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【19】休憩 ② ーおかわりしてもいいデスかー

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駱駝らくだみたいって揶揄われるのよ」
「…………誰に?」
「…………」

 また失言、ダニエルは小さくため息をついた。
 プライベートに踏み込まれるような発言はしないようにしていたのに、やってしまった!


 最高のセックスの反動だろうか。
 気持ちよすぎて、頭がバカになっちゃったみたい。

 心のガードが甘くなっている。
 ダニエルは寝返りを打って、彼の視線から逃れた。


 うつ伏せになり、すべすべしたシルクの肌触りを楽しんでいると、サニーもベッドにあがってきた。
 そして男はダニエルの足を跨ぎ、脹脛の上に腰を下ろして、尻肉を揉みしだく。

「…………なに?」
「いやぁ、素晴らしく立派なお尻だなぁって。つやつやしてるし、ぷりっと丸いし…………うがぁぁ!たまらんっ」

 サニーは我慢できないというように唸り、尻肉に顔を埋めた。

「やぁん……もぉ、スケベ!」


 そして唇、舌が触れるところ全て、舐め回す。

「さ、にぃー、あっ……!も、むり」

 時折、絶妙な加減で桃尻に歯をたてえられる。
 それがまたどういうわけか、きもちよかった。


 今夜は自分でも知らない性癖の扉を幾度も開いている。
 サニーによって、未熟な性感の坩堝るつぼを暴かれてしまった。
 癖になってしまったらどうしよう、ちょっと怖い。


 ダニエルが背後を振り返ると、ちょうど尻から顔を離したサニーと目があった。

 煌めく青紫の瞳に、吸い込まれそうになる。
 弧をえがく口元は色っぽく、高い鼻梁がイケメンを確たるものにしている。

 その鼻先が耳殻を掠め、ダニエルの頬に擦り付けられた。
 男の身体が迫ってきて、どっしりした肉棒が尻と太腿の間で自己主張を始める。

 覆いかぶさってくる筋肉に、ダニエルの”女”としての本能が刺激された。


「ディディ、おかわりしてもいいデスか?」

 ダニエルはプッと吹き出す。
 ”お邪魔してもイイですか”といい、この男の言い回しはいちいち変だ。

 ベッドでそんなこと言われたのは初めて。
 レディとして、ムードを壊すのは失礼にあたるわよね。

 でも笑ってはいけないと思うほど、笑いがこみ上げてくる。
 ダニエルはシーツに突っ伏して、肩を揺らした。


「え?なに、俺、そんなに面白かった?」
 サニーは笑わせた事が嬉しかったらしく、声を弾ませている。

「フフフッ、だって!”おかわり”って、ウフフ。スープじゃないんだから!フフフフッ」

 ダニエルの頭の中では、アーケード街に軒を構える恰幅いい女将がカウンターにスープを出すところまで、浮かんでしまった。
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