貧乳シンデレラは、貧乳を理由に婚約破棄されましたが、元婚約者には未来の可能性が見えていませんでした。

しおしお

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31話 永遠の愛の誓い(前半)

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 永遠の愛の誓い(前半)

結婚式の余韻が残る王宮のバルコニー。
夜の風はやわらかく、星々は祝福するように瞬いている。

シンディは白いドレスの裾をそっと持ち上げ、
レオナードと並んで月明かりの下に立った。

「……きれいな夜ですね、殿下」

微かに震える声。
胸の奥から込みあがる感情を抑えきれない。

レオナードは静かに微笑んだ。

「今日は、あなたを“殿下”ではなく……“レオナード”と呼んでほしい」

「……っ」

シンディの胸が熱くなる。

王子、未来の国王――
そんな肩書きをすべて脱ぎ捨てて、
ただの一人の男性として自分に向き合おうとしている。

シンディは赤くなった頬に手を添え、
小さく、けれど確かに呼んだ。

「……レオナード様」

その瞬間、
彼が目を細め、まるで宝石を見るような優しい顔になった。

「その呼び方が、いちばん好きだ」

「……わたしも……です」

言葉にした途端、
胸の奥がじんわりと温かくなる。

レオナードはゆっくりとシンディの手を取り、
自分の胸の上に置いた。

「シンディ。
 私は今日、国中の前で誓いました。
 あなたを生涯守ることを」

「……はい」

「でも……本当に守られていたのは私の方だ」

「え……?」

レオナードの声は真剣で、少し震えていた。

「あなたがこの国を変えてくれた。
 巨乳絶対至上主義という愚かな価値観から、多くの女性を救った。
 胸ではなく“心”で人を見たいという私の想いに――
 あなたは希望を与えてくれた」

「レオナード様……」

「もしあなたと出会わなければ……
 私はきっと、あの夜のまま、無力な王子で終わっていた」

シンディは首を振った。

「ちがいます。
 レオナード様が“心の美しさ”を見てくださったから……
 わたしは救われて……勇気を持てたんです」

「ふふ……では、お互い様ですね」

二人の瞳が静かに重なった。

月明かりに照らされ、
白銀の光がシンディの髪を柔らかく縁取る。

レオナードは言った。

「シンディ。
 胸の大きさなど関係なく……
 あなたの心が、美しさそのものだ」

「……っ」

それは、
彼がずっと守ってきた想い。

そして、
胸差別に苦しめられたシンディが
一番欲しかった言葉だった。

涙がひと粒、頬を伝う。

レオナードはその涙を指でそっと拭った。

「シンディ。
 あなたと生きたい。
 あなたと、この国をつくっていきたい。
 胸に囚われた時代を終わらせたように……
 これからも、心を守る国にしたい」

胸が震える。

「……わたしも……レオナード様の隣で……
 ずっと……生きていきたい……」

その答えは、
王子ではなく“ひとりの男”への想いだった。

レオナードはシンディの手を包み込み、
ゆっくりと唇を寄せた。

「……愛している、シンディ」

シンディの呼吸が止まる。

月が二人を照らし、
静かに、深く、永遠を告げるように輝いていた。


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