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被保護編 339年
339年5月8-5
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フェロとコパロの話し合いは、不満は残っても上手くいくだろう。時間がないから。
オーサーの手を取って感激したことを伝えたい。あんなにも大量の本を読んだ理由、それを並べた効果、最も効果的な専門家の使い方、話の展開、選ぶしかない選択肢の与え方、素晴らしかった。そして全ては民と国の利益となる。
すごい人だ。一人で八十年の問題を解決した。命令せず、剣を抜くことなく、ただ本と人を集めただけで。
叔兄に会わせたい。オーサーは叔兄をどう思うだろうか。叔兄は間違いなく興味を持つ。こんな人間もいるのだ。
オーサーと話したかったが、オーサーは自分の部屋へ消えた。レイサス様は皆と共に談話室へ行く。
「レイサス様、一緒には行かれないのですか」
オーサーの部屋を見ながら聞くと、私を促して歩いていく。
「オーサーは体調が良くないときは一人になりたがるのです」
「大丈夫なのですか? 医者は?」
「持病の頭痛です。医者よりも一人で眠りたがるので、そっとしておいてください」
体調が悪いとき、妾はコウセンにいてほしいと思う。コウセンを一人にするのが不安だし、妾も一人になったことがない。
オーサーはなぜ一人が好きなのだろう。一人が好きだからレイサス様から離れるのか。
愛している人間が苦しんでいるのに一人にしなくてはいけない気持ちの方が、妾にはわかる。
オーサーの手を取って感激したことを伝えたい。あんなにも大量の本を読んだ理由、それを並べた効果、最も効果的な専門家の使い方、話の展開、選ぶしかない選択肢の与え方、素晴らしかった。そして全ては民と国の利益となる。
すごい人だ。一人で八十年の問題を解決した。命令せず、剣を抜くことなく、ただ本と人を集めただけで。
叔兄に会わせたい。オーサーは叔兄をどう思うだろうか。叔兄は間違いなく興味を持つ。こんな人間もいるのだ。
オーサーと話したかったが、オーサーは自分の部屋へ消えた。レイサス様は皆と共に談話室へ行く。
「レイサス様、一緒には行かれないのですか」
オーサーの部屋を見ながら聞くと、私を促して歩いていく。
「オーサーは体調が良くないときは一人になりたがるのです」
「大丈夫なのですか? 医者は?」
「持病の頭痛です。医者よりも一人で眠りたがるので、そっとしておいてください」
体調が悪いとき、妾はコウセンにいてほしいと思う。コウセンを一人にするのが不安だし、妾も一人になったことがない。
オーサーはなぜ一人が好きなのだろう。一人が好きだからレイサス様から離れるのか。
愛している人間が苦しんでいるのに一人にしなくてはいけない気持ちの方が、妾にはわかる。
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