見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ

しおしお

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26-2 追放計画

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26-2 追放計画

――静かに、だが確実に動き出す革命

セリカは、燃えるような決意を胸に執務机へと戻った。
レクサスⅧ世の変わることのない無責任と、王国の未来に対する無関心。
あの会話で、彼に期待する可能性は完全に消えた。

――この国を救えるのは、自分しかいない。

「自由にやれる」という甘い言葉に隠された真実に気づいた今、
彼女の心に迷いはなかった。

この王国には、王が必要だ。
王の形をした飾りではなく、国を動かし、導く“本物”の統治者が。

その役目を果たせるのは、もはや彼ではなかった。


---

◆◆◆ 第一段階:信頼できる者を集める ◆◆◆

夜の王宮は静まり返っていた。
燭台の揺れる灯りを頼りに、セリカはひとり密かに廊下を進み、
ある部屋の前で軽くノックをした。

「お待ちしておりました、セリカ様」

出迎えたのは重臣セイラン公。
かつて父ディオール公爵と親交があり、現在は宰相代理として
王国の実務を担っている人物だ。

その部屋にはすでに、数名の有力貴族や将軍たちが集まっていた。
顔ぶれは慎重に選ばれた者ばかり――
レクサスⅧ世の無能を最も憂い、セリカに希望を抱く者たちだ。

燭光の中心に立ったセリカは、まだ幼い体でありながら、
年齢以上の威厳と覚悟を漂わせていた。

「皆さま。遅い時間に呼び出してしまい申し訳ありません」

将軍たちは膝をつき、重臣たちは深く頭を下げた。

「セリカ様……我々はあなたの言葉を待っておりました」

セリカは静かに、しかし揺るぎない声で続けた。

「私は――この国の未来のために、決断を下す覚悟があります。
 レクサスⅧ世は、もう王としての責務を果たせません」

部屋の空気が震えた。

「その通りでございます!」
「今の王には国家の危機すら見えない……」
「セリカ様こそ、この国が求める真の統治者だ!」

興奮する声が飛び交う中、セリカは手を上げて皆を静めた。

「このままでは、レクサス王国は衰退の一途を辿るでしょう。
 私はそれを黙って見ていることができません。
 どうか……私に力を貸してください」

幼い少女の声とは思えないほどの強い意志。
しかし、その言葉は心に染み入り、場にいた者たちの胸を打った。

重臣たちは次々と膝をつき、頭を垂れた。

「セリカ様。あなたの決断に、命を懸けて従います」

「我らは、あなたの王道を支えましょう」

「レクサスⅧ世に代わり、この国をお守りください!」

セリカは静かに目を伏せ――
そしてゆっくりと、深く頭を下げた。

「……必ず。この国を、救ってみせます」


---

◆◆◆ 第二段階:宮廷の掌握 ◆◆◆

翌日。
表向きは何事もないように王妃として業務を続けながら、
セリカは裏で迅速な行動に移った。

まず、王宮の護衛隊長を自陣に引き込み、宮殿の警備権を掌握。
次に、各省庁の事務方トップに圧力をかけ、彼女に忠誠を誓わせる。

レクサスⅧ世の側近たちも、ひとり、またひとりと
彼の無能を見限り、セリカのもとへやって来た。

「……どうか、私をおそばで働かせてください」

「セリカ様の方針に従います。王のもとでは、国が滅びます」

レクサスⅧ世の影響力は日に日に薄れ、
彼の周囲は気づけば空洞になっていた。

レクサスⅧ世本人は――何も気にしていなかった。

「最近、みんなセリカのところに行ってしまうなぁ……
 まあ、彼女なら大丈夫だろ」

国王であることの意味を、まるで理解していない。

セリカはその事実に、逆に決意を固めた。

この男は王座にいてはならない――。


---

◆◆◆ 最終段階:追放の告知 ◆◆◆

そしてある夜。
セリカは再び重臣たちを集め、ついに宣言した。

「時は来ました。
 レクサスⅧ世には、王位から退いていただきます」

重臣たちは全員うなずき、剣を胸に掲げた。

「セリカ様。命に代えても、お守りいたします」

「王国の未来を、あなたに託します」

セリカは深いため息をつき――
静かに、しかし確固たる声で告げた。

「……王宮からレクサスⅧ世を退去させます。
 もう、この国に彼の居場所はありません」


---

◆◆◆ レクサスⅧ世、追放の時 ◆◆◆

数時間後。
王宮の私室。

酒を飲みながら退屈そうに座るレクサスⅧ世の前に、
護衛隊が静かに現れた。

「……何だい? セリカの差し金かい?」

護衛隊長は、厳かに告げた。

「レクサスⅧ世陛下。
 あなたは本日をもって、王位を剥奪されます」

「へぇ……そうかい」

彼は少し驚いたように目を瞬かせたが、
すぐに杯を置き、どこか穏やかな声で言った。

「まあ……僕は疲れたからね。
 セリカが王をやるなら、その方が国のためだよ」

護衛たちは目を見交わした。
その無責任さに呆れながらも、
それ以上何も言えなかった。

レクサスⅧ世は抵抗もせず、ただ静かに連れ出され――
闇に包まれた王宮を後にした。

こうして。

王国の無能王は追放され、
セリカによる新時代の幕が開けることになったのだ。


---
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