ばれた一瞬、昔に戻ったような気がした。小さな頃、俺の名前を上手く言えなかったリシュリーは、いつも俺をそう呼んでいた。
「……王子様なんかじゃないよ、俺は」
「えぇー? そうにゃの?」
不服の声を上げた彼の娘は、部屋の片隅に置かれたおもちゃ箱からえっちらほっちら絵本を取り出してくる。
「あ、それ……」
「こりぇ、みてぇ! おうじしゃま、きんいろのかみ! いーしゅとおなじぃ!」
小さな指が懸命に指を差すその挿絵は、俺も見覚えがある。
王子とお付きの騎士が囚われの姫を助け出すため、悪のドラゴンと戦う物語で、幼児向けの絵本として俺が小さい頃に流行した絵本だ。
(そうだ、俺……この本を読んで、騎士になりたいと思ったんだ……。)
幼い頃、村の同年代の女の子達が王子様に憧れる中、リシュリーはひとりだけ、騎士が好きだ、と言ったのだ。格好いいだけの王子様より、大切な友のために自分を犠牲にして戦う騎士の方が素敵、と。
王子と同じ金色の髪をしていた俺は、女の子達から絵本の中の王子様みたい、と言われ密かに自慢だった。なのに、大好きなリシュリーだけは騎士が好きだと言う、それが悔しくて……俺は絶対、大切な人を守る騎士になってやる! って……。
(どうして、忘れていたんだろう。最初はリシュリーを守りたかっただけなのに。いつの間にか、手段が目的になって――)
「ね? いーしゅはやっぱりおうじしゃま!」
絵本の中の王子と俺を見比べ、満足そうにはしゃぐ先輩騎士の娘に、俺は何も言うことが出来なかった。
それが、俺に下された処分だった。
かっ、となってアルカの連れの男を殴ったあの後、迷子の幼女を送り届けた先輩騎士がすぐやってきて、仲裁に入ってくれた。先輩騎士は問答無用で俺を先に王宮へ帰すと、訴えてやると息巻く怪我した男を宥めすかして診療所に連れて行ってくれたそうだ。
一時の激情が去ってみれば、残ったのは後悔だけだった。
先輩騎士によると、相手の男も手当を受けると冷静になったようで、大事にしたくなさそうな素振りを見せたため、治療費を肩代わりすることと、俺を二度と近付かせないことの二点と引き換えに穏便に済ませることで落ち着いた。男の怪我は軽いもので、数日顔が腫れるくらいで済む程度だったことも幸いしたのだろう。
だが、白昼街中で起こったこと、それも多数の目撃者がいる状況で上に報告しないわけにもいかず。
公園でアルカとその連れと会った状況が悪かった。勤務時間外であれば、男女の痴情の縺れとして処理され、ここまで重い罰が下されることは無かっただろう。
だが、相手の男を殴った時、俺は任務中で騎士服を着ていた。
本来治安維持に努める筈の騎士が白昼暴力事件を起こしたことは、騎士団に対する信頼性を著しく損なわせるものであったとして、結果、前述の処分が下された。
最悪なのは、処分されたのが俺だけでは済まなかった、ということだ。
俺と共にいた先輩騎士にも停職と減俸処分が下った。どんな事情があれ、本来二人組で行動する、という決まりを破ったことが重要視されたようだ。
ただ、その後の適切な対応や穏便に事態を収束させた点を買われ、停職は三日、減俸は一ヶ月と俺より軽い処分で済んだことだけが救いだった。
免職にならずに済んだだけマシ、と言えるかも知れないが、停職の事実は今後に確実に響くだろう……。
この件に関しては、圧倒的に俺が悪い。俺だけが悪い。
元はと言えば、先輩騎士が一人で迷子を送っていく羽目になったのも俺の抱える事情のせいだ。彼はただ俺を気遣ってくれただけで、何も悪くない。優しかっただけだ。
彼は俺が王都に出てきて入隊する切っ掛けになった、あの村に来ていた遠征メンバーの一人でもある。あの時のメンバーの中では一番俺の歳に近く、ただの田舎の村人でしかなかった俺と初めに手合わせしてくれたのも彼だった。
最近、以前のように話すことが減っていたが、彼は俺と距離を置く騎士がちらほら出始めてからも、ずっと変わらずフラットな態度で接してくれていた。その彼に恩を仇で返すようなことをしてしまった……。
何の非も無いのに経歴に傷をつけられた先輩騎士は、大層俺を恨んでいるだろうと思ったが、謹慎を言い渡されたその足で頭を下げに訪れた彼は意外にも俺を責めなかった。
「入隊して暫くした頃からずっとお前が不安定なの気付いていたのに、何もしてやらなかった。ごめんな」
「先輩……」
「お前の剣の腕を田舎の村で腐らせるのは勿体無いと、隊長に話したのは俺だった。俺だって田舎から出てきたんだ。環境ががらりと変わることや、この仕事の難しさなんて分かっていたのに、自分のことばっかりでお前の変化に気付いていても何もしてやらなかった。もっと気にかけてやるべきだった。すまん」
「謝られることなんて……」
怒鳴られる覚悟をしていたのに、想定と全く違う態度を取られ戸惑う。
俺は傍から見てもそんなに、おかしかったのか? 否、おかしいのか……?
そういえば、と、以前別の先輩からも忠告されたことを思い出した。
俺を気に掛けてくれている人はいたんだ。でも、俺は彼等の話を軽く聞き流し、真剣に耳を傾けてこなかった。
俺を見つめる先輩騎士の目に浮かぶのは、憐れみ……?
「なぁ、イース。お前、あの幼馴染の子と別れたって言ってたけど、もう連絡はとっていないのか?」
「え、どうしたんですか急に……。取ってませんよ。取っていたらこんな事件起こしてない、って言いたいとこだけど、それは分かりません」
「うーん、そういうとこは素直なんだけどな、お前」
苦笑しながら、先輩騎士は溜息を吐いて、「今日、家に飯食いに来ないか?」と、突然俺を誘った。
「え、でも停職中ですし……」
「停職にはなったが、宿舎から出ちゃいけないとは言われてないだろ」
「奥さんに迷惑では」
しかも俺は、旦那を停職に追い込んだ張本人だ。張り倒されても仕方ないと思っているが……もしかして、それが狙いか?
「大丈夫だって。俺の嫁はお前が思う程心は狭くない。三日も休みっていったら逆に喜ぶかもな」
結局、引き摺られるようにして俺は大人しく彼の家についていくことにした。
先輩騎士の家は王都の中心部から外れた地域にある、こじんまりとした一軒家だった。お世辞にも広いとは言えない庭は、家庭菜園と植木鉢に入った小さな花で埋まっていて、村の実家を思い出す。
「お帰りなさい!」
「おかえりなちゃいっ」
出迎えてくれたのは彼の妻とまだ幼い娘と生まれて間もない息子だった。突然来た俺にも嫌な顔ひとつせず、ニコニコと笑って中に案内してくれる。
「パパぁ、おともだちぃ?」
「ああ、パパのお友達だよ。パパはママと話があるから、あっちでパパのお友達と遊んでいてくれるか?」
「うんっ! 行こっ! メルのお気に入りのくまたん見してあげゆっ!」
先輩騎士に目線で促されるまま、彼の娘に腕を引かれ奥の部屋に連れて行かれる。お気に入りらしい玩具を床にひとつひとつ並べ説明してくれるのを聞きながら、俺の意識は先輩騎士とその奥方の方に向いていた。
二人が話し込むキッチンの方からは、時折「うそっ?!」とか「ええー!」なんて声が聞こえて、その度に心臓が跳ねる。心なしか、視線さえ感じるような……。
「ねぇねぇー、いーしゅは、おうじしゃまなの?」
「え?」
突然服を引っ張られ隣を向くと、きらきらした瞳で彼の娘が俺を見ていた。
『いーしゅ』
舌足らずでまだ自分の名前さえ上手く発音出来無いらしい彼の娘にそう呼ばれた一瞬、昔に戻ったような気がした。小さな頃、俺の名前を上手く言えなかったリシュリーは、いつも俺をそう呼んでいた。
「……王子様なんかじゃないよ、俺は」
「えぇー? そうにゃの?」
不服の声を上げた彼の娘は、部屋の片隅に置かれたおもちゃ箱からえっちらほっちら絵本を取り出してくる。
「あ、それ……」
「こりぇ、みてぇ! おうじしゃま、きんいろのかみ! いーしゅとおなじぃ!」
小さな指が懸命に指を差すその挿絵は、俺も見覚えがある。
王子とお付きの騎士が囚われの姫を助け出すため、悪のドラゴンと戦う物語で、幼児向けの絵本として俺が小さい頃に流行した絵本だ。
(そうだ、俺……この本を読んで、騎士になりたいと思ったんだ……。)
幼い頃、村の同年代の女の子達が王子様に憧れる中、リシュリーはひとりだけ、騎士が好きだ、と言ったのだ。格好いいだけの王子様より、大切な友のために自分を犠牲にして戦う騎士の方が素敵、と。
王子と同じ金色の髪をしていた俺は、女の子達から絵本の中の王子様みたい、と言われ密かに自慢だった。なのに、大好きなリシュリーだけは騎士が好きだと言う、それが悔しくて……俺は絶対、大切な人を守る騎士になってやる! って……。
(どうして、忘れていたんだろう。最初はリシュリーを守りたかっただけなのに。いつの間にか、手段が目的になって――)
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