死にたがり令嬢と魔の王

鈴音シエル

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1章

5話

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そして城に到着したようで、馬車が止まった。

「着いたようだな。」
「そうみたいです」

馬車のドアが開いてロベルトは先に出ていく

「おかえりなさいませ王」
「ああ
何もなかったか?」
「ええ、何事もありませんでした。
おや?」
ロベルトは馬車の奥へ手を伸ばす。
”おいでシャル”と優しい声で、この王にそんな声が出せたのかと
そして奥から手が伸びで来てその伸ばした手に手を添えて握る。
そして降りてきた少女を見て驚くそれは人間だったからだ。

魔族にはない白い肌を持つ少女
着ているドレスから貴族ではあるとは思うが、でも人間にこんなキラキラと周りが光っているものはいないから人ではないのか?
と考え込んでいる臣下だった。

「足元気をつけるのだぞ」
「はい、ありがとうございます。」
仲慎ましく寄り添う二人を見た周りはなんとお似合いなのかと、隣は人間なのにと
あれはきっと花嫁なのだろうと周りはすぐにわかった。
人を寄り付かせない人が女性をエスコートしている
なんて周りが思っているなんてこの二人は気づかないだろう。
「王よ
この女性は?」
「ああ
私の花嫁だ。虐げるようなことをするようなら私を敵に回すことになることを肝に銘じていろよ?」
そう周りにきっとそうするものが出てくることを知っている。
そして、シャルティナにつけるものも信頼おけるものから選ぼうと決めた
何があってからでは遅いのだと考えているロベルト

きっと虐げるものが出てくる
身の程も知らない奴らがきっと
この子を虐げればどうなるかを知らしめる必要もあるだろうと

「かしこまりました」
そう周りは礼をつく
「ああ
行こうかシャルティナ」
「あ、はい」
そう言って際に歩き出したロベルトの後ろを着いて歩く
「すまないな
あんなところを見せてしまって」
「いいえ
私のことを思って言ったことなのだと思っています。
きっと私のことが納得できない人もいます。
でもロベルト様に着いていくと決めた時から分かっていました。
私は人です。魔族ではない私を許せる人はいないんじゃないかなと思います。
だからあんな事言ってもらえて嬉しかったです。
でも私のせいで変なこと言われることがあるんじゃないかと…」
「私に色々言える人間はそういないから安心しなさい。
むしろあそこに講義しようとするものはいないだろう。
言えるとしたら…あいつしかいないな」
「あいつ、ですか?」
「先程あっていると思うが
多分また後で会えるだろう
とりあえずあなたのへやと使用人をつけなければいけない。
信用できる者がいる。そのものにお願いするつもりだ。
何かあったときに役に立つだろう。」

ロベルトが自ら部屋を案内するなんてと考えているシャルティナ
でもロベルトで良かったと思っている反面申し訳ないなと考えていた。

「ありがとうございます何から何まで」
「私がしたいことだから気にすることはないよ。
シャルは私の隣で幸せにしていればいい。
他のところは私がやる。何かあればかならず私に言う事いいね?」
「はい
何かあったら言いますね?」
「言わなくてもそのブレスレットがある限りは大丈夫だろうがなにかされたら言ってくれ
アディにもそう言っておこう」
「かしこまりました
シャルティナ様のことは私にお任せください。
隠密も兼ねているものです。
何かあっても守る自信はあります。」
そうロベルトが名前を言った途端にどこからか現れた隠密の格好をしている女性
「よろしく頼むよ
私の大事な花嫁で私よりも大事にしているものがいる。
そいつが怒れば国もろとも消える」
「それほどのものから盗んできたのですかあなたは」
「そうなんだ盗んで…おい!
なんという言い草、そんな男に見えるのか!」
「ええ
いつかやるかなとは思っておりましたがまさか神に愛されてる少女を盗んでくるとは」
「だから盗んでいないと言っているだろう!」
「お初にお目にかかります
アディです。
あなたの身の回りの世話や護衛も兼ねています。」
「は、はじめましてアディさん
私はリンガル公爵家の娘の一人のシャルティナ・リンガルと申します。
よろしくお願いします。」
といい頭を下げる。
「シャルティナ様私どもに頭を下げる必要はありません
ドンと構えてくださいませ」
挨拶は終わりまた歩き出す。
今度はロベルトの隣を歩くシャルティナ
そしてアディが後ろに付き

部屋に到着して
「ここがあなたの部屋になる
そして隣が私の部屋でその先は書斎になっているから何かあればすぐに来てもらって構わない。」
「ありがとうございます。
とても素敵な部屋です。」
「あと会って欲しいやつがもう一人いる。」
そういったときにコンコンとノックする音がする
「失礼いたします。
ロベルト様の従者のガイルでございます。
歓迎いたします」
「はじめまして、リンガル公爵家のシャルティナ・リンガルです
よろしくお願いします。」
頭下げそうになってやめた
先しなくてもいいと言われたばかりだ。

「シャルティナ・リンガルということは神の申し子ですね。」
「なぜそれを?」
「リンガル家といえば神に愛された公爵家ではありませんが、不自然なところはありません。
それにそのキラキラとした姿を見てわからない人はここにはいません。
それに歓迎していないものもここには誰もいませんので、安心して頂いて大丈夫です。
神に愛されたものはみんな周りにキラキラとした粉が舞うのです。
なので周りには女神が来たのだと思ってしまうものもいるのです。」
「気づかなかった…自分で振りまいているようなものですね…恥ずかしい…」
「気にしないでください
それは生まれ持ったものですので自然なことですよ。
よくここまで何も起きずに生きてこられたと関心もつぐら…って、いたぁ!!
何をするのですかアディ!」
「何もなくいられると思ってるのがおめでたですね本当に」
「何をいうかこの隠密が!!」
「おい、今なんと言ったか?
喧嘩売ってる???」

ロベルトは日常的に見ているから慣れたもので、また始まったとおでこに手をおいてはぁ…っとため息をついた

シャルティナはおろおろとしていて
あたふたしていた。たしかに私はここまで無事に生きていたわけじゃないけれど、そこまで喧嘩のようになってしまうのはいささか申し訳なくなってしまう。

でも止めるすべはなくロベルトの方を見る。
そして目があってロベルトは目を見開く
そしてすぐに動く

「おいお前たちシャルティナを困らせるな」
「「も、申し訳ありません!」」
二人は一斉に頭をさげた。
「あ、いいや大丈夫です。
確かに無事にここまで生きてこれてないので少し戸惑いました。」
といって悲しそうな顔をした。
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