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第6章 王都近くのダンジョン編
今度こそ、スノービークへ帰るぞ! 2
しおりを挟むそれからしばらく食休みを取り、その間にこの後の予定を話し合う。
「この後はこのフロアのボス部屋へと向かってみようか。もしかするともう我が軍が倒していてすぐに通れるかもしれないからね。」
リーシェさんは「その可能性は高いね」と付け加える。
それなら転移石持ってるし、すぐにでもダンジョンから出れるね!
俺達は荷物を全て片付けると休憩所を後にする。
そしてリーシェさんの転移魔法で直接ボス部屋前へと転移した。……ダンジョン内での転移はすごい便利だね。
ボス部屋の前へと転移すると、そこには6名ほどの軍人さん達が焚き火を囲んで座っていた。、
俺たち……どちらかというとリーシェさんが目に入った軍人さん達は、自分たちの最上位の上司の登場に歓声を上げる。人気者だね、リーシェさん!
「リーシェ団長!どうしたんですか、こんな低層に?何かあったんですか?」
駆け寄ってきた軍人さんのその言葉に、俺たちがここに来た経緯を話して聞かせた。
「……なるほど、そんな事があったんですね。実はちょうど先ほど、このフロアのボスを討伐したところなんですが、我々よりも大きい個体が一匹出てきただけなんです。それまではそういう個体がかなりの数出ていましたが、今回はたった一匹だったんですよ。これは『変換期』の終わりを現していると思いませんか?」
その場にいた軍人さんの1人が、そんな事を言う。
……なるほど、それは確かにあり得るかもしれない。
俺はそう思って皆の顔を見渡す。
皆もそう思ったようで、頷き返してくれた。
「じゃあこのダンジョンが落ち着いたようなら、俺たちの役目は終わりだな?」
スコットさんがリーシェさんにそう言った。
リーシェさんも「後は任せてもらって大丈夫だよ」と笑顔で頷いた。
よし、これで俺たちも街へ帰れる!
俺がそう思って胸の前でガッツポーズをすると、リッキーは「そんなに帰りたかったのか?」と言って笑った。
そりゃあ帰りたかったさ、お風呂に入りたいもん!
せっかくお風呂を作ったのに、ダンジョンに変な影響を与えると悪いからって2、3回ほどしか使ってない。
流石にセバスの清潔魔法で体を綺麗にしているとはいっても、あの湯船に浸かるものとは疲れの取れ方が雲泥の差だ。
そう考えている俺の心を読んだのか、リッキーは苦笑いをして「そりゃあそうだわな」と言った。
「じゃあ今のうちに転移石を使ってここを出るか。」
スコットさんがそう言うと、皆は頷く。
俺たちはこのフロアの転移陣へと向かい、見送りに来たリーシェさんに別れを告げると、思い出したかのようにリーシェさんが俺に向かって声をかけた。
「シエルくん、後で聖剣の件で話があるから、また王都に戻っておいでね。」
リーシェさんはそう言うと、念押しに「必ずだよ?」と言う。……気が進まないがしょうがない。
「どうせ俺の従兄弟が王立学校に入学する時に護衛としてついてくることになっているから、その時にでも寄らせてもらうかな。」
リッキーはリーシェさんにそう言って、俺たちの今後の予定を話した。
「なるほど、君は確か貴族の子だったね。あそこは殆どが貴族出身の子が通う場所だからね。なかなか大変だと思うけど頑張れって伝えてあげてね。」
リーシェさんは苦笑いをしながらそんな事を言う。
……え?
やっぱり身分がどうとかって言ってくるやつが大勢いるのかな!?……そんなの俺だったら耐えきれないよ。
俺がそんな事を思って顔を顰めていると、「そんなに大変じゃないぞ」と苦笑いをしてリッキーが言った。
「ああ、あそこは実力主義をモットーにしている学校だからな。実力さえ見せればみんな一目置くぞ。」
スコットさんもそんな事を言う。……あれ?行ったことあるの?
俺の顔にそんな事が出ていたらしく、「実は4人で数年通ったことがあるんだ」とリッキーが言った。
なるほど、それなら内部事情にも詳しいね!
俺がうんうんと頷いていると、リーシェさんが「でも最近厄介な人物が入ることになったんだ」と言ってため息をつく。……厄介な人物?
俺はそれを聞いて嫌な予感がしたが、まぁ俺が通うわけじゃないと安堵しながら頷いた。
「さあ、今度こそ帰るぞ。俺達の街へ。」
スコットさんはそう言って、転移陣を起動する。
「また近々来るので、その時に寄ります!」
俺がリーシェさんに向かってそう叫んだ瞬間、転移陣から光が溢れ出し、1階層へと飛んだ。
光が止むと俺たちは互いの顔を見合わせて笑う。
さあ、ダンジョンから出たら俺の転移魔法でスノービークへと帰ろう!
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