27 / 29
27 ラグナロク
しおりを挟む
「今日は、中央広場に行かなきゃならねーんだよな? ったく、オレらに遠出させやがって、ナユタのヤツ、つまんないもん見せたら、ぶっ叩いてやる!」
ヒースがぶちぶち文句を垂れながら、中央広場に出向く。
整然と整備された中央広場は、噴水広場のような賑わいはない。ただ、待ち合わせには便利そうな、艶消しの真っ黒なモノリスが鎮座していた。
慰霊碑か何かではあるはずだが、文字も刻まれておらず、なんの目的で建立されたのかは不明である。
「なんだ、これ」
イリヤが両手でベタベタと、モノリスに触れている。
「イリヤ、あんまいじらんほうがええって」
テンは相変わらず心配性で、イリヤの服の裾を引っ張っている。
やがて、ナユタがユーリと共に中央広場にやって来た。
「おーい、みんなぁ」
一同は、揃ってぎょっとなった。
ナユタはにこやかだったが、その姿が血まみれだったからだ。右手には血塗れのナイフを持ち、左手では少年を引きずっている。
「なに、やって来たんだ、おまえ……」
ヒースが絞り出した声は、掠れていた。
「うん、最後の呪いは、殺人鬼の怨念に支配された村でね。ずっと惨劇を繰り返していたんだ。で、その無限ループを断ち切るために、僕が村人を一人一人殺して回って、浄化してあげたってわけ。後は諸悪の根源のこいつを殺せば悪夢の浄化は成就する」
『俺が、俺が殺すんだぁぁぁ。殺しても、殺しても、死なねぇぇぇ』
「うるさいよ」
ナユタはにこやかに短剣を振るって、引きずった少年の首を掻き斬った。
「おまえ、人を殺したのか?」
ヒースが、身構えるようにして尋ねた。
「殺人? まぁ、それもやぶさかではないけどね。今回は霊的に葬っただけだよ」
ナユタの手元から殺人鬼の少年の姿が消えると、ナユタの全身に張り付いていた血の跡も消え去って、汚れのない姿に戻った。
「最後の、封印だ」
ナユタの背後に立っていたユーリの手のひらの上には、ダイアモンドの塊が浮いていた
が、暴発するようにそれは砕け散った。
『第十ゲート、解放』
くつくつと、ナユタが俯いて笑っていた。そして、顔を上げると、こう叫んだ。
「魔人アザゼルの復活だ!」
高笑いが後に続く。
あははは、あはは、と。
そのとき、もの凄い音が轟いた。黒い稲妻が走って、モノリスを砕いた。
中から、胎児のように膝を抱えて、背を丸めた誰かが、浮かび上がってきた。ドクン、ドクンと鼓動が響く。それに合わせて、姿は消えたり現れたりを繰り返していた。
『封印は解かれた。あとは残りの一本の鎖を解き放つのみ』
地の底から、響いてくるような声だった。あるいは、空の天辺から降ってくるような声だった。
その左足首には鎖が巻き付いており、アザゼルの自由を奪っている様子だ。
「ダマ、してたのか……?」
ヒースの声が震えている。
「君たちが都市伝説だと思っていたのは、五十年前にルキフェン・リンドウとイド・イシュタルによってこのアースシアに封じられた、魔人の封印だったんだ。それと知らずに、封印を解いて回ってくれていたこと、君たちの冒険心と行動力には感謝するよ」
「ナユタ、おまえ、呪いを解くって言ってたよな?」
「嘘も方便さ」
「おまえ……!」
ヒースは言葉を詰まらせた。
「そんな……ウソやろ……」
テンの心の声が漏れている。
「イド……?」
イリヤが美しい眉根を寄せていた。
ユジュンは、言葉もなく、ただ、顔を真っ青にしていた。嫌な感じがする。
「ユジュン」
ナユタがゆっくりこちらに歩み寄ってくる。
「どうして僕たちの見た目がそっくりなんだと思う?」
一歩、二歩と距離を詰めてくる。
「それはね、元は同じ人間だからだよ。ルキの複製なんだ」
「な、なに言って……」
ユジュンは怖気がして、一歩後ろに下がろうとした。だが、ナユタにきつく左手を掴まれて引き戻されてしまった。
「僕たち、人間じゃないんだよ。ルキフェン・ゼラ・リンドウという魔導師が造ったホムンクルス…人造人間なんだよ。僕たちの心臓を動かしているのはね、ここに埋まってる、賢者の石、なんだよ」
ナユタは左胸の辺りを叩く動作をした。
いつの間にか、そこは黒いドームに覆われた、奇妙な異空間に移行していた。
空が暗い。真っ暗闇だ。
「おれは、おれは、宿屋の息子のユジュンだ! お父さんとお母さんの息子だ! お姉ちゃんはメイヨだ!」
ユジュンはありったけの声で叫んだ。ナユタの言葉を振り切るように。
「じゃあ、実際に聞いてみようよ」
「えっ?」
ナユタが言って指を鳴らすと、暗闇からユジュンの両親と姉が現れた。
三人とも、ふらふらと立っていて、ぼんやりとしている。
「あなた方に聞きます。ユジュンは、あなたたち二人の実の息子ですか?」
ナユタの問いに、
「ああ、確かに、ユジュンは私たちの息子だ」
「私がお腹を痛めて産んだ子よ」
「わたしも出産に立ち会ったわ」
父母と姉は、あの日のことを回顧している様子だった。
「本当に? そのお産は、死産だったんじゃないですか? 赤ちゃんは死んだまま産まれてきたんじゃないですか?」
ナユタが呪いをかけるかのように、両親に言って回る。
両親と姉は、訳が分からず、戸惑っていたが、ナユタの言葉を聞いているうちに様子が変わってきた。
「そう言えば、死産、だったんだわ。それが悲しくて泣いていたら、扉が開いて…」
「老人が現れませんでしたか?」
ナユタが余計な言葉を差し挟む。
「そう、だったわ。フードを目深に被った老人が赤ん坊を抱いていて……」
『この子を息子として育てなさい。名前は、そう、由旬と名付けなさい』
「そう言い残して、赤ん坊を預けて行ったんだ……」
「ウソだ! ウソでしょ、お父さん、お母さん、お姉ちゃん!」
三人に縋り付くようにして、ユジュンは縋ったが、彼らはユジュンを見ていなかった。遠くを見て、ぼぅっとしている。
「もういいよ」
ナユタが指を鳴らすと、同時に両親と姉はその場から姿を消した。
「おじさん、ウソでしょ? ウソだよね?」
足下のクーガーは黙ったまま、無言を貫いた。否定も肯定もしない。
「おまえの言うことなんて、信じるもんか!」
ユジュンはほとんど悪あがきでナユタに向かって叫んだ。
「真実を見なよ。往生際の悪い」
こんなときでも、ナユタはにこやかだった。それが不気味だった。
と、唐突に地面が抜けた。床が抜けるように。その場にいた全員が落ちた。
落ちた先は空だった。
高い、高い空は青く、どこまでも澄み切っている。パラシュートなしで、スカイダイビングをしているようなものだ。
薄く白い雲をすり抜けて、落ちていく。
藻掻きながら宙をぐるぐる回る。
「僕たちは固有の魂を持たない。ルキの魂の一部を分け与えられて成り立っている存在。まさしく、魂を分けた兄弟だ」
そんな、そんなことがあってたまるか。
「もともと、僕たちは一つだった。それが二つに分かたれた。君はルキの中の『陽』の部分を、僕は『陰』の部分を与えられて。だから、一つの存在に戻るんだ」
凄まじい風の抵抗を受けながら、ナユタはユジュンの右手を掴み、左手も捕まえて、輪になって落ちていく。
「隠された、十一番目の封印は、僕たちだ」
ナユタは言うと、ユジュンの唇に、自分のそれを重ねた。
全てを吸い取られる。奪われる。
大事な核をごっそり引き抜かれた、そんな気がした。
ユジュンの意識はそこで途切れた。
なんや、なんなんや!
イドは文字通り、飛ぶように空を駆けていた。
アザゼルの封印が解かれたシグナルが飛んできて、慌ててねぐらを飛び出した。
ルキフェン・リンドウと共に行ったあの封印は少なくとも五百年は保つはずだ。五十年しか経っていない今、破られる筈がない。
訳がわからず、とりあえずアザゼルを封じた、中央広場のモノリスを目指して駆けたのだった。
よく分からない空間にいた。
地面があって、確かに二本の足で立っている。
だが、霧が濃くて周囲の様子が分からない。
ユーリは見通しを確保しようと、腕で霧を払って悪足掻きした。
『全ゲート開放確認。魔人アザゼルの封印を解除します』
どこまでも無情な電子音が響く。
「ルキさま! ルキさま!」
ユーリは振り返り、辺りを見回しながら、師の姿を探した。だが、どこにもその姿は見えない。ユーリは絶望した。
「ああ! アザゼル復活のエネルギーの反作用を利用して、転生を成し遂げるのではなかったのですか」
地面に突っ伏し、握りこぶしで叩いた。
ナユタとユジュン。二体のホムンクルスを融合させ、ルキの魂を降ろす器とする。それが今回の計画の根幹だった。ユーリが待ち望んだルキの復活だ。
と、ひたひたとこちらへ歩いて来る誰かの足音がした。
「ユーリ」
その声音は少し高く、渋味が抜けているが、まさしくルキのものだった。聞き間違おうはずもない。
「ルキさま?!」
顔を上げたユーリは、霧の奥からまろびでてくる、青年の姿を目に留めた。
それは、それこそ穴が空くほど見た、写真の中の二十五歳当時のルキフェン・リンドウその人だった。素っ裸で何も身に付けていないが、長い髪が大事な部分を隠している。
ユーリは立ち上がると、歩み寄って、羽織っていたマントを脱ぎ、ルキの腰に巻き付けた。そうでもしないと、あまりにも惨めだったので。
「ルキさま! 転生に成功したのですね!」
「いいや」
ルキは頭を振った。
「この子らの中に残った、残留思念でしかない。転生は失敗に終わったようだ。既に魂も肉体もそれぞれの子らのものらしい。じきに俺は消えるだろう」
「そんな……!」
ユーリは泣くまいと、ツンとくる鼻の奥の痛みに耐えた。
「こいつ、腹に一物ありだ。何かやらかす気だぜ。気をつけろ」
ルキと相まみえるのもこれが、最後だろう。
「愛しています。今までよりもずっと、深く!」
ユーリは心痛を叫んだ。ありったけの想いを込めて。
「俺もおまえと同じ思いだ。ユーリ。次に生まれ変わったら、同じ時代を共に生きよう」
ルキはふと笑って、ユーリの頭を撫でた。
「ルキ、さま……」
しあわせを噛み締めている時間はなかった。ルキの黒瞳が、ヘテロクロミアに切り変わったのだ。
「ルキとの感動の再会は終わった?」
「誰だ」
「僕だよ、ユーリ。分からないの?」
「ナユタ?!」
ナユタだ。どういうわけか、成人男性の肉体を手に入れて、今ここにいる。
霧が晴れた。
狭い範囲に皆がいた。
意識もある。
ただ、状況を飲み込めないだけで。
ここはさっきまでの奇妙な空間ではなく、現実世界の中央広場だった。
辺りは暗くなり、街灯がついて、空には満月が浮かんでいる。
モノリスの前には、魔人アザゼルと思われる個体が、粛然と立ち尽くしていた。アザゼルは本来白目の部分が黒く、黒目の部分が赤い。魔人特有の瞳をしていた。伸び放題の髪は白髪で、あちこちに跳ねている。
禍々しいオーラをまとっているのがここからでも感じられた。
クーガーが無謀にも、体当たりを食らわそうとして、激しく跳ね飛ばされていた。
「キャン!」
そのまま、地面に叩きつけられる。クーガーはだらしなく舌を牙の間から垂らして、動かなくなった。
ナユタが、ひたひたとアザゼルの前へと歩いて行く。
『我の中に、畏怖の念と共に刻まれている。ルキフェン・リンドウとイド・イシュタルの名は』
アザゼルはナユタに向かって跪き、頭を垂れた。
「僕たちホムンクルスには、幾つか面白いスキルが付与されててね。その中の一つに『捕食』があるんだ。だから、こうやって僕は君を捕食する」
ナユタが大きく息を吸った。空間が歪んで、頭からアザゼルを吸い込み、食らってしまった。
「あははは! 魔人の力を手に入れた! この力を使って、復讐してやる!」
ナユタは愉快そうに笑い声を上げた。
そして、叫んだ。
「『暗黒』!」
雄叫びと共に、ナユタの背後に巨大な漆黒の竜が現れた。
あれが、ナユタの『同胞』か。
ナユタは竜の背に飛び乗ると、この中央広場から飛び去った。満月を目指して、竜は飛び上がって行った。
「ユーリ! ユジュンが、息してねえ。心臓が、止まってる!」
イリヤの声は悲痛だった。その腕の中ではユジュンが生気を失い、顔色をなくしていた。
ユーリはイリヤの元へ駆け寄り、しゃがんでユジュンの様子を確かめた。
「おそらくは、ナユタが賢者の石を抜き取ったのだろう。それで、鼓動が停止し、生命活動を維持出来なくなった」
「どうすれば、いいんだ」
「ナユタから賢者の石を取り返すしかない。あまり時間が経つとまずいな」
一方で、声が上がる。
「クーガー、クーガー!」
声の主はテンだった。
ヒースと一緒に、倒れたユジュンの愛犬に触れている。
「駄目だ……死んでる」
ヒースが絶望的な言葉を落とし、顔を伏せた。
「そんな、ユッちゃんだけやなく、クーガーまで……」
声のトーンをテンが落としかけたそのとき、クーガーの背中に光の亀裂が走った。蝶が繭から羽化するように、そこから一人の成人男性が姿を現した。
青年は長身の美丈夫だった。蒼い髪は長髪で、見たこともない異国の衣装を身につけている。
『我は晴明。ルキフェンがユジュンを守るために仕込んだ、隠し球だ』
「ハレアキラ? クーガーなん?」
光り輝く清明を見上げて、テンが尋ねる。
「ユジュンの『同胞』か」
ユーリだけが事態を冷静に理解していた。
『そうだ。ユジュンの肉体が朽ちぬよう、中に入って保とう』
言うと、清明はユジュンのもとまで行って、すぅっと姿を同化させた。二人の影が重なり、ドクンと一度だけ鼓動が跳ねたような音がした。
「お願い、ナユタを、ナユタを助けて! このままじゃ、ナユタが『ヒト』でなくなっちゃう!」
ナユタの側に居られなくなって、右往左往していたセラフィータが、ユーリではなく、イリヤの胸に縋り付いた。
「分かった」
意を決したイリヤが、可哀想な妖精を肩に止めることを許した。
「ナユタを、追いかけねぇと。ユーリ!」
機能停止して動かないユジュンを抱えながら、イリヤが叫ぶ。
「追いかけるって言っても、ヤツが何処に行ったかなんて分かんのかよ」
ヒースが言うことも尤もで、ナユタが飛び去って後を追尾するにも距離が開き過ぎている。
ユーリは思考を巡らせた。
『こいつ、腹に一物ありだ。何かやらかす気だぜ。気をつけろ』
ルキの忠告が脳裏をよぎる。
ナユタのこだわり。腹に溜めたわだかまり。
母を殺した、村人たち。
「そうだ、ナユタが生まれ育った村、アルテイシアのスルジェ村がナユタの目指す場所だ! ナユタの恨みの対象は、母を殺した村の人間たちだ。あの村に復讐しに行ったに違いない」
ユーリは閃いた。ナユタを突き動かす原動力は、母を奪われた恨み、ただ一つだ。
「アルテイシア? こっから列車でも二日、三日はかかるぜ」
どうすんだよ、とヒースが訝る。
「任せろ」
ユーリは立ち上がると、『同胞』の名を呼んだ。
「出でよ、『アマルガム』」
光が立ち上り、そこに小型の飛竜が姿を現した。
「これの背に乗んのか?」
「そうだ」
ヒースの問いに答えながら、ユーリは真っ先に『アマルガム』の背に乗り込んだ。続いて、ユジュンを抱いたイリヤが、テンが、乗る。ヒースは最後にテンに手を引っ張られながら乗り込んだ。
「せめぇな」
ヒースは文句を言うが、本来飛竜は大人二人を乗せればいっぱいだ。そこに大人一人と子供が四人も乗るのだから、ぎゅうぎゅう詰めなのも当然だ。
「行くぞ」
飛竜がまさに飛び立とうとした、そのとき、イドが中央広場に駆け込んできた。
「おまえら、何やってんねん!」
「イド! 帰ったら、全部、話す」
イドはこの件の関係者だろうが、今は時間が惜しい。イリヤが声を張り上げる。
「イドさん、クーガーの死体の面倒、よろしくです」
テンも声を張った。
飛竜は上昇する。バタバタと羽を羽ばたかせ、やがて直進した。
陸を越えて、海に至った。飛竜の滑空は不安定で、腹が海面に水切りのようについて、海水が跳ねた。
「もっと、高く飛べねぇのか!」
ヒースが、がなる。
「定員オーバーだ! 気張れ、『アマルガム』!」
そのユーリの言葉に奮起したのか、ゆっくりとだが『アマルガム』は高度を上げて行った。
ヒースがぶちぶち文句を垂れながら、中央広場に出向く。
整然と整備された中央広場は、噴水広場のような賑わいはない。ただ、待ち合わせには便利そうな、艶消しの真っ黒なモノリスが鎮座していた。
慰霊碑か何かではあるはずだが、文字も刻まれておらず、なんの目的で建立されたのかは不明である。
「なんだ、これ」
イリヤが両手でベタベタと、モノリスに触れている。
「イリヤ、あんまいじらんほうがええって」
テンは相変わらず心配性で、イリヤの服の裾を引っ張っている。
やがて、ナユタがユーリと共に中央広場にやって来た。
「おーい、みんなぁ」
一同は、揃ってぎょっとなった。
ナユタはにこやかだったが、その姿が血まみれだったからだ。右手には血塗れのナイフを持ち、左手では少年を引きずっている。
「なに、やって来たんだ、おまえ……」
ヒースが絞り出した声は、掠れていた。
「うん、最後の呪いは、殺人鬼の怨念に支配された村でね。ずっと惨劇を繰り返していたんだ。で、その無限ループを断ち切るために、僕が村人を一人一人殺して回って、浄化してあげたってわけ。後は諸悪の根源のこいつを殺せば悪夢の浄化は成就する」
『俺が、俺が殺すんだぁぁぁ。殺しても、殺しても、死なねぇぇぇ』
「うるさいよ」
ナユタはにこやかに短剣を振るって、引きずった少年の首を掻き斬った。
「おまえ、人を殺したのか?」
ヒースが、身構えるようにして尋ねた。
「殺人? まぁ、それもやぶさかではないけどね。今回は霊的に葬っただけだよ」
ナユタの手元から殺人鬼の少年の姿が消えると、ナユタの全身に張り付いていた血の跡も消え去って、汚れのない姿に戻った。
「最後の、封印だ」
ナユタの背後に立っていたユーリの手のひらの上には、ダイアモンドの塊が浮いていた
が、暴発するようにそれは砕け散った。
『第十ゲート、解放』
くつくつと、ナユタが俯いて笑っていた。そして、顔を上げると、こう叫んだ。
「魔人アザゼルの復活だ!」
高笑いが後に続く。
あははは、あはは、と。
そのとき、もの凄い音が轟いた。黒い稲妻が走って、モノリスを砕いた。
中から、胎児のように膝を抱えて、背を丸めた誰かが、浮かび上がってきた。ドクン、ドクンと鼓動が響く。それに合わせて、姿は消えたり現れたりを繰り返していた。
『封印は解かれた。あとは残りの一本の鎖を解き放つのみ』
地の底から、響いてくるような声だった。あるいは、空の天辺から降ってくるような声だった。
その左足首には鎖が巻き付いており、アザゼルの自由を奪っている様子だ。
「ダマ、してたのか……?」
ヒースの声が震えている。
「君たちが都市伝説だと思っていたのは、五十年前にルキフェン・リンドウとイド・イシュタルによってこのアースシアに封じられた、魔人の封印だったんだ。それと知らずに、封印を解いて回ってくれていたこと、君たちの冒険心と行動力には感謝するよ」
「ナユタ、おまえ、呪いを解くって言ってたよな?」
「嘘も方便さ」
「おまえ……!」
ヒースは言葉を詰まらせた。
「そんな……ウソやろ……」
テンの心の声が漏れている。
「イド……?」
イリヤが美しい眉根を寄せていた。
ユジュンは、言葉もなく、ただ、顔を真っ青にしていた。嫌な感じがする。
「ユジュン」
ナユタがゆっくりこちらに歩み寄ってくる。
「どうして僕たちの見た目がそっくりなんだと思う?」
一歩、二歩と距離を詰めてくる。
「それはね、元は同じ人間だからだよ。ルキの複製なんだ」
「な、なに言って……」
ユジュンは怖気がして、一歩後ろに下がろうとした。だが、ナユタにきつく左手を掴まれて引き戻されてしまった。
「僕たち、人間じゃないんだよ。ルキフェン・ゼラ・リンドウという魔導師が造ったホムンクルス…人造人間なんだよ。僕たちの心臓を動かしているのはね、ここに埋まってる、賢者の石、なんだよ」
ナユタは左胸の辺りを叩く動作をした。
いつの間にか、そこは黒いドームに覆われた、奇妙な異空間に移行していた。
空が暗い。真っ暗闇だ。
「おれは、おれは、宿屋の息子のユジュンだ! お父さんとお母さんの息子だ! お姉ちゃんはメイヨだ!」
ユジュンはありったけの声で叫んだ。ナユタの言葉を振り切るように。
「じゃあ、実際に聞いてみようよ」
「えっ?」
ナユタが言って指を鳴らすと、暗闇からユジュンの両親と姉が現れた。
三人とも、ふらふらと立っていて、ぼんやりとしている。
「あなた方に聞きます。ユジュンは、あなたたち二人の実の息子ですか?」
ナユタの問いに、
「ああ、確かに、ユジュンは私たちの息子だ」
「私がお腹を痛めて産んだ子よ」
「わたしも出産に立ち会ったわ」
父母と姉は、あの日のことを回顧している様子だった。
「本当に? そのお産は、死産だったんじゃないですか? 赤ちゃんは死んだまま産まれてきたんじゃないですか?」
ナユタが呪いをかけるかのように、両親に言って回る。
両親と姉は、訳が分からず、戸惑っていたが、ナユタの言葉を聞いているうちに様子が変わってきた。
「そう言えば、死産、だったんだわ。それが悲しくて泣いていたら、扉が開いて…」
「老人が現れませんでしたか?」
ナユタが余計な言葉を差し挟む。
「そう、だったわ。フードを目深に被った老人が赤ん坊を抱いていて……」
『この子を息子として育てなさい。名前は、そう、由旬と名付けなさい』
「そう言い残して、赤ん坊を預けて行ったんだ……」
「ウソだ! ウソでしょ、お父さん、お母さん、お姉ちゃん!」
三人に縋り付くようにして、ユジュンは縋ったが、彼らはユジュンを見ていなかった。遠くを見て、ぼぅっとしている。
「もういいよ」
ナユタが指を鳴らすと、同時に両親と姉はその場から姿を消した。
「おじさん、ウソでしょ? ウソだよね?」
足下のクーガーは黙ったまま、無言を貫いた。否定も肯定もしない。
「おまえの言うことなんて、信じるもんか!」
ユジュンはほとんど悪あがきでナユタに向かって叫んだ。
「真実を見なよ。往生際の悪い」
こんなときでも、ナユタはにこやかだった。それが不気味だった。
と、唐突に地面が抜けた。床が抜けるように。その場にいた全員が落ちた。
落ちた先は空だった。
高い、高い空は青く、どこまでも澄み切っている。パラシュートなしで、スカイダイビングをしているようなものだ。
薄く白い雲をすり抜けて、落ちていく。
藻掻きながら宙をぐるぐる回る。
「僕たちは固有の魂を持たない。ルキの魂の一部を分け与えられて成り立っている存在。まさしく、魂を分けた兄弟だ」
そんな、そんなことがあってたまるか。
「もともと、僕たちは一つだった。それが二つに分かたれた。君はルキの中の『陽』の部分を、僕は『陰』の部分を与えられて。だから、一つの存在に戻るんだ」
凄まじい風の抵抗を受けながら、ナユタはユジュンの右手を掴み、左手も捕まえて、輪になって落ちていく。
「隠された、十一番目の封印は、僕たちだ」
ナユタは言うと、ユジュンの唇に、自分のそれを重ねた。
全てを吸い取られる。奪われる。
大事な核をごっそり引き抜かれた、そんな気がした。
ユジュンの意識はそこで途切れた。
なんや、なんなんや!
イドは文字通り、飛ぶように空を駆けていた。
アザゼルの封印が解かれたシグナルが飛んできて、慌ててねぐらを飛び出した。
ルキフェン・リンドウと共に行ったあの封印は少なくとも五百年は保つはずだ。五十年しか経っていない今、破られる筈がない。
訳がわからず、とりあえずアザゼルを封じた、中央広場のモノリスを目指して駆けたのだった。
よく分からない空間にいた。
地面があって、確かに二本の足で立っている。
だが、霧が濃くて周囲の様子が分からない。
ユーリは見通しを確保しようと、腕で霧を払って悪足掻きした。
『全ゲート開放確認。魔人アザゼルの封印を解除します』
どこまでも無情な電子音が響く。
「ルキさま! ルキさま!」
ユーリは振り返り、辺りを見回しながら、師の姿を探した。だが、どこにもその姿は見えない。ユーリは絶望した。
「ああ! アザゼル復活のエネルギーの反作用を利用して、転生を成し遂げるのではなかったのですか」
地面に突っ伏し、握りこぶしで叩いた。
ナユタとユジュン。二体のホムンクルスを融合させ、ルキの魂を降ろす器とする。それが今回の計画の根幹だった。ユーリが待ち望んだルキの復活だ。
と、ひたひたとこちらへ歩いて来る誰かの足音がした。
「ユーリ」
その声音は少し高く、渋味が抜けているが、まさしくルキのものだった。聞き間違おうはずもない。
「ルキさま?!」
顔を上げたユーリは、霧の奥からまろびでてくる、青年の姿を目に留めた。
それは、それこそ穴が空くほど見た、写真の中の二十五歳当時のルキフェン・リンドウその人だった。素っ裸で何も身に付けていないが、長い髪が大事な部分を隠している。
ユーリは立ち上がると、歩み寄って、羽織っていたマントを脱ぎ、ルキの腰に巻き付けた。そうでもしないと、あまりにも惨めだったので。
「ルキさま! 転生に成功したのですね!」
「いいや」
ルキは頭を振った。
「この子らの中に残った、残留思念でしかない。転生は失敗に終わったようだ。既に魂も肉体もそれぞれの子らのものらしい。じきに俺は消えるだろう」
「そんな……!」
ユーリは泣くまいと、ツンとくる鼻の奥の痛みに耐えた。
「こいつ、腹に一物ありだ。何かやらかす気だぜ。気をつけろ」
ルキと相まみえるのもこれが、最後だろう。
「愛しています。今までよりもずっと、深く!」
ユーリは心痛を叫んだ。ありったけの想いを込めて。
「俺もおまえと同じ思いだ。ユーリ。次に生まれ変わったら、同じ時代を共に生きよう」
ルキはふと笑って、ユーリの頭を撫でた。
「ルキ、さま……」
しあわせを噛み締めている時間はなかった。ルキの黒瞳が、ヘテロクロミアに切り変わったのだ。
「ルキとの感動の再会は終わった?」
「誰だ」
「僕だよ、ユーリ。分からないの?」
「ナユタ?!」
ナユタだ。どういうわけか、成人男性の肉体を手に入れて、今ここにいる。
霧が晴れた。
狭い範囲に皆がいた。
意識もある。
ただ、状況を飲み込めないだけで。
ここはさっきまでの奇妙な空間ではなく、現実世界の中央広場だった。
辺りは暗くなり、街灯がついて、空には満月が浮かんでいる。
モノリスの前には、魔人アザゼルと思われる個体が、粛然と立ち尽くしていた。アザゼルは本来白目の部分が黒く、黒目の部分が赤い。魔人特有の瞳をしていた。伸び放題の髪は白髪で、あちこちに跳ねている。
禍々しいオーラをまとっているのがここからでも感じられた。
クーガーが無謀にも、体当たりを食らわそうとして、激しく跳ね飛ばされていた。
「キャン!」
そのまま、地面に叩きつけられる。クーガーはだらしなく舌を牙の間から垂らして、動かなくなった。
ナユタが、ひたひたとアザゼルの前へと歩いて行く。
『我の中に、畏怖の念と共に刻まれている。ルキフェン・リンドウとイド・イシュタルの名は』
アザゼルはナユタに向かって跪き、頭を垂れた。
「僕たちホムンクルスには、幾つか面白いスキルが付与されててね。その中の一つに『捕食』があるんだ。だから、こうやって僕は君を捕食する」
ナユタが大きく息を吸った。空間が歪んで、頭からアザゼルを吸い込み、食らってしまった。
「あははは! 魔人の力を手に入れた! この力を使って、復讐してやる!」
ナユタは愉快そうに笑い声を上げた。
そして、叫んだ。
「『暗黒』!」
雄叫びと共に、ナユタの背後に巨大な漆黒の竜が現れた。
あれが、ナユタの『同胞』か。
ナユタは竜の背に飛び乗ると、この中央広場から飛び去った。満月を目指して、竜は飛び上がって行った。
「ユーリ! ユジュンが、息してねえ。心臓が、止まってる!」
イリヤの声は悲痛だった。その腕の中ではユジュンが生気を失い、顔色をなくしていた。
ユーリはイリヤの元へ駆け寄り、しゃがんでユジュンの様子を確かめた。
「おそらくは、ナユタが賢者の石を抜き取ったのだろう。それで、鼓動が停止し、生命活動を維持出来なくなった」
「どうすれば、いいんだ」
「ナユタから賢者の石を取り返すしかない。あまり時間が経つとまずいな」
一方で、声が上がる。
「クーガー、クーガー!」
声の主はテンだった。
ヒースと一緒に、倒れたユジュンの愛犬に触れている。
「駄目だ……死んでる」
ヒースが絶望的な言葉を落とし、顔を伏せた。
「そんな、ユッちゃんだけやなく、クーガーまで……」
声のトーンをテンが落としかけたそのとき、クーガーの背中に光の亀裂が走った。蝶が繭から羽化するように、そこから一人の成人男性が姿を現した。
青年は長身の美丈夫だった。蒼い髪は長髪で、見たこともない異国の衣装を身につけている。
『我は晴明。ルキフェンがユジュンを守るために仕込んだ、隠し球だ』
「ハレアキラ? クーガーなん?」
光り輝く清明を見上げて、テンが尋ねる。
「ユジュンの『同胞』か」
ユーリだけが事態を冷静に理解していた。
『そうだ。ユジュンの肉体が朽ちぬよう、中に入って保とう』
言うと、清明はユジュンのもとまで行って、すぅっと姿を同化させた。二人の影が重なり、ドクンと一度だけ鼓動が跳ねたような音がした。
「お願い、ナユタを、ナユタを助けて! このままじゃ、ナユタが『ヒト』でなくなっちゃう!」
ナユタの側に居られなくなって、右往左往していたセラフィータが、ユーリではなく、イリヤの胸に縋り付いた。
「分かった」
意を決したイリヤが、可哀想な妖精を肩に止めることを許した。
「ナユタを、追いかけねぇと。ユーリ!」
機能停止して動かないユジュンを抱えながら、イリヤが叫ぶ。
「追いかけるって言っても、ヤツが何処に行ったかなんて分かんのかよ」
ヒースが言うことも尤もで、ナユタが飛び去って後を追尾するにも距離が開き過ぎている。
ユーリは思考を巡らせた。
『こいつ、腹に一物ありだ。何かやらかす気だぜ。気をつけろ』
ルキの忠告が脳裏をよぎる。
ナユタのこだわり。腹に溜めたわだかまり。
母を殺した、村人たち。
「そうだ、ナユタが生まれ育った村、アルテイシアのスルジェ村がナユタの目指す場所だ! ナユタの恨みの対象は、母を殺した村の人間たちだ。あの村に復讐しに行ったに違いない」
ユーリは閃いた。ナユタを突き動かす原動力は、母を奪われた恨み、ただ一つだ。
「アルテイシア? こっから列車でも二日、三日はかかるぜ」
どうすんだよ、とヒースが訝る。
「任せろ」
ユーリは立ち上がると、『同胞』の名を呼んだ。
「出でよ、『アマルガム』」
光が立ち上り、そこに小型の飛竜が姿を現した。
「これの背に乗んのか?」
「そうだ」
ヒースの問いに答えながら、ユーリは真っ先に『アマルガム』の背に乗り込んだ。続いて、ユジュンを抱いたイリヤが、テンが、乗る。ヒースは最後にテンに手を引っ張られながら乗り込んだ。
「せめぇな」
ヒースは文句を言うが、本来飛竜は大人二人を乗せればいっぱいだ。そこに大人一人と子供が四人も乗るのだから、ぎゅうぎゅう詰めなのも当然だ。
「行くぞ」
飛竜がまさに飛び立とうとした、そのとき、イドが中央広場に駆け込んできた。
「おまえら、何やってんねん!」
「イド! 帰ったら、全部、話す」
イドはこの件の関係者だろうが、今は時間が惜しい。イリヤが声を張り上げる。
「イドさん、クーガーの死体の面倒、よろしくです」
テンも声を張った。
飛竜は上昇する。バタバタと羽を羽ばたかせ、やがて直進した。
陸を越えて、海に至った。飛竜の滑空は不安定で、腹が海面に水切りのようについて、海水が跳ねた。
「もっと、高く飛べねぇのか!」
ヒースが、がなる。
「定員オーバーだ! 気張れ、『アマルガム』!」
そのユーリの言葉に奮起したのか、ゆっくりとだが『アマルガム』は高度を上げて行った。
0
あなたにおすすめの小説
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
女王ララの再建録 〜前世は主婦、今は王国の希望〜
香樹 詩
ファンタジー
13歳で“前世の記憶”を思い出したララ。
――前世の彼女は、家庭を守る“お母さん”だった。
そして今、王女として目の前にあるのは、
火の車の国家予算、癖者ぞろいの王宮、そして資源不足の魔鉱石《ビス》。
「これ……完全に、家計の立て直し案件よね」
頼れない兄王太子に代わって、
家計感覚と前世の知恵を武器に、ララは“王国の再建”に乗り出す!
まだ魔法が当たり前ではないこの国で、
新たな時代を切り拓く、小さな勇気と現実的な戦略の物語。
怒れば母、語れば姉、決断すれば君主。
異色の“王女ララの再建録”、いま幕を開けます!
*カクヨムにも投稿しています。
勇者の様子がおかしい
しばたろう
ファンタジー
勇者は、少しおかしい。
そう思ったのは、王宮で出会ったその日からだった。
神に選ばれ、魔王討伐の旅に出た勇者マルク。
線の細い優男で、実力は確かだが、人と距離を取り、馴れ合いを嫌う奇妙な男。
だが、ある夜。
仲間のひとりは、決定的な違和感に気づいてしまう。
――勇者は、男ではなかった。
女であることを隠し、勇者として剣を振るうマルク。
そして、その秘密を知りながら「知らないふり」を選んだ仲間。
正体を隠す者と、真実を抱え込む者。
交わらぬはずの想いを抱えたまま、旅は続いていく。
これは、
「勇者であること」と
「自分であること」のあいだで揺れる物語。
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる