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訓練2
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次の日も、同じ事をしていた。
とりあえずランニングから始めてみたが、40歩で息切れした。10歩前進。
休憩してから、昨日と同じように目を閉じる。
今回は型ではなく、イメージで体を動かす。北村が見える。北村が攻撃をしてくるから避けて、さばいて、隙を探す。
隙を見つければ次は私の番。攻撃に移りかえる。
私は女で力がないから速さ。急所を狙って攻撃を繰り返す。
しばらくして動きを止め、汗を拭き水分補給をする。
体が動きに慣れてきたが、まだ間合いが分からない。これから成長する(はずだ)し、体術より棒術に移ったほうがいいかもしれない…。
私は休憩していた騎士に棒が欲しいとお願いして、長い棒をもらった。
私はそれを両手で持ち、素振りを始めた。
突き、薙ぎ、打つ。
まだ筋力がなく、ふらついたり棒を落としそうになるが、繰り返す。
重心移動を上手く使いふらつきを修正する。
騎士たちがこちらを微笑ましそうに見ているので、ふらついているせいでただ遊んでいるようにしか見えないことが推測される。
…筋肉ついたら剣術を習おうか…。剣道は役に立たなそうだし…。
そんな事をしながら過ごしていると数日後、ある侯爵家に呼び出された。私が売られた時に一緒にいたお嬢様に探されていたらしい。
私は風呂に入らされ(大きめの桶の中)、顔が出るような髪型を強要された。服も上質な白いワンピースだった。
正直なところ、今までの生活のせいでガリガリなので顔を隠した方がいいと思うのだが、それは私だけらしい。
髪型は左から右の方へ前髪を編み込んでいって耳の後ろまでくると三つ編みにして垂らす。
その状態から後ろでゆるく三つ編みをする。
騎士団の方々は不器用らしく、自分で頑張った。面倒くさかったけど。腕を長時間上げておくのはとてもきついのだ。腕がぷるぷるしていると、周りの騎士達は微笑ましげに見るのだ。こっちは大変だと言うのに。
騎士団の反応は予想出来ていると思うが、一応教えておこう。
デレッデレだった。
私はじゃんけんに勝った2人、ファルビン副団長とカイリフゼルもといカイにぃと馬車に乗った。
「ねぇ。侯爵家で、気をつけないといけない事、ある?」
「そうですねぇ…。侯爵様が声をかけたら挨拶をする、粗相をしない、くらいかな…」
「粗相って分かるっすか?」
「うん。だいじょーぶ」
侯爵家に着くまで、私は馬車が珍しくキョロキョロしていた。
もちろんファルビンとカイにぃはニコニコしながらこっちを見ていた。恥ずかしかったので姿勢を正すが、やはり外は気になる。
それよりも、今は馬車の振動が辛い。車や電車など、文明の発達は素晴らしいと感じさせられた。途中私のそれに気付いたできるモテ男、ファルビンは私を自身の膝の上に乗せてクッションの役割をしてくれた。
精神年齢からするととても恥ずかしいが、おしりの痛みには変えられない。私はこれ以上おしりを割れさせたくない。
…違った。腫れさせたくないだった。
カイにぃはなにやら悔しそうな顔をしていたけど、膝に座った事で高くなった視線。それによって外が見やすくなった事もあり、私は外を眺めていた。
ついに、侯爵家についた。
そこには、とても大きな家が建っていた。
「副団長、ちょー羨ましい事してたっすねぇ。絶対他の奴らにも言ってやるっす!」
「おや、私の代わりに自慢してくれるんですか?ありがとう」
「きぃーー!!これが勝者の余裕ってやつっすか!?ずりぃ…。ずりぃよー!ああ、シス、抱っこさせてくれないかなぁ」
「さっさと行きますよ」
「…ずるい」
とりあえずランニングから始めてみたが、40歩で息切れした。10歩前進。
休憩してから、昨日と同じように目を閉じる。
今回は型ではなく、イメージで体を動かす。北村が見える。北村が攻撃をしてくるから避けて、さばいて、隙を探す。
隙を見つければ次は私の番。攻撃に移りかえる。
私は女で力がないから速さ。急所を狙って攻撃を繰り返す。
しばらくして動きを止め、汗を拭き水分補給をする。
体が動きに慣れてきたが、まだ間合いが分からない。これから成長する(はずだ)し、体術より棒術に移ったほうがいいかもしれない…。
私は休憩していた騎士に棒が欲しいとお願いして、長い棒をもらった。
私はそれを両手で持ち、素振りを始めた。
突き、薙ぎ、打つ。
まだ筋力がなく、ふらついたり棒を落としそうになるが、繰り返す。
重心移動を上手く使いふらつきを修正する。
騎士たちがこちらを微笑ましそうに見ているので、ふらついているせいでただ遊んでいるようにしか見えないことが推測される。
…筋肉ついたら剣術を習おうか…。剣道は役に立たなそうだし…。
そんな事をしながら過ごしていると数日後、ある侯爵家に呼び出された。私が売られた時に一緒にいたお嬢様に探されていたらしい。
私は風呂に入らされ(大きめの桶の中)、顔が出るような髪型を強要された。服も上質な白いワンピースだった。
正直なところ、今までの生活のせいでガリガリなので顔を隠した方がいいと思うのだが、それは私だけらしい。
髪型は左から右の方へ前髪を編み込んでいって耳の後ろまでくると三つ編みにして垂らす。
その状態から後ろでゆるく三つ編みをする。
騎士団の方々は不器用らしく、自分で頑張った。面倒くさかったけど。腕を長時間上げておくのはとてもきついのだ。腕がぷるぷるしていると、周りの騎士達は微笑ましげに見るのだ。こっちは大変だと言うのに。
騎士団の反応は予想出来ていると思うが、一応教えておこう。
デレッデレだった。
私はじゃんけんに勝った2人、ファルビン副団長とカイリフゼルもといカイにぃと馬車に乗った。
「ねぇ。侯爵家で、気をつけないといけない事、ある?」
「そうですねぇ…。侯爵様が声をかけたら挨拶をする、粗相をしない、くらいかな…」
「粗相って分かるっすか?」
「うん。だいじょーぶ」
侯爵家に着くまで、私は馬車が珍しくキョロキョロしていた。
もちろんファルビンとカイにぃはニコニコしながらこっちを見ていた。恥ずかしかったので姿勢を正すが、やはり外は気になる。
それよりも、今は馬車の振動が辛い。車や電車など、文明の発達は素晴らしいと感じさせられた。途中私のそれに気付いたできるモテ男、ファルビンは私を自身の膝の上に乗せてクッションの役割をしてくれた。
精神年齢からするととても恥ずかしいが、おしりの痛みには変えられない。私はこれ以上おしりを割れさせたくない。
…違った。腫れさせたくないだった。
カイにぃはなにやら悔しそうな顔をしていたけど、膝に座った事で高くなった視線。それによって外が見やすくなった事もあり、私は外を眺めていた。
ついに、侯爵家についた。
そこには、とても大きな家が建っていた。
「副団長、ちょー羨ましい事してたっすねぇ。絶対他の奴らにも言ってやるっす!」
「おや、私の代わりに自慢してくれるんですか?ありがとう」
「きぃーー!!これが勝者の余裕ってやつっすか!?ずりぃ…。ずりぃよー!ああ、シス、抱っこさせてくれないかなぁ」
「さっさと行きますよ」
「…ずるい」
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おもしろい!
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更新ありがとうございますm(_ _)m今回も楽しく読ませて貰いました!!シスのちょっと腹黒いところとかルイーゼとのやりとりが好きです♡
ありがとうございます!
ルイーゼもシスもお互いが大好きなので、これからも楽しみにしていてください!笑
更新ありがとうございますm(_ _)m今回の話も面白かったです!(●´ω`●)
ありがとうございます!面白いものをかけるよう、これからもがんばらせていただきます!