白い結婚だと思っていたのに、旦那様が溺愛してきて困りますわ!

しおしお

文字の大きさ
7 / 8

第7章:白い結婚、終了のお知らせですわ

しおりを挟む
7-1:終わりを告げた“白”の契約

「本当に……この契約、破棄してしまってよろしいのですの?」

その日、アルテッツァはアレクセイと並んで、大公邸の書斎にいた。
机の上には、ふたりの“始まり”となった婚姻契約書。――“白い結婚”を明文化した、一枚の羊皮紙が広げられている。

「第七条、“両名は互いに干渉せず、伴侶的役割を期待しないこと”……」
アルテッツァは苦笑を浮かべた。

「今となっては、なんと不毛な一文でしょう」

「……当時はそれで安心したのだろう?」

「ええ。まさに“この契約さえあれば、心を乱されずに済む”と。
でも今は違いますの。私は、あなたに干渉してほしい。あなたの隣にいたい。
……あなたに期待されたいのです」

そう告げたアルテッツァの表情は、かつての冷静な仮面を脱ぎ捨てた、ひとりの女性の顔だった。

アレクセイは無言のまま、書類を一読し、ゆっくりとインク壺を手に取る。
羽ペンを浸し、その契約書の端に――自らの署名を、静かに斜線で消し去った。

「契約は、ここで終了とする。……君の意志で、君の名前も消してくれ」

「はい」

アルテッツァは同じように自らの名に線を引き、紙を折りたたむ。
これで、ふたりを縛っていた“白の約束”は完全に破棄された。

「これで、ようやく……“本当の結婚”が始まるのですね」

「君が望む限り、何色にも染めていける」

そう告げたアレクセイの声音は、かつてないほどに柔らかだった。


---

午後。王都サロンでは、あるひとつの噂で持ちきりになっていた。

「聞いた? 大公閣下と大公妃が、今後は“完全な夫婦として歩まれる”って」
「“白い結婚”は終了、ですって。今では朝食も夕食も毎日ご一緒らしいわ」
「それどころか、あの冷酷大公が、奥様を“お迎え”に来るって……」
「まるで、恋人のようだと評判よ!」

社交界のご令嬢たちは、一様に驚愕と羨望の眼差しを交わしあっていた。
そして、かつてアルテッツァを侮っていた者たちは――沈黙した。

「……まさか、本当に溺愛されるとはね」
「“薬草おばけ”なんて言っていたのが、恥ずかしいわ」

アルテッツァは、もはや“地味で目立たない令嬢”ではない。
今や王都で最も注目される大公妃であり、冷徹と恐れられた大公に“唯一の温もり”を与える女性として、誰もが一目を置く存在になっていた。


---

その夜。

大公邸の広間では、ふたりきりのささやかな祝宴が催された。

「今夜は……白から赤へ染まり始めた記念ですわね」

そう言って微笑むアルテッツァは、淡い桜色のドレスに身を包んでいた。
春の色を映したようなその装いは、彼女の柔らかな表情とよく似合っていた。

「……少し、見とれてしまった」

「まあ。アレクセイ様でも、そういうことを言うのですね」

「言葉にしなければ、伝わらないことがあると、君が教えてくれた」

アレクセイは、グラスを掲げた。

「君と歩む、これからの人生に。……契約ではなく、信頼と、願いと、心で結ばれた日々に」

「乾杯ですわね」

二人はグラスを合わせ、その音が夜の静寂に優しく響いた。


---

夜更け。

寝室の窓辺で、アルテッツァはそっと空を仰いでいた。
星々がきらめく空の下、胸に浮かぶのは、ただひとつ。

「私は……あなたに出会えて、本当によかった」

政略結婚。契約の結婚。白い結婚。
そのすべてが、今やただの“過去の名前”にすぎない。

手を伸ばせば、彼のぬくもりがある。
言葉にすれば、ちゃんと返ってくる。
迷っても、傷ついても、隣で支えてくれる誰かがいる。

そんな“当たり前”のようで奇跡のような幸せを、今の彼女は大切に抱きしめていた。

「アレクセイ様……これからは、“夫婦らしいこと”をもっとたくさん……していきたいですわね」

「たとえば?」

背後から届いた声に、アルテッツァは頬を赤らめながら答える。

「たとえば……毎朝、あなたを起こしに行くとか。
雨の日には、一緒に本を読むとか。
寒い夜には……もう少し、近くにいてもらうとか」

「……すべて、私の願いと一致している」

「ふふっ。でしたら、明日から始めてみましょうか」

「君がその気なら、今夜からでも構わない」

「まあ……!」

そんな何気ないやり取りの中に、ふたりの“夫婦としての一歩”があった。

白から始まったふたりの関係は、今ようやく色づいて――
やさしく、あたたかく、“本物”になっていくのだった。

(7-1 完)


---

7-2:初めての夫婦らしい時間、甘やかな日常の始まり

「アレクセイ様、おはようございます」

「……ん」

まだ陽が昇りきらない時間、寝室の重厚なカーテンの隙間から朝の光が差し込み、アルテッツァの小さな声が室内に響いた。

その声に応じたのは、大きなベッドの中で目をこすったアレクセイだった。
普段なら彼が先に目を覚まし、屋敷の中を静かに動き出す頃だが、今朝は違う。
寝室のドアをそっと開けて入ってきたアルテッツァが、彼の枕元に座っていた。

「今日は、私が先に起きましたの。ですから……ほら」

彼女が手にしていたのは、銀の盆にのった朝の紅茶と、フルーツを添えたトースト。

「これが、“夫婦らしい朝”の第一歩ですわ。いかがかしら?」

アレクセイは目を瞬かせて、そして静かに笑った。

「君の淹れた朝茶で一日を始めるなど、夢のようだな」

「夢ではありませんわ。現実ですのよ、大公様。……起きてくださいませ」

「……仕方ないな。では、君の提案に甘えよう」

アレクセイは上半身を起こし、肩にかけたローブを整えながらティーカップを受け取る。

「うん……香りがいい。これは?」

「ミントとシナモン、ほんの少しだけレモンバームを加えてみましたの。
朝の眠気を優しく覚ましてくれますわ」

「優しさは……十分すぎるほどだ」

アレクセイはカップを持ったまま、隣に座る彼女を見つめる。

その視線に、アルテッツァの心臓がまた忙しなく鳴り出す。
“夫婦らしいこと”を始めよう――そう決意したとはいえ、こうして朝の光の中で向かい合っていると、まだ少し照れくささが残っていた。

「……そんなに見ないでくださいまし。恥ずかしいですわ」

「見たくなるのは仕方がない。今朝の君は……とても、可愛らしい」

「……っ!」

頬にじわりと熱が広がるのを感じながら、アルテッツァは紅茶のカップで口元を隠した。


---

その後、ふたりはそろって朝食をとった。

アレクセイは以前よりも会話が増え、アルテッツァも自然と笑うことが多くなった。
味についての感想や、今日の予定の確認。些細な会話でさえ、彼女にとっては新鮮だった。

「午前中は、施療院からの来客対応がありますの。午後は、新薬の試験報告会ですわ」

「私も同席する」

「まぁ、それは珍しいですわね。王宮との政務ではなく?」

「君が中心となって進めている事業だ。私が傍にいることで、余計な干渉が減るだろう」

「……つまり、“夫としての付き添い”ということですの?」

「その通りだ。迷惑か?」

「いえ……とても、うれしいですわ」

使用人たちは、食堂の入り口でそっと息を殺してその様子を見守っていた。

「なんて優雅な朝食風景……」
「ついこの前まで“ご一緒のお食事は月に数回”だったのに……」
「大公様、完全に“愛妻家”ですわね」

彼らの言葉通り、いまやふたりの間に流れる空気は、かつての“白い”それとはまるで違っていた。


---

午後の報告会後。
アルテッツァは応接室のソファに腰を下ろし、肩を軽く回していた。

「……やはり、大勢の前で発言するのは疲れますわね」

「だが、君の言葉は的確で説得力がある。皆、納得していた」

「それでも、私が大公妃だから耳を傾けてくれたという面も否めませんわ」

「君の実力を、君が一番低く見積もっている」

そう言って、アレクセイは彼女の隣に腰を下ろした。

「どうして……そこまで私を信じてくださるのですか?」

アルテッツァの問いに、彼は答える。

「君は、誰かのために正しくあろうとする。その姿勢が、私にはとてもまぶしい。
そして何より――君は、私に笑ってくれる。
……それだけで、この城は、十分すぎるほどにあたたかい場所になる」

「……ふふ、あなたのその言葉こそ、私を支えてくれていますのよ」

ふたりは、自然に肩を寄せ合った。

昔なら、考えられなかった距離。
けれど今では、それが“当たり前”のように思えてくる。


---

夜、寝室の灯りを落としたあと。
ふたりは同じベッドの中、静かに並んで横になっていた。

「アルテッツァ」

「はい?」

「こうして隣で眠れることが、これほど安心をもたらすとは思わなかった」

「それは……私も同じですわ」

しばしの静寂ののち――

「あなたに出会えて、よかった」

「私も……君に出会えて、本当によかった」

その言葉は、ようやく手にした“本当の夫婦の時間”の証だった。

愛を言葉にするには、まだ少し時間が必要かもしれない。
けれど、ふたりの関係は、もはや誰がどう見ても――確かな絆で結ばれていた。

7-3:過去に踏み出す勇気、白い結婚を選んだ理由

「このドレス……まだ持っていたのね」

屋敷の衣装室で、アルテッツァはかつて着たまま一度も手を通していなかった淡いグレージュのドレスを指先で撫でていた。

「それは……政略結婚の直後にご用意されたものでしたわね」
後ろに控えていた侍女クレアが、そっと言葉を添える。

「“夫婦で並ぶ式典用”と聞いて、あなた様が『必要ないですわ』とおっしゃって……」

「……ええ、記憶していますわ」
アルテッツァは微笑みながら、ドレスの襟元をそっと整える。

「当時は、“夫婦”なんて言葉が重たくて、恐ろしくて……。誰かの妻になることすら、自分を投げ出すようで怖かったの」

「それでも、お嬢様は“白い結婚”を選ばれました」

「……妥協だったのかもしれませんわ。
家の名誉を守るため、自分の価値を証明するため。
恋も愛もいらない、ただ穏やかな日常だけが欲しかった。
あの頃の私は、そう自分に言い聞かせていましたの」

クレアは静かに頭を下げた。

「ですが、お嬢様は今や……愛される女性になられました」

「……愛される資格など、私にはあるのかしら」

アルテッツァの指が、ぎゅっとドレスの布を握る。

「元婚約者に傷つけられ、家からは利用され、誰かに頼ることが怖くなって。
そんな私が、アレクセイ様の隣に立っていいのだろうかって……今でもふと、思ってしまうの」

「お嬢様」

クレアは、彼女の手をそっと握った。

「大公様は、そんなお嬢様のすべてを知ったうえで、愛していらっしゃいます。
それでもまだ、ご自身の価値を疑われるのなら――
どうか、その疑いの一つ一つを、大公様に委ねてください。
きっと、すべて答えてくださいますから」

「……ええ、そうね。私が、一番信じていなかったのは、自分自身だったのかもしれませんわ」

アルテッツァは深く息を吸い込み、微笑を取り戻した。

「ありがとう、クレア。今日はこれを着ましょう。
――私が“妻として隣に立つ”覚悟を決めた日を、形に残したいの」


---

その日、王都では貴族の集まる文化祭――“黎明の晩餐会”が催されていた。

ヴォルティア大公夫妻は招待客のなかでも“主賓”として名を連ねており、その登場は会場の注目を一身に集めた。

「……きたわよ、大公妃様」

「まさか、並んでご登場になるなんて……あの大公が、腕を差し出している……!」

「ドレスは落ち着いた色なのに、すごく華やか。
あれが“本物の夫婦”のオーラってやつね」

アルテッツァはアレクセイの腕にそっと手を添え、堂々と会場を歩いていた。

ふたりが並ぶだけで、誰もが言葉を失うような気品と迫力があった。
けれど、彼女の笑顔は優しく、どこまでも自然で――まさに“愛される妻”そのものだった。

「……落ち着いているように見えて、少し緊張しているだろう?」

「ええ、まあ……少しだけ。
けれど、あなたの腕が温かくて……そのおかげで、私の心は不思議と穏やかですの」

「それはよかった。ならば今夜、もう一つ告げたいことがある」

アレクセイは、視線を彼女に向けた。

「この場を借りて、君を正式に“妻として”紹介する。
これまでの契約や形式ではなく――君が、私の人生における唯一の伴侶であると、ここで公にする」

「……アレクセイ様、それは……」

「君が今も迷っているなら、断ってくれて構わない。だが、私は今の気持ちを――ようやく言葉にできると思った」

アルテッツァは言葉を失ったまま、数歩その場に立ち尽くしていた。

けれど、次の瞬間、彼女は深く頷いた。

「……はい。
私は、今日この場所で、あなたの妻として、名を呼ばれることを誇りに思います」

その言葉に、アレクセイの目がかすかに和らぐ。

「ありがとう」

壇上へ進むと、王都の貴族たちの視線がいっせいに注がれる。

「本日、皆さまに改めてご紹介します。
私の妻、アルテッツァ・ヴォルティア。
――契約ではなく、心で結ばれた伴侶です」

ざわめきが一瞬広がったのち、拍手が湧き起こった。

かつて「冷酷無比」と呼ばれた大公が、これほどまでに穏やかな表情で誰かを“妻”と認める。
その姿は、王都の空気さえ変えるほどの衝撃と、ある種の憧れを伴っていた。

「……お嬢様、ついにここまで来られたのですね」
会場の隅でそっと見守っていたクレアが、胸元で小さく手を握りしめた。


---

夜の帰路。

馬車の中、アルテッツァは小さな声で囁いた。

「ねえ、アレクセイ様」

「なんだ?」

「昔は……愛なんて、いらないと思っていたの。
愛されたって、どうせ失うものだと、思っていたの」

「……」

「でも、あなたが隣にいてくれて、私を信じてくれて、手を伸ばしてくれて……
ようやく、“信じてもいい”って思えたの。愛されることを」

アレクセイは、何も言わずに彼女の手を包み込んだ。
その手は、どこまでも温かかった。

「私は……あなたを信じますわ。
もう、白にすがらなくても、あなたがいるなら私は大丈夫」

その夜、ふたりはようやく過去から一歩踏み出した。
そして――未来へ向かって、共に歩く“ふたりだけの物語”が始まろうとしていた。

7-4:大切な言葉、ふたりで迎える新しい朝

夜明け前の大公邸は、まだ静けさの中にあった。
窓の外には白く淡い光が滲み始め、鳥たちが枝先で羽を震わせている。

アルテッツァは、いつもより少し早く目を覚ました。
白いカーテン越しに差し込む光が、まるで新しい朝の始まりを祝福しているかのようだった。

その隣には、規則正しい寝息を立てるアレクセイの姿。

彼の横顔をこうして間近で見つめるのは、もう何度目になるだろう。
けれど、それでも飽きることはなかった。

「……不思議ですわね」

小さく呟いた声は、彼を起こさないように配慮された囁きだった。

「最初は、こんな風に一緒に朝を迎えるなんて想像もしていませんでしたのに。
あなたの隣にいると、心が穏やかで……
まるで、ずっと昔からこうしていたような気がしますのよ」

自分でも、どこか夢を見ているような気分だった。

政略結婚。
白い契約。
他人同士の仮面のような夫婦。

それがいつの間にか、彼の言葉とぬくもりに包まれて、
気づけば自分の居場所は、彼の隣に変わっていた。

「……起きているのか?」

思い出にふけっていたとき、低く掠れた声が耳を打った。

「おはようございます、アレクセイ様」
アルテッツァは振り向き、柔らかな笑みを浮かべた。

彼はまだ寝ぼけた様子のまま、枕元に肘をつきながら彼女を見つめ返した。

「君の声で目覚める朝は、どうしてこんなに……心地良いんだろうな」

「うふふ、それはきっと、昨夜あなたが飲んだ薬草茶のおかげですわ。安眠効果、保証付きですのよ」

「では、君の声と茶の効能で私は完全に癒されたわけか」

「まったく、うまいことを……」

言葉を交わしながらも、アルテッツァの胸の奥には、伝えたい想いが積もっていた。

昨夜の“晩餐会”での告白。
あれは確かに、契約から愛への転機だった。

だが、まだ言っていない“ある一言”が、彼女の心の中にずっと引っかかっていた。

「アレクセイ様」

「うん?」

「……私からも、お伝えしたいことがありますの」

アレクセイは上体を起こし、彼女をまっすぐに見つめた。

アルテッツァは膝の上で手を組みながら、ゆっくりと呼吸を整え、瞳を伏せる。

「私……あなたのことを、愛していますわ」

その言葉は、驚くほど自然に口からこぼれた。

装飾もない、駆け引きもない、ただ真っ直ぐな想い。
まるで心の底から湧き上がってきた泉のように、静かに流れ出た。

「最初は、自分でもわからなかったんですの。
あなたの隣にいることが、どうしてこんなに安らぐのか。
でも、今ならわかります。
あなたの言葉が、手が、視線が――私のすべてを満たしてくれるから。
だから私は、あなたを愛していると……はっきり言えるのです」

沈黙。

けれど、それは重苦しいものではなかった。
その沈黙のなかで、アレクセイは目を閉じ、深く息を吐いた。

そして次の瞬間、彼はアルテッツァの手をそっと握った。

「ありがとう、アルテッツァ」

「……え?」

「ずっと……君の口からその言葉を聞ける日を、待っていた」

彼の声が震えていた。

それは、冷酷と噂された彼が人前では決して見せなかった、
まぎれもない“素の感情”だった。

「君が、過去の傷を越えて、未来に目を向けてくれたこと。
その未来に、私を選んでくれたこと。
……私にとって、これ以上の喜びはない」

「アレクセイ様……」

「君を愛している。心から。
君がこの手を取ってくれるなら、私は人生のすべてを懸けて、君を守る」

ふたりの間に、言葉では言い表せないほどの静けさとぬくもりが広がった。

その瞬間、窓の外から朝日が差し込み、部屋の中に金色の光が広がった。

それはまるで、ふたりの未来を照らす光のようだった。


---

朝食の時間、ふたりは並んで食卓に座っていた。
使用人たちは何も言わず、そっとその様子を見守っていたが――

ふいにアレクセイが言った。

「アルテッツァ。明日の朝食も、君と一緒にここで食べたい」

「……毎朝、でも構いませんわよ?」

「それは心強い。ならば、これから毎朝、“おはよう”を言える関係でいよう」

「ええ、約束ですわ」

そして、ふたりは声をそろえて言った。

「これからも、ずっと――よろしくお願いします」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

今さら遅いと言われる側になったのは、あなたです

有賀冬馬
恋愛
夜会で婚約破棄された私は、すべてを失った――はずだった。 けれど、人生は思いもよらない方向へ転がる。 助けた騎士は、王の右腕。 見下されてきた私の中にある価値を、彼だけが見抜いた。 王城で評価され、居場所を得ていく私。 その頃、私を捨てた元婚約者は、転落の一途をたどる。 「間違いだった」と言われても、もう心は揺れない。 選ばれるのを待つ時代は、終わった。

で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?

Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。 簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。 一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。 ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。 そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。 オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。 オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。 「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」 「はい?」 ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。 *--*--* 覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾ ★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。 ★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓ このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。 第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」 第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」 第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」 どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ もしよかったら宜しくお願いしますね!

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

氷の令嬢は愛を請わない - 捨て子の『義妹』に愛も家族も奪われたマリーローズの逆襲

恋せよ恋
恋愛
銀髪紫眼の美貌の侯爵令嬢、マリーローズ。 完璧な淑女に育った彼女だったが、母は捨て子ジュリエットを寵愛。 婚約者の公爵家嫡男アレックスも、友人も、次々に奪われる――。 家族に裏切られ、すべてを失った彼女が下した決断は、 家族を見かぎり、国を捨て、自らの人生を取り戻すこと。 理不尽な悲恋を力に変え、運命をひっくり返す令嬢の逆転劇! 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

王子様への置き手紙

あおき華
恋愛
フィオナは王太子ジェラルドの婚約者。王宮で暮らしながら王太子妃教育を受けていた。そんなある日、ジェラルドと侯爵家令嬢のマデリーンがキスをする所を目撃してしまう。ショックを受けたフィオナは自ら修道院に行くことを決意し、護衛騎士のエルマーとともに王宮を逃げ出した。置き手紙を読んだ皇太子が追いかけてくるとは思いもせずに⋯⋯ 小説家になろうにも掲載しています。

嫌われたと思って離れたのに

ラム猫
恋愛
 私は、婚約者のカイルに嫌われたと思った。冷たくそっけなく、近づくたびに避けられる日々。  距離を置くことを選び、留学の準備も進めて心を落ち着かせようとするけれど——。

処理中です...