貧乳シンデレラは、貧乳を理由に婚約破棄されましたが、元婚約者には未来の可能性が見えていませんでした。

しおしお

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 27話胸差別国家の終焉:国王の宣言

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大聖堂の中央――
結婚式のために敷かれた純白の絨毯の上で、
国王ヴァレンティウス三世がゆっくりと立ち上がった。

荘厳な光が高い窓から差し込み、
国王のマントを照らす。

参列者のざわめきは、
国王がわずかに手を挙げた瞬間に消えた。

「本日、我がレオナードとシンディの結婚式に参列した皆よ。
 この場は、ただの婚礼の儀ではない。
 王国にとって、重大な“価値観の転換”の日でもある」

その声は決して大きくないが、
大聖堂の隅々まで響いていった。

巨乳絶対至上主義の象徴のような貴族たちの顔が
ピクリと動く。

国王は厳しい眼差しで続けた。

「長年この国では、胸の大きさが女人の価値を決めるという、
 愚かで歪んだ考えが蔓延してきた。
 胸が大きければ褒め称えられ、
 胸が小さければ蔑まれる」

参列席の女性たちの多くが、小さく震えた。

「この不条理な価値観によって、
 どれほど多くの娘が傷つき、
 どれほどの縁が破壊され、
 どれほどの未来が奪われたか……」

国王の視線が、
メリッサとアンジェリカの方をかすめた。
二人はびくりと肩を揺らし、顔を伏せる。

国王はさらに言葉を重ねる。

「巨乳絶対至上主義は、
 今日をもって終わりとする。
 今この瞬間をもって、胸の大小で女人を選別することを禁ずる」

大聖堂がざわりと揺れた。

男性貴族たちの何人かは青ざめ、
女性たちは口に手を当てて涙ぐむ。

国王は断言した。

「胸の大きさで婚約を破棄したり、
 胸を理由に侮辱した場合、
 爵位・領地・財産・社交権など、
 いかなる身分であっても厳罰に処す」

巨乳絶対至上主義に依存していた貴族たちが
一斉に沈黙した。

国王は王子とシンディに視線を向ける。

「レオナードは胸ではなく、“心”を見た。
 これこそが、王国が今後進むべき姿である」

レオナードはシンディの手を取り、
深い愛情を込めた瞳で父を見る。

国王は高らかに宣言した。

「今日より、胸に縛られた不当な価値観は廃止される。
 胸の大小で女人を計る時代は終わり、
 人の心と行いこそが尊ばれる時代が始まる!」

その瞬間、大聖堂の女性たちが涙をこぼし、
小さな拍手が広がり、やがて大きな歓声となっていく。

「胸で泣く日々は終わったんだ……」
「シンディ様、ありがとう……」
「私たちの未来が変わる!」

対照的に――
巨乳絶対至上主義で利益を得てきた貴族たちは、
ただ震えながら押し黙っていた。

メリッサとアンジェリカも、
崩れ落ちるように座り込み、呆然と呟く。

「ど、どうして……
 胸の大きさが……価値じゃなくなるなんて……」
「こんなの……認めたくないのに……」

レオナードはそんな二人に興味すら示さず、
シンディの手を強く握りしめた。

シンディも静かに微笑む。

胸の大小で苦しむ時代は、
いま、国王の宣言によって終わりを迎えた。

そして、新しい世界が始まる。

胸ではなく――
心で選ばれる時代が。


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