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オプローグ
しおりを挟む俺はこの世で最も、フザけた奴が嫌いだ。
特に校則を守らない奴。
大事な人生の分岐点でもある高校を、遊ぶ程度にしか考えていない奴。
当たり前のように教師は生徒を大事にすべきと、舐め腐った態度のガキ共。
教師は神でも聖人でもなく人間だ。
好き嫌いもあればそれ相応に努力している生徒は贔屓もするし、言っても聞かない生徒には差別もする。
「スカートの丈が短い」
「授業中は静かにしろ」
「ピアスは禁止だ」
毎日のように言っている言葉。
生徒指導を任せられているから当然だが、生徒に自分がどう思われ忌み嫌われているかなんて分かっている。
「あいつほんとうざいわー」
「めっちゃチェックしてくるよね。朝からアイツの顔見るとマジ萎えるわ」
「ほんと無理。ウザ眼鏡」
「オニ眼鏡」
「クソ眼鏡」
コソコソ言っているつもりだろうが全部聞こえている。
だが生徒指導の教師というのは一つの嫌われ役でもあり、誰かが言わなければガキ共は悠々と校則を破り続けるのだから仕方ない。
何眼鏡と言われようが今後生徒に媚を売るつもりも、このスタイルを変えるつもりも一切ない。
――はずだった。
あの男が現れるまでは。
「ほら、せーんせ、お口止まってる」
「……も、やめ…っ」
「好きでしょ?舐めんの。気持ちよさそーだもんね」
酷い屈辱だ。
あまりにも酷すぎて自分の全てが崩壊してしまいそうな行為をさせられていると言うのに、こんな奴に散々開発されてしまった身体がどうしても疼きをもってしまう。
奪われた眼鏡を指先で遊ばせながら、恍惚とした表情で見下ろされる。
悔しくて涙を零したら、ドクリと俺の口の中で一層ソレが大きく張り詰めた。
「あー、もう…そんな物欲しそうな顔して、堪りませんよ。今挿れてあげますね」
「ま、待て…っ。俺とお前は…」
「はいはい、教師と生徒ですよ。好きなんだから、それの何がいけませんか?」
言いながら身体を反転させられて、酷く熱くなった勃起を押し付けられる。
ぼろぼろと生理的な涙を流しながら、俺はどうしてこうなってしまったのだろうと唇を噛み締めた。
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