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売られた
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私は親にバレることなくティアとの交流を続けた。本人からの希望もあり、計算や言葉使い、文字を教えることにした。
ティアも自分で本を読めるようになりたいと言って頑張っていた。
思い返せば、何となくその時の気分で仲良くなったが、今ではこの時間が1番楽しい。
大きくなればここに来れる回数も時間も無くなり、親と同じように私を気味悪がるかもしれない。
けれど、そうなるまでの時間、ティアと過ごすのも悪くないかも
そう思った矢先だった。
8歳くらいの真夜中に、両親が部屋に入ってきた。
「…ついてこい」
父がそう言った。
ついて行くと、森の中に入っていった。
少し歩いただけで息が上がる。靴がないため足が痛い。
「おお、そちらが引き取ってもらいたいものですか…。確か今日8歳になるんでしたっけ?う~ん…まあ、貴族の方に売れるでしょう。女ですし。
銀貨5枚でどうです?」
「…お願いします」
母がそう言った。
「…あはっあははははは!」
両親と商人、その護衛がぎょっとしたようにこちらを見る。
私も、こんな骨と皮のような身体のどこにこんな元気を隠していたんだと驚いた。
「あんたらクズだね!8歳の娘を売る?うふふふふっ、お金に困ってないのに?面白いね!」
「そ、それは…」
「あんたが気持ち悪いからよ!髪も瞳の色も違う!本当に私たちの子供なの!?」
父…いや、男は狼狽え、女は喚く。
「私も信じられないけどそうみたい。ねぇ、先祖返りって言葉知ってる?ずっと前の親の特徴が出ることを言うの。
それって、私に当てはまってると思わない?」
「私の親にそんな色の人はいない!」
商人は興味深そうにこちらを見ている。
「はぁ?何言ってんの?あんたの親の親の、ずっと親の人の見た目分かんの?見たことないのに?」
「っ、でも!」
「別に、売るのはどうでもいいよ。ただ罪悪感を感じてくれるかなって思っただけ。
…でも、あんたはダメみたい。そっちの人は罪悪感を感じてるのに…。あなた、本当にクズだね」
そう言うと、女が殴りかかってきた。しかし、
「おっと、商品を傷つけんのは見過ごせねぇな」
護衛が割って入ってきた。
そんな事を無視し、私は商人の方を向く。
「ねぇ、商人さん」
「何かな」
「私、そんなに安くないよ?」
商人は驚き、聞き返してくる。
「なにが、出きるって言うのかい?」
「まず、読み書きができる」
「そんな馬鹿な!」
後ろで女が騒いでいるが無視だ。
「計算にも自信があるよ?丁寧な言葉使いもできるし、最低限の礼儀も分かってるつもり。
そして、この顔」
私は産まれてから1度も切っていない髪をあげる。
『おねえちゃんってびじんさんだね!とってもかわいい!!』
そうティアに言われてから水面で顔を映してみれば、前世よりも整った顔立ち。
「!…なるほど。分かりました。あなたには最低でも金貨5枚の価値がある。本当ならね」
そう言うと、どこからか小さな箱を持ってきた。
「丁寧な言葉使いでね…?この箱は150ニル、こっちは180ニル。それぞれ3個ずつ買うといくら?」
簡単。そう思い、丁寧に答えていく。
「はい。最初にこちらの150ニルの箱3個で450ニル。次に180ニルの箱3個で540ニル。2つ合わせると990ニルでございます」
すると、商人が驚いた。
「…正解だ。すばらしい!顔も言葉使いも悪くない。そしてなんと言ってもその計算速度!私よりも速いとは…。ええ、あなたにはそれだけの価値がある。それ以上かもしれない!」
商人は喜びながら金貨5枚を男に渡した。
「そのお金はティアのために使ってね」
そう言って商人の馬車に乗った。
きっとすぐにティアはこの事に気づくだろう。
…どうかあの子の笑顔がいつまでも続きますように。
そう、願わずにはいられなかった。
ティアも自分で本を読めるようになりたいと言って頑張っていた。
思い返せば、何となくその時の気分で仲良くなったが、今ではこの時間が1番楽しい。
大きくなればここに来れる回数も時間も無くなり、親と同じように私を気味悪がるかもしれない。
けれど、そうなるまでの時間、ティアと過ごすのも悪くないかも
そう思った矢先だった。
8歳くらいの真夜中に、両親が部屋に入ってきた。
「…ついてこい」
父がそう言った。
ついて行くと、森の中に入っていった。
少し歩いただけで息が上がる。靴がないため足が痛い。
「おお、そちらが引き取ってもらいたいものですか…。確か今日8歳になるんでしたっけ?う~ん…まあ、貴族の方に売れるでしょう。女ですし。
銀貨5枚でどうです?」
「…お願いします」
母がそう言った。
「…あはっあははははは!」
両親と商人、その護衛がぎょっとしたようにこちらを見る。
私も、こんな骨と皮のような身体のどこにこんな元気を隠していたんだと驚いた。
「あんたらクズだね!8歳の娘を売る?うふふふふっ、お金に困ってないのに?面白いね!」
「そ、それは…」
「あんたが気持ち悪いからよ!髪も瞳の色も違う!本当に私たちの子供なの!?」
父…いや、男は狼狽え、女は喚く。
「私も信じられないけどそうみたい。ねぇ、先祖返りって言葉知ってる?ずっと前の親の特徴が出ることを言うの。
それって、私に当てはまってると思わない?」
「私の親にそんな色の人はいない!」
商人は興味深そうにこちらを見ている。
「はぁ?何言ってんの?あんたの親の親の、ずっと親の人の見た目分かんの?見たことないのに?」
「っ、でも!」
「別に、売るのはどうでもいいよ。ただ罪悪感を感じてくれるかなって思っただけ。
…でも、あんたはダメみたい。そっちの人は罪悪感を感じてるのに…。あなた、本当にクズだね」
そう言うと、女が殴りかかってきた。しかし、
「おっと、商品を傷つけんのは見過ごせねぇな」
護衛が割って入ってきた。
そんな事を無視し、私は商人の方を向く。
「ねぇ、商人さん」
「何かな」
「私、そんなに安くないよ?」
商人は驚き、聞き返してくる。
「なにが、出きるって言うのかい?」
「まず、読み書きができる」
「そんな馬鹿な!」
後ろで女が騒いでいるが無視だ。
「計算にも自信があるよ?丁寧な言葉使いもできるし、最低限の礼儀も分かってるつもり。
そして、この顔」
私は産まれてから1度も切っていない髪をあげる。
『おねえちゃんってびじんさんだね!とってもかわいい!!』
そうティアに言われてから水面で顔を映してみれば、前世よりも整った顔立ち。
「!…なるほど。分かりました。あなたには最低でも金貨5枚の価値がある。本当ならね」
そう言うと、どこからか小さな箱を持ってきた。
「丁寧な言葉使いでね…?この箱は150ニル、こっちは180ニル。それぞれ3個ずつ買うといくら?」
簡単。そう思い、丁寧に答えていく。
「はい。最初にこちらの150ニルの箱3個で450ニル。次に180ニルの箱3個で540ニル。2つ合わせると990ニルでございます」
すると、商人が驚いた。
「…正解だ。すばらしい!顔も言葉使いも悪くない。そしてなんと言ってもその計算速度!私よりも速いとは…。ええ、あなたにはそれだけの価値がある。それ以上かもしれない!」
商人は喜びながら金貨5枚を男に渡した。
「そのお金はティアのために使ってね」
そう言って商人の馬車に乗った。
きっとすぐにティアはこの事に気づくだろう。
…どうかあの子の笑顔がいつまでも続きますように。
そう、願わずにはいられなかった。
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