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2024年3月

3月7日

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出社するなり、俺を待ち構えていた佐々木君から「あの人のことわかりましたか?」と聞かれた。
まだ返事はないし、社長の事もあるからと言うと、昨日の夜に藤木さんから電話が来てと困ったように言った。
詳しく聞くと、藤木さんから話を聞いていた藤木さんの彼女が偶々出くわしてヨシオが引っ越したことを伝えると、引っ越し先を聞いてきたらしい。
怪しい人って話だったので分からないと言ったが、しつこく何度も聞かれたらしい。
昼にでも工房に行こうと思っていたと言うと、待ちきれないとソワソワしていた。
そんなに気になるなら北島に電話してみればいいだろうと提案すると、さっそく電話をしていた。
事情を話すと誰かと代わったようで、急かしてすいませんと言った後にすぐ「ヨシタニさんの家の息子さん?仕事場は...あーそうですか。場所とかも?うーん、方向はそっちの方で、そうですか。ありがとうございます。」と残念そうにしていたので、望んだ結果は得られなかったようだ。
電話の向こうで、俺と代わるよう言ったようでスマホを渡された。
「北島です。工房の社長なんですけど、1週間くらい入院になったらしいです。歳ってこともあるんで長くなるかもしれないって大輔さんが言ってたんですけど。大したことは無かったから、普通に仕事入れても大丈夫ってことでした。」と、電話から聞こえてきてホッとした。
心配で今日行くか迷ってたと言うと、そう思って教えてくれたそうだ。
佐々木君の尋ね人はヨシタニさんの家の息子ということと、朝早くに仕事に行くということしかわからないそうだ。
ヨシタニさんの家の場所は分からないのかと聞くと、電話の向こうで話し声がしてすぐに、「分かるみたいです。」と聞こえたので、相手の親に事情を説明してもらえないか確認してもらった。
だが、親しくはないので難しいとのことだった。
それなら無理だなぁと思いながら、お礼を言って電話を切った。
スマホを返すと、藤木さんには名前と住んてでる地域を伝えてみると佐々木君がメールを送っていた。
東が言っていた写真を貼っておけのアイディアを伝えると、それ良いっすねとパッと笑顔になっていた。
これもメールしますとスマホを触りながら、東さんやっぱ頼りになりますとニコニコしていた。

みかんの箱を覗くとあと5個だったので箱から出して次の箱に混ぜようと、下の箱を開けると空だった。
もうなくなったのかと思っていると、早瀬さんが昨日の朝に入れ替えたと教えてくれた。
意図せず空箱が2つ手に入ったが、大人になった今では全く必要のないゴミだ。
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