『反省だけなら猿でもできるので、王子は王家を追放されました。』

しおしお

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第4章-1:王子、王のもとへ呼び出される

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第4章-1:王子、王のもとへ呼び出される

王都の朝は、いつもと変わらず騎士たちの行進と鐘の音で始まった。

だが、この日だけは、アインヘリヤル王国の王宮に重苦しい空気が立ち込めていた。

王宮の奥、金の双獅子が彫られた重厚な扉の先――謁見の間。


第二王子エルマー・フォン・アインヘリヤルは、その扉の前に立ちすくんでいた。

幼い頃から慣れ親しんだ場所のはずが、今は全く別の空間のように思える。

背筋を伸ばし、深く息を吸ってから、彼は扉を押した。


「入れ」

王の低く威厳に満ちた声が、中から響いた。


玉座の間に足を踏み入れると、金と緋の絨毯がまっすぐ王の座へと延びていた。

両脇には重臣たちが整列している。

彼らの目線が冷ややかに彼を見つめていた。


玉座の上には、国王レオポルト三世。

鋼のような視線と、揺るがぬ風格をもつこの国の最高権力者が、静かに、だが確かな怒りを湛えていた。


「エルマー。王子であるお前を、この場で叱責せねばならぬことを、私は非常に遺憾に思っている」


その一言に、玉座の間の空気が引き締まった。


「……はい」

エルマーは跪き、頭を下げる。


「愚か者が……!」

国王の怒声が響き、床を這うように重くのしかかった。


「お前は、王家の名を冠しながら、あのラファール王国の第二王女――クレハ殿下との婚約を、公衆の面前で破棄した」

「……その件につきましては、言い訳のしようもございません」


「ならば問う。なぜ、あのような場で、軽々しく発言した?」


エルマーは顔を上げ、目をそらすことなく答えた。


「私は……ただ、顔も知らぬ相手との婚約に納得がいかなかったのです」

「愚か者め!」

再び雷のような怒声が響く。


「顔を見たことがない? そんな理由で外交案件を台無しにするのか?」

「私は……自分で人生を選びたいと……」


国王は深くため息を吐いた。


「ラファール王国との縁談は、単なる婚姻ではない。

国交の安定、経済連携、文化交流――そのすべての基盤だ。

それをお前は、子どものわがままのような理由で……」


王の拳が肘掛けを叩く音が、静まり返った間に響いた。


「クレハ殿下がどれほどの人物か、理解していないのだろう?」

「……正直、よくは存じませんでした」


「彼女はラファール王家の第二王女であると同時に、複数の事業を手掛ける実業家でもある。
若くして貴族社会に経済革命をもたらした人物だ」


エルマーの目が驚きに見開かれる。


「王族の地位に甘んじることなく、自らの才覚と努力で築いた資産は、我が王家の財務を超えるとも言われている」


「……そんな、すごい方だとは……」


「無知は罪だ」

国王は静かに、しかし断固たる声で告げた。


「お前は、自身の不見識と軽率な言動で、国の顔に泥を塗ったのだ」


再び沈黙。

その場にいた誰もが、王の怒りが本物であることを理解していた。


「……申し訳ございません」

ようやく絞り出した謝罪の言葉に、王は鋭い目を向けた。


「謝って済む問題ではない。
だが、償いの道を閉ざすわけでもない」


王は立ち上がり、階段を一段ずつ降りてエルマーの前に立つ。


「自らラファール王国に赴き、クレハ殿下に謝罪せよ」

「……わたくしが、直接ですか?」


「そうだ。自分の過ちを、自らの言葉と行動で償うがよい。
王子である前に、一人の人間として、礼を尽くしてこい」


エルマーは、目を閉じ、深く深く頭を下げた。


「……承知しました。どれほどの屈辱であれ、すべて受け入れます」


「よろしい」

王の背がふたたび玉座へと向かう。

その背中は、かつてよりも少しだけ遠く見えた。


こうして、王子は父王からの最後の機会を得た。

だがそれは同時に、過去の自分を捨てる覚悟を迫られる旅の始まりでもあった。

そして彼はまだ知らない。

この先、自らの矜持と誇りがどこまで試されるのかを――。



第4章-2:王の激怒

エルマーが謁見の間を後にしてからしばらく、玉座の間には静寂が流れていた。

王レオポルト三世は玉座の上から立ち上がることなく、ただ一つの視線で重臣たちに語りかける。


「……国王の名のもとに命じた政略結婚を、王子自らの一存で公に破棄する。
この事態がいかに深刻か、皆も理解していよう」


「はっ、恐れながら……」

老宰相オルデンが一歩前に出て、静かに膝を折る。


「ラファール王国側は未だに公式の抗議は出しておりませんが、各方面での外交停滞はすでに始まっております。
財界、貴族社会の反応も芳しくなく……これは、確実に尾を引くでしょう」


王は目を細め、厳かに頷く。


「当然だろう。ラファールの第二王女、クレハ・アルフェリア・ラファール殿下は、王族であると同時にこの時代を動かす知将だ」


周囲の者たちも頷く。


「外交儀礼、経済理論、さらには複数の企業経営を担う才女。

我が王国の商人たちすら、彼女の後援により市場参入を果たした者がいるほどだ」


「はい、殿下。国内の高等学院でも、クレハ殿下の政策論文は高く評価されております。
経済理論、商業倫理、そして法制度への提言までも……」


王の眉がわずかに上がる。


「……あの愚息が“顔も見たことがない”という理由で、そんな人物を侮辱したのだ。

まさに国家の面汚しだ」


王の語調には怒気が滲んでいた。

それは“王”としての怒りであると同時に、“父親”としての失望でもあった。


「民は王家を信じて生きている。
貴族は我らの決定を外交の象徴と見る。

エルマーの行動は、その両方を裏切る結果になった」


「殿下……ご決断を」

と、オルデンが口を開く。


「現在、国内外では『アインヘリヤル家の王子がラファール王家を侮辱した』との噂が既成事実化しつつあります。
これを放置すれば、信用失墜は避けられません」


王は腕を組み、数瞬の間、考え込んだ。

やがて重々しい口調で口を開く。


「謝罪だ。
我が王家は、いかなる理由があろうとも約束を一方的に破るような軽率な家ではないということを、行動で示す」


「……殿下ご自身が?」

「いや、違う。
責任を取るべきは本人――エルマーだ」


王の言葉に周囲が静まり返る。


「身分に守られて育ったあの愚か者に、己の行いがどれほど重いかを学ばせねばならん。
“謝罪の旅”は罰であり、学びの機会でもある」


「しかし……王子を直に向かわせるのは、リスクもございます」

重臣の一人が慎重に進言する。


「護衛はつける。ただし、過剰なものではない。
あくまでも“誠意”を示すための訪問とせよ」


「はっ」


王は静かに立ち上がる。


「……私も、あれが王子として成長することを、どこかで期待していたのだろう」


誰にともなく呟いたその言葉に、玉座の間にいた全員が胸を打たれる。


「だが、あれが“王”になれる器かどうか……それは、この一件で見極める」


静かに振り返ると、王は一人、玉座の階段を降りてゆく。

その背には、これから始まる新たな試練の影が落ちていた。


### 第4章-3:王子、謝罪を命じられる(改稿・増補版)

日が沈みかけた王宮の書斎には、深い静寂が満ちていた。

重厚な扉の向こう、王の執務室に呼ばれたエルマーは、先ほどの謁見の余韻を引きずるような足取りで歩を進めていた。

この部屋に入るのは、少年時代以来かもしれない。


「入れ」

冷静だが明確な王の声が扉の内側から響く。

エルマーは扉を開け、丁寧に頭を下げて中に入った。


部屋の中には、王と老宰相オルデンだけがいた。

王は窓際の小さな書見台に立ち、外の空を眺めていた。


「……すでに話は聞いているな?」

「はい、謁見の場でのお言葉、重く受け止めております」


エルマーは静かに、しかし確かな口調で答えた。


「謝罪をしに、ラファール王国へ行けと。……その命、しかと承りました」


王は静かに振り向いた。


「ならばよい。だが……それは“口先だけの返事”ではないだろうな?」


「……それは」


「今のお前に足りぬのは覚悟だ」


王は歩み寄り、机の上に広げられた書状を一通指差した。


「これは、ラファール王国の宰相から届いた非公式の書簡だ。
正式な抗議ではないが、“今回の件が王家の総意でないことを証明していただきたい”という婉曲な要求が込められている」


エルマーはごくりと唾をのんだ。


「外交的な火種は、すでに灯っている。
それをどう扱うかは、すべてお前次第だ」


「……承知いたしました」


王は椅子に腰を下ろし、ゆっくりと手を組む。


「ただし、私が命じるのは“謝罪”だけだ。
この件を“赦されたい”と思うなら、自分で考え、行動しろ」


「……自分で?」


「そうだ。お前が破棄したのは、政略結婚という枠組みではない。
一人の女性の尊厳だ。クレハ殿下が、どれだけ傷ついたか想像すらできぬのなら、謝罪の資格などない」


エルマーは何も言えなかった。

過ちを過ちと認めるのは簡単だ。

だが、それをどう償うかは、誰も教えてはくれない。


「……私にできることを、考えてみます」


「それでいい」


王は微かに目を細めた。

それは厳格さの裏にある、父としての――ほとんど見せたことのない、わずかな温情だった。


「明日、早朝に使節団を組ませる。だが、お前は単なる“王子”としてではなく、“ひとりの男”としてそこに立て」

「……はい」

「護衛と随行者は最低限にとどめる。王家の威光など、今回は必要ない」

「それも……覚悟のうえです」


しばしの静寂。

オルデンが口を開いた。


「殿下、旅の支度として、必要な文書と礼節の再確認をお受けいただければと」


「はい。お願いします」


王はエルマーに背を向け、再び窓の外を見た。

夜の帳が王都に降りようとしていた。


「行ってこい、エルマー」


その言葉は、命令ではなかった。

願いにも似た、父から息子への“送り出し”だった。


「必ず、誠意を見せてまいります」


エルマーは深く一礼し、静かに部屋を後にした。


扉の向こうで、オルデンが小さくつぶやいた。


「……さて、あの若者がどれだけのものを掴むか。楽しみでもあり、怖くもありますな」


王は答えなかった。

ただ静かに窓の外を見据え、遠くに灯る夜の明かりを睨みつけるように、深く考えていた。

第4章-3:王子、謝罪を命じられる

日が沈みかけた王宮の書斎には、深い静寂が満ちていた。

重厚な扉の向こう、王の執務室に呼ばれたエルマーは、謁見の場での叱責の余韻を引きずったまま、重い足取りで歩を進めていた。

この部屋に呼び出されるのは、少年時代以来だ。


「入れ」

冷静だが威厳を湛えた国王レオポルト三世の声が、扉の向こうから響いた。

エルマーは扉を開け、深く一礼して中へと足を踏み入れる。


室内には王のほかに、老宰相オルデンが控えていた。

王は執務机の前に立ち、窓の外に沈む夕日を眺めている。


「……エルマー」

王が静かに口を開く。


「お前の軽率な言動は、王家の名誉を著しく傷つけた。
ラファール王国側は公式な抗議をしてこぬが、既にその沈黙自体が強い意思表示だ」


「……はい」

エルマーは一言だけ絞り出すように答えた。


「だがな、今回ばかりは“ただの叱責”で済ませるわけにはいかん」

王の視線が鋭くなる。


「クレハ王女は現在、我が王国に“留学”しているという名目で滞在中だ。
……にもかかわらず、貴様はその事実すら知らぬまま婚約を破棄した。恥の上塗りにも程がある」


「……まさか、クレアが……」


「そうだ。お前が学園で見下していた“クレア・ミゴール”こそが、ラファール王国第二王女、クレハ・アルフェリア・ラファール殿下だ」


思わず足元が揺らいだような錯覚を覚える。


「……ならば、なおのこと謝罪しなければ……!」

「当然だ」


王は机から一枚の書状を取り上げた。


「この書面は、ラファール側の正式な抗議ではない。
しかし、姫付きの侍従から“殿下の真意を確認したい”という問い合わせがすでに届いている」


「私が直接、謝罪に伺います」

エルマーの言葉は震えていたが、虚勢ではなかった。


「それが“誠意”というものだ。だが、今回の件に“王家の権威”を持ち込むつもりはない」


王は静かに椅子に腰を下ろし、厳しい視線を息子に向けた。


「この謝罪は、お前が一人の人間として為すべきことだ。
ラファール王国に向かう必要はない。姫はまだ我が国にいる。
彼女が滞在している“私的な邸宅”を訪れ、直に謝罪せよ」


「……邸宅?」

「留学のために建てられたものだ。我が王城にも劣らぬ規模だと聞く」


その情報にエルマーは思わず目を見開いた。


「どこまでも、想像以上の方だったのだな……」


「そうだ。そしてお前は、その人物を“鼻持ちならぬ高慢ちきな女”と、本人の目の前で侮辱したのだ」


「……」

言い訳の余地はなかった。

エルマーは深く頭を下げ、苦しみをにじませた声で言った。


「……明朝、準備を整えて出発いたします。
彼女に謝罪し、必ず自分の愚かさを償って参ります」


「護衛は最小限でいい。
随行者にはユリウスをつける。あとは、お前自身の誠意で全て決めろ」


「承知しました」


静かに一礼し、部屋を後にするエルマー。

その背中は、王としてではなく、罪を犯した一人の男としての覚悟を滲ませていた。


そして、扉が閉まった後、王はただ一人、ぽつりと呟いた。


「……せめて、人の痛みを知る者に育て」




第4章-4:不承不承、謝罪の旅へ

朝霧が王都の街を包む中、アインヘリヤル王国の第二王子エルマーは、馬車に揺られていた。

この旅の目的は、かつて自らが侮辱した相手、クレハ・アルフェリア・ラファール王女への謝罪。

彼女が留学中に滞在しているという私的な邸宅――それも、王都郊外の高台に建てられた壮麗な建物である。


「殿下。緊張されておりますか?」

側近のユリウスが、馬車の向かいの席から問いかけてきた。


「……緊張というより、逃げたくて仕方がない、が正解だ」

エルマーは自嘲気味に笑った。


「まったく、己の発言一つでここまで追い詰められるとはな……」


馬車は石畳を離れ、丘陵地帯に向かう坂道へ入った。

徐々に視界が開け、遠くに白い大理石の屋敷が姿を現す。


その規模は、王子の住まう離宮すらも凌ぐものであった。


「……あれが、クレハ姫の“仮住まい”か?」

「はい。正式には留学先のために建てられた私邸だそうですが……もはや宮殿と呼ぶ方が正しいでしょう」


「皮肉だな。俺が敬遠した“顔も知らぬ婚約者”が、ここまでの人物だったとは」


馬車がゆっくりと門の前で止まった。

金と白を基調とした装飾、城塞のように高い塀、そして門の前には整備された庭園と噴水。

これが一時的な滞在のために用意されたものとは思えない。


扉が開き、老執事のバルドが静かに迎えに現れた。


「アインヘリヤル王国よりお越しの、エルマー殿下でございますね」

「……そうだ」

エルマーはしばし躊躇したが、覚悟を決めて馬車を降りた。


「本日は、ご足労いただきありがとうございます。
姫はあいにく、執務中につき、まずは私がご案内いたします」


「構わない。
……本日は、謝罪の意を伝えるためにまいった。
それを、どうか姫にお伝えいただきたい」


「承りました。なお、姫よりは“誠意を測るための条件”を提示するよう仰せつかっております」


「……条件?」


「詳しくは館内にて。どうか、お入りくださいませ」


執事に導かれ、エルマーは邸宅の内部へと足を踏み入れた。

白大理石の床、天井を見上げるほどの吹き抜け、壁には高価な絵画や調度品が並ぶ。


「……これが、“仮の住まい”とは。ラファール王家の底力を見せつけられた気分だ」

ユリウスもさすがに驚嘆を隠せず、小声でつぶやいた。


応接間に通されたエルマーは、豪奢なソファに座るも落ち着かず、視線はあちこちを泳いでいた。


まもなく、バルドが一枚の書状を携えて再び現れる。


「姫より、謝罪を受け入れる条件が提示されました」

「……内容は?」

「この邸宅を、殿下にご購入いただきたい、とのことです」


「…………は?」

思わず声が裏返った。


「こちらが、明細でございます」

渡された書類に記された金額を見た瞬間、エルマーの表情が青ざめる。


「こ、これ、俺の年俸が何年あっても足りないぞ……!?」


「姫は“この邸を買い取ることが誠意の証である”と、お考えのようです。
もちろん、他の支払い手段もご相談には応じると仰っております」


エルマーは天を仰いだ。


逃げ出したい気持ちは、喉元までせり上がっていた。

だが、ここで逃げれば、それこそ“王家の末裔”どころか、“人間としての最低限”すら失う。


「……わかった。支払うよ。
名義変更でも、なんでも構わない。
俺がやったことの代償なら、受け止める」


「誠にありがとうございます。
では、手続きが整い次第、あらためて姫よりお言葉があるとのことです」


「……そうか」


深いため息をつきながら、エルマーは改めて覚悟を決めた。

そしてこの瞬間、彼はようやく“自らの軽率さがどれほどのものだったのか”を理解し始めていた。


まるで、王子という冠を剥がれ、一人の男として試されているような気がしてならなかった。


彼はまだ気づいていない。

クレハの真意は、これすら通過点にすぎないことを――。


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