恋愛ゲームのモブに転生した俺が悪役令嬢に転生した妹の闇堕ちフラグを叩き折る。

芽春

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第二章 覚醒

第11話 見せるべき背中

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エリトと決闘する事になり、
俺は作戦でも練ろうと顔見知りを集めて食堂に来ていた。

「エリトと決闘?」

マロンが驚いて呟く。
同じテーブルに集まっているカイ、ザコスも驚いているようだ。

いや、ちょっと待て。なんでザコスまでいるんだよ。

「ちょっと待て、なんでお前まで居るんだよ、
お前は俺の仲間でも友達でも無いだろ」

「え?俺の為に決闘する事になったんじゃ無いのか?マロンにそう聞いたけど」

そう言われてマロンの方を見る。

「てっきり私はお前の優しさでコイツを救おうとしたのかと思ったんだが」

「いや、俺はセイラの脅迫を辞めさせたいだけ、
ぶっちゃけコイツはどうでもいい」

「ひどいな!?」

「ええー!ノーティスさん昨日私の事脅したじゃないですか!そういうの
ダブルスタンダードって言うんじゃないですかー!」

……ザコスはともかく、カイの言う事はもっともだな。
脅迫を辞めさせる奴が脅迫をしてちゃあ誰だって納得しない。

「……そうだな、昨日はすまなかった。二度としない」

「あはは……そんな深々と頭を下げられると逆に困りますね」

誠意を持ってカイに謝罪した。

「自分の行いを反省するのは良いが、話の本筋はそこじゃないだろう?」

「おっと、そうだ……で、皆は俺がエリトに勝てると思う?」

「いや~良い記事にはなりそうですけど流石に無茶ですよ」

「俺も同感」

……全員良い顔をしていない。
まだ俺の強さは信頼されていないようだ。

「俺は無茶だとは思って無い。アイツの戦い方は良く知ってるよ」

「ホントですか?念の為説明しますよ?」

カイが語りたそうにしているので大人しく聞くことにする。

「エリトさんは魔法の才にこそ恵まれていませんが、
剣術は間違い無く学内トップ。技と速さで翻弄しながら
相手を切り刻むと言われています」

カイの言う評判は学内で流れている評判をそのまま流用したものだった。
まあ、これが前提から間違えていると分かるのは俺が転生者だからこそだ。

「本当に魔法の才能は無いのか?」

「いや、魔法はからっきしだと聞いてますが……あーでも一つ」

「でも?」

「時々剣が早すぎて見えない事が有るのですが、その時に魔法のようだと例えられてましたね」

……なるほど、そう言う感じか。
実を言うと、奴は剣の達人では無い。

風と水の魔法の達人で、剣のエリートだ。
ゲームの時も苦労させられた……



俺の記憶の中にあるエリトはこんな感じである。

「ようやく対決だなぁ……エリトォ……」

俺はそう呟きながら重装歩兵のユニットを奴の近くまで移動させる。

「ずいぶん奥まった所にいるせいで移動力が足りないな……
まぁ次のターンで終わりかな?って、ん?」

ユニットの移動が完了した瞬間、画面にはエリトの行動が表示された。
奴はその場から動かず、「見えない刃」と言う技を使用する。

「『見えない刃』?剣士の癖に遠距離とは小癪な……
まぁ物理防御高い奴だから大丈夫、一撃ィ!?」

画面には即死した重装歩兵ユニットの撤退ログが表示される。
そのまま付かず離れずの距離を維持され、我が軍はエリト一人の前に敗走した。



と、まあこのようにエリトは『根っからの剣士でございます』という面を持った
魔法剣士、言葉を選ばないなら詐欺野郎なのだ。

「それによぉ、実力もそうだけどアイツはいざとなれば
手段を選ばないって噂だぜ?」

「ああ、そうだな」

そう言う所は今の奈緒に似てると思う。
類は友を呼ぶと言う奴か。

「だったらこっちも思いっきり卑怯な作戦考えます?
そういうの得意ですよ私」

「……いや、それは駄目だ」

「どうしてですか?」

「さっき君が教えてくれただろ?」

(子は親の背中を見て育つ。
じゃあ、親がいなかったら?)

俺は奈緒に背中を見られている人間だった。

特に何もせずに品行方正な生き方を選んでいた俺の背中に、奈緒は
『正直者は馬鹿を見る』と、学んでしまったのだろう。

まずそれを否定しなければいけない。

「俺はセイラに正々堂々はカッコいいって教えなきゃいけないんだ」

「?」
「?」

「?まあ、良く分からんが正攻法で勝つなら少しでも鍛錬すべきだろう、
付き合うぞ」

俺には仲間と知識があるのだ、絶対に勝って見せる。
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