【完結】傲慢王子エデンと内気男爵リオンの恋模様

えるろって

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第7話 イーサンの嫉妬?

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「殿下、先ほどの庭園でのご様子……何やら随分と楽しそうでしたね」

 
近衛騎士イーサンがそう声をかけると、エデンは気まずそうに咳払いをする。彼はリオンと別れた後、書簡を確認するために執務室に戻ったところだ。

 
「……別に。単に珍しい奴だと思っただけだ」

 
エデンの返しは素っ気ないものの、イーサンの目には王子がどこか浮ついているように見える。だが、イーサン自身もその事実に胸をざわつかせていた。

 
「(殿下が……あんな笑顔を見せるなんて)」

 
イーサンは王子に対して忠誠心を抱いているが、いつの間にかそれ以上の感情が芽生えていたのかもしれない。リオンという存在が急激にエデンの近くに入り込むことに、無意識のうちに焦りを感じるのだ。

 
「殿下、その……リオン様という方はどんな方なのでしょうか。先日、少しお姿を拝見しただけですが……」

 
イーサンが探るように尋ねると、エデンは腕を組んだまま答える。

 
「クレイド男爵家の次男だ。内気そうに見えるのに、やけに俺に構ってくる。……不思議な奴だ」

 
「……殿下は、その方と、これからもお会いになられるおつもりですか」

 
「どうだろうな。あっちが勝手に寄ってくるかもしれない」

 
その言い方に、イーサンはどこか苛立ちを覚える。けれど、王子に直接文句を言える立場ではない。それでも何か言わずにはいられなかった。

 
「殿下、もし余計な噂が立てば、王家のご威光に傷がつく恐れもあります。そこはくれぐれも……」

 
「イーサン。お前は俺の側近として忠告しているのか、それとも嫉妬しているのか」

 
エデンの鋭い言葉に、イーサンは息を呑む。正直、自分の感情がどちらなのか、イーサン自身も判断がつかなかった。

 
「……ただ、殿下の身を案じているだけです」

 
イーサンはそれだけ言うと、深々と頭を下げる。エデンは面倒そうに溜息をつきながらも、視線を落としたまま小さく呟く。

 
「分かっている。だが……あいつは、俺にとって特別面倒な相手というわけではない」

 
そう言いながら、エデンの胸にはリオンの笑顔がちらつく。面倒ではないどころか、どこか心地いいという感覚すらあるのだ。

 
「殿下……」

 
イーサンは思わずその表情を覗き込むが、エデンはそっぽを向いた。まるで隠し事をしている子供のようだが、本人にその自覚はないだろう。

 
(リオン……殿下を惑わす存在になるのか、それとも……)

 
イーサンの胸中は複雑だった。王子を守る騎士として、それが自分の役目。だが、もしエデンがリオンに心を傾けているのだとしたら――。

 
エデンはイーサンの動揺を知ってか知らずか、書簡に目を戻して黙り込む。それぞれの思惑が交差する中、リオンという存在がゆっくりと波紋を広げ始めていた。
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