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第Ⅲ章 アルトハイン
ヨロイウオとソイソース
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「じゃあ、俺はこの様子を伝えてくるから、暗くなるまでには戻るんだぞ」
「もう、子供じゃないんですから分かってますよ。
わぁ、このヨロイウオってプリプリしてておいしそう。
これって、塩よりもソイソースが合いそうですね」
「なにっ!
……まあ、暗くなるまでに戻ればいいか……」
「んーっ、やっぱりソイソースがピッタリですね」
「ああ、確かに、これは大発見だな」
「それで、ヨロイウオをさばいていたらいつの間にか暗くなってて……」
「王子!子供じゃないんですから困りますよ!」
「す、すまん」 「ごめんなさい」
「まあ、サメとそれを追いかけてきたであろうヨロイウオの群れを退治してくれたのはありがたいのですが、主役不在でセレモニーを行わざるを得なかった苦労をわかってくださいね」
「あ、ああ、本当に申し訳ない」
「まあ、終わったことを今更責めても仕方ないので、ヨロイウオをいただきましょうか」
「こ、これは!」
「その、ソイソースというのは、正にヨロイウオのためにあるかのような……」
「絶妙ですね」
「いや、他の刺身にも使えるぞ!
このソイソースというのは、ナキュの町にピッタリではないですか!」
「ぜひ、製造方法を教えていただけないでしょうか」
「ところがですね、原料となるソイの木が、この国にはなさそうなんですよ」
「なに! ないのか!」
「ええ、来る途中で注意していたんですけど、見つかりませんでした」
「うーむ、そうなるとシュトーリア王国に頼るしかないのかよ」
「でも、シュトーリアには海がありませんから、日持ちするような特産品と交換すればいいんですよ」
「だったら、魚やイカの干物だな」
「干物?」
「ああ、魚のはらわたを抜いて、干したものだ。
焼いて食うとうまいぞ」
「いいですね。
ソイソースも、量産できるまで時間がかかりますので、色々と送る方法なんかも検討しましょうよ」
「ああ、時間がかかるのですね」
「シュトーリアでも珍しい木なんです。
ですから、うちで使う分くらいしか残ってなくて……ごめんなさい」
「いや、新しい発見があったんだ。
今回はそれでよしとしましょう。
ですが、量産された時には、ナキュの分も忘れないでくださいよ」
「承知いたしました」
「子爵の約束だ。破られることはないだろう。
それまでに、何を対価で出せるか、みんなで検討してみてくれ」
「もう、子供じゃないんですから分かってますよ。
わぁ、このヨロイウオってプリプリしてておいしそう。
これって、塩よりもソイソースが合いそうですね」
「なにっ!
……まあ、暗くなるまでに戻ればいいか……」
「んーっ、やっぱりソイソースがピッタリですね」
「ああ、確かに、これは大発見だな」
「それで、ヨロイウオをさばいていたらいつの間にか暗くなってて……」
「王子!子供じゃないんですから困りますよ!」
「す、すまん」 「ごめんなさい」
「まあ、サメとそれを追いかけてきたであろうヨロイウオの群れを退治してくれたのはありがたいのですが、主役不在でセレモニーを行わざるを得なかった苦労をわかってくださいね」
「あ、ああ、本当に申し訳ない」
「まあ、終わったことを今更責めても仕方ないので、ヨロイウオをいただきましょうか」
「こ、これは!」
「その、ソイソースというのは、正にヨロイウオのためにあるかのような……」
「絶妙ですね」
「いや、他の刺身にも使えるぞ!
このソイソースというのは、ナキュの町にピッタリではないですか!」
「ぜひ、製造方法を教えていただけないでしょうか」
「ところがですね、原料となるソイの木が、この国にはなさそうなんですよ」
「なに! ないのか!」
「ええ、来る途中で注意していたんですけど、見つかりませんでした」
「うーむ、そうなるとシュトーリア王国に頼るしかないのかよ」
「でも、シュトーリアには海がありませんから、日持ちするような特産品と交換すればいいんですよ」
「だったら、魚やイカの干物だな」
「干物?」
「ああ、魚のはらわたを抜いて、干したものだ。
焼いて食うとうまいぞ」
「いいですね。
ソイソースも、量産できるまで時間がかかりますので、色々と送る方法なんかも検討しましょうよ」
「ああ、時間がかかるのですね」
「シュトーリアでも珍しい木なんです。
ですから、うちで使う分くらいしか残ってなくて……ごめんなさい」
「いや、新しい発見があったんだ。
今回はそれでよしとしましょう。
ですが、量産された時には、ナキュの分も忘れないでくださいよ」
「承知いたしました」
「子爵の約束だ。破られることはないだろう。
それまでに、何を対価で出せるか、みんなで検討してみてくれ」
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