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被保護編 338年
338年3月3-2
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クリスがホールの横の小部屋に入って、ついてこようとする人たちを断ってくれた。オトモダチだけで話したいので。
「お水をどうぞ」
中にはご令嬢が数人いたので小声で話す。
「ありがとうございます」
ひとりになりたかったけど、あちらよりずっとまし。ありがとうクリス。
黙っていてもおかしいので、すごい人出ですね、今年の天気はどうなるのでしょうね、国王ご夫妻は美しいですね、当たり障りのないことをしゃべっていた。
そうすると、先に部屋にいたご令嬢の一人が声を掛けてきた。
「クリスティアナ様、私から声をお掛けするべきではないのですが、学友の一人としてお目こぼしくださいませ」
「ベリーツィア様、もちろんですわ。オーサー様、こちらベリーツィア・イシネル伯爵令嬢です」
「オーサーと申します」
クリスが目で知らせてくれた。要注意らしい。
「ベリーツィアです。今日はずいぶんご活躍ですわね」
活躍ね。難しいことを言う人だ。
イユリスは王族と貴族が減少している。
この世界で最も歴史の長い国だけど、このままだと王族は近いうちに消滅するかもしれない。
貴族も公爵が二家、うち一家が失脚したばかりだ。血縁を据えて存続させるかは未定。
侯爵はヌゼラスだけ。
あとは伯爵以下だから、このベリーツィア伯爵令嬢も婚約者候補のはずだ。
「不慣れな私を、温かく迎えてくださる方がいらっしゃるなんてうれしいです」
「王妃様からのドレスをお召しになった方はもてなさないと」
はいはい。私じゃなくドレスを尊重しているだけだってね。
「はい。ありがたいものをいただいたと思っています」
「お水をどうぞ」
中にはご令嬢が数人いたので小声で話す。
「ありがとうございます」
ひとりになりたかったけど、あちらよりずっとまし。ありがとうクリス。
黙っていてもおかしいので、すごい人出ですね、今年の天気はどうなるのでしょうね、国王ご夫妻は美しいですね、当たり障りのないことをしゃべっていた。
そうすると、先に部屋にいたご令嬢の一人が声を掛けてきた。
「クリスティアナ様、私から声をお掛けするべきではないのですが、学友の一人としてお目こぼしくださいませ」
「ベリーツィア様、もちろんですわ。オーサー様、こちらベリーツィア・イシネル伯爵令嬢です」
「オーサーと申します」
クリスが目で知らせてくれた。要注意らしい。
「ベリーツィアです。今日はずいぶんご活躍ですわね」
活躍ね。難しいことを言う人だ。
イユリスは王族と貴族が減少している。
この世界で最も歴史の長い国だけど、このままだと王族は近いうちに消滅するかもしれない。
貴族も公爵が二家、うち一家が失脚したばかりだ。血縁を据えて存続させるかは未定。
侯爵はヌゼラスだけ。
あとは伯爵以下だから、このベリーツィア伯爵令嬢も婚約者候補のはずだ。
「不慣れな私を、温かく迎えてくださる方がいらっしゃるなんてうれしいです」
「王妃様からのドレスをお召しになった方はもてなさないと」
はいはい。私じゃなくドレスを尊重しているだけだってね。
「はい。ありがたいものをいただいたと思っています」
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