稀代の魔物使い

モモん

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第Ⅱ章 二人旅

ゴーレムが出たそうな

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奥からギルマスがやってきて状況を認識します。

「あーっ、これは無理そうですね。
ヤトミくん、カウンター業務お願いします」

「そんな、俺だって毛玉でモフりたいですよ。男女差別だ~!」

カウンター業務がヤトミさんに代わりました。

「はい、今のやりとりは聞いていました。
キメラの従魔登録ですね。では、こちらにご記入をお願いします。それと、ギルドカードもお出しください」

「ほう、その白い子がキメラですか。
いやぁ、驚きました。まあ、フォレストキャットや龍を連れているお二人ですから今更なんですけどね」

「ええ、今回の討伐で、育児放棄されていたレオンを見つけたんです。
白子で、太陽の光で火傷するような子でしたが、何とか育ちそうなので連れてきました」

「ほう、失礼して私も触らせてもらいますね。
ふむ、ネコ科特有の柔らかい毛質ですね。ミーちゃんにも負けず劣らずといったところですか。
これなら女性に好まれるでしょう。早いうちに連れ歩いて、市民権を得るのがいいでしょうね。
はい、みなさん、今聞いたキメラというのは口外禁止です。
それから、ヤトミくん私も食事休憩に入りますから、アトお願いします」

ギルマスはそう言いのこしミーちゃんに埋まっていきます。
冗談かと思いましたが、起き上がってきませんでした。

「大丈夫ですよ。10分も浸っていれば疲労回復。スッキリとして戻ってきますから」

「まあ、普段夜遅くまで仕事をされているギルマスですから、10分くらいなら……
はい、名前はレオン、種類はキメラ亜種、主はシーリーン様ですね。
ではレオンをつれて、奥にお願いします」



レオンは、両耳と尻尾の先っぽが銀色になりました。
ギルマスさんとフランさんは、10分丁度で復帰してきます。

「あー、なにこの爽快感!これって、回復効果あるんですか?」

「ええ、そうみたいです。私たちも、旅先ではこれで寝てますから、疲れ知らずなんですよ」

「ヤトミくん、一か月休暇あげるから、フォレストキャットを従魔にしてきなさい。
給料は倍にしてあげます」

「はあ、俺だってチャレンジしてみたいですけど、絶対にムリですよ。
それに、もしできたら、ギルドやめて冒険者に戻りますよ」

「そうですよね……」



こうしてレオンの従魔登録を終えた私たちは、串焼きの屋台に寄って帰ることにしたのですが、お姉さま方の時間延長攻撃でなかなか帰ることができませんでした。
ミーちゃんの毛玉攻撃は恐ろしいものです。



翌日からレオンの訓練を始めました。
日中出歩く訓練です。
串焼き屋さんまでの往復が日課となり、トコトコ歩く姿も可愛らしいと評判になったある日、事件が伝えられます。
西の草原にゴーレムが出現したというのです。
どうやらキメラがいなくなった事により、山脈のゴーレムが降りてきたらしいのです。
今回も討伐隊が組まれて出かけていきます。
私たちも同行すると申し出たのですが、討伐隊だけでチャレンジしてみると断られました。
ムリはしないようにと隊長さんに伝え、必要ならいつでも呼んでくださいと言いました。

この時のお姉ちゃんは、白いキトンを着ており、「ああ、女神さまだ」 「キメラを連れた女神さまだ」と噂になります。

でも、あの程度のキメラが抑止力になっていたゴーレムって……もしかして弱いのかしら?
ギルドに行ってゴーレムについて聞きます。

「確かに物理攻撃に対しては無敵に近いですね。火や土系の魔法は効きません。
唯一の弱点は水で、おそらくどこかの川が干上がって進出してきたのではないでしょうか。
討伐隊には水魔法の使い手が二人いますから、おそらく討伐できるんじゃないでしょうか」

「水魔法がないと倒せないでしょうか?」

「あとは属性武器ですね。
ギルドにも一本しかストックがありません」

「えっと、それ見せていただけます?」

「ええ、減るものではありませんから。今持ってこさせますね」

水魔法の属性武器は剣でした。細身のレイピアという種類です。

「いかんせん、属性武器とはいえレイピアですから、ゴーレム相手だと荷が重いですよね。
ですから、今回は貸出しておりません」

ミーちゃんは匂いを嗅いでいます。時々、考えているような素振りを見せて舐めます。
そのあとで、チョロリとピー助を交えて何か話し合っているみたいです。
最終的には合意したみたいで、ピー助とチョロリはギルドから出ていきました。
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