47 / 50
第47話 愛を宣言する時
しおりを挟む
「殿下、おめでとうございます。隣国との条約更新が正式に締結されたとのこと、まさに殿下の尽力の賜物です」
数日間に及ぶ交渉がついに終結し、双方が納得できる条約が結ばれた。王宮は祝賀ムードに包まれ、エデンの評価は一気に高まる。宰相や貴族たちの多くも、エデンの手腕を認めざるを得ない状況だった。
「これで国境の緊張も緩和されるだろう。イーサン、お前たちもよく動いてくれた。ありがとう」
エデンは騎士たちや役人をねぎらいながら、微かな疲れをにじませる。だが、その表情はどこか晴れやかだった。交渉が成功したことで、彼の立場は以前にも増して揺るぎないものとなり、リオンを守る後ろ盾にもなり得るのだ。
廊下の先で、待ちわびたようにリオンが小走りで駆け寄る。大勢の人前だが、リオンは歓喜を隠せない様子で笑顔を向ける。
「殿下、本当におめでとうございます。僕は……ただただすごいとしか言えません」
リオンの瞳には尊敬と喜びが溢れていた。エデンは周囲の視線を意識しながらも、あえてリオンに近づき、小さく笑う。
「お前が支えてくれたおかげだ。書類の整理から雑事まで、俺に余計な心配をさせないようにしてくれただろう」
「そんな、僕は大したことは……」
リオンが照れくさそうに言葉を濁すと、エデンはわずかに声を潜めて続ける。
「……とはいえ、ここがゴールではない。俺は今こそ、はっきり周囲に示すべきだと思っている」
「示す……何を、ですか」
リオンが首を傾げる。エデンは視線をまっすぐリオンに向け、はっきりと告げる。
「俺がお前を愛しているという事実を、だ。宰相や貴族たちが何を言おうと、俺はお前を手放すつもりはない。この条約の成功を機に、堂々と宣言したい」
そのあまりに直球な言葉に、リオンは息を飲む。王族が同性を愛すると宣言するなど、前代未聞だろう。だが、エデンの瞳は強く揺るぎない意志を宿している。
「殿下……僕は、嬉しいです。でも、本当に大丈夫ですか。まだ反対する方たちも多いのでは」
リオンの不安もよく分かる。だが、エデンは毅然と首を振る。
「反対はあるだろう。だが、王族として成果を示した俺に、簡単に口出しはできないはずだ。ましてや、父上もセシリアも、俺の気持ちを尊重してくれている。……お前が嫌でなければ、俺は宣言する」
その問いに、リオンは一瞬戸惑うが、すぐに力強く頷く。胸の奥が熱くなる想いを抑えきれない。ずっと求めていたのは、この瞬間かもしれない――エデンが自分を選んでくれるという証だ。
「嫌なわけありません。……殿下がそう思ってくださるなら、僕は何だって受け止めます」
二人の周囲には王宮の人々が往来しているが、誰もがエデンに敬意を払い、遠巻きに見守っている。エデンはリオンの手を軽く取り、共に歩き出す。
「よし……では、近々開かれる晩餐会の場で公表しよう。お前を“特別な相手”だと、正式に皆に伝えるんだ」
リオンは思わず目を見開く。晩餐会とは、国王主催の公の場。それほど大きな舞台で、自分との関係を宣言するなど想像もしていなかった。
「殿下、本当に……すごいことになりそうですね」
言葉が見つからず、リオンは笑いながら呟く。エデンは自信に満ちた目を向け、迷いなく頷く。
「そうだ。だからこそ俺は隣国との条約を成功させた。もう誰にも、俺の愛を否定できない」
愛を宣言する時が来た――リオンの胸は不安と期待でいっぱいだが、エデンの存在がその半分以上を安心に変えてくれる。王族の壁を超え、ついに二人は真実の愛を世に示すのだ。
数日間に及ぶ交渉がついに終結し、双方が納得できる条約が結ばれた。王宮は祝賀ムードに包まれ、エデンの評価は一気に高まる。宰相や貴族たちの多くも、エデンの手腕を認めざるを得ない状況だった。
「これで国境の緊張も緩和されるだろう。イーサン、お前たちもよく動いてくれた。ありがとう」
エデンは騎士たちや役人をねぎらいながら、微かな疲れをにじませる。だが、その表情はどこか晴れやかだった。交渉が成功したことで、彼の立場は以前にも増して揺るぎないものとなり、リオンを守る後ろ盾にもなり得るのだ。
廊下の先で、待ちわびたようにリオンが小走りで駆け寄る。大勢の人前だが、リオンは歓喜を隠せない様子で笑顔を向ける。
「殿下、本当におめでとうございます。僕は……ただただすごいとしか言えません」
リオンの瞳には尊敬と喜びが溢れていた。エデンは周囲の視線を意識しながらも、あえてリオンに近づき、小さく笑う。
「お前が支えてくれたおかげだ。書類の整理から雑事まで、俺に余計な心配をさせないようにしてくれただろう」
「そんな、僕は大したことは……」
リオンが照れくさそうに言葉を濁すと、エデンはわずかに声を潜めて続ける。
「……とはいえ、ここがゴールではない。俺は今こそ、はっきり周囲に示すべきだと思っている」
「示す……何を、ですか」
リオンが首を傾げる。エデンは視線をまっすぐリオンに向け、はっきりと告げる。
「俺がお前を愛しているという事実を、だ。宰相や貴族たちが何を言おうと、俺はお前を手放すつもりはない。この条約の成功を機に、堂々と宣言したい」
そのあまりに直球な言葉に、リオンは息を飲む。王族が同性を愛すると宣言するなど、前代未聞だろう。だが、エデンの瞳は強く揺るぎない意志を宿している。
「殿下……僕は、嬉しいです。でも、本当に大丈夫ですか。まだ反対する方たちも多いのでは」
リオンの不安もよく分かる。だが、エデンは毅然と首を振る。
「反対はあるだろう。だが、王族として成果を示した俺に、簡単に口出しはできないはずだ。ましてや、父上もセシリアも、俺の気持ちを尊重してくれている。……お前が嫌でなければ、俺は宣言する」
その問いに、リオンは一瞬戸惑うが、すぐに力強く頷く。胸の奥が熱くなる想いを抑えきれない。ずっと求めていたのは、この瞬間かもしれない――エデンが自分を選んでくれるという証だ。
「嫌なわけありません。……殿下がそう思ってくださるなら、僕は何だって受け止めます」
二人の周囲には王宮の人々が往来しているが、誰もがエデンに敬意を払い、遠巻きに見守っている。エデンはリオンの手を軽く取り、共に歩き出す。
「よし……では、近々開かれる晩餐会の場で公表しよう。お前を“特別な相手”だと、正式に皆に伝えるんだ」
リオンは思わず目を見開く。晩餐会とは、国王主催の公の場。それほど大きな舞台で、自分との関係を宣言するなど想像もしていなかった。
「殿下、本当に……すごいことになりそうですね」
言葉が見つからず、リオンは笑いながら呟く。エデンは自信に満ちた目を向け、迷いなく頷く。
「そうだ。だからこそ俺は隣国との条約を成功させた。もう誰にも、俺の愛を否定できない」
愛を宣言する時が来た――リオンの胸は不安と期待でいっぱいだが、エデンの存在がその半分以上を安心に変えてくれる。王族の壁を超え、ついに二人は真実の愛を世に示すのだ。
0
あなたにおすすめの小説
禁書庫の管理人は次期宰相様のお気に入り
結衣可
BL
オルフェリス王国の王立図書館で、禁書庫を預かる司書カミル・ローレンは、過去の傷を抱え、静かな孤独の中で生きていた。
そこへ次期宰相と目される若き貴族、セドリック・ヴァレンティスが訪れ、知識を求める名目で彼のもとに通い始める。
冷静で無表情なカミルに興味を惹かれたセドリックは、やがて彼の心の奥にある痛みに気づいていく。
愛されることへの恐れに縛られていたカミルは、彼の真っ直ぐな想いに少しずつ心を開き、初めて“痛みではない愛”を知る。
禁書庫という静寂の中で、カミルの孤独を、過去を癒し、共に歩む未来を誓う。
『2度目の世界で、あなたと……』 ― 魔法と番が支配する世界で、二度目の人生を ―
なの
BL
Ωとして生まれたリオナは、政略結婚の駒として生き、信じていた結婚相手に裏切られ、孤独の中で命を落とした。
――はずだった。
目を覚ますと、そこは同じ世界、同じ屋敷、同じ朝。
時間だけが巻き戻り、前世の記憶を持つのは自分だけ。
愛を知らないまま死んだ。今度こそ、本物の愛を知り、自ら選び取る人生を生きる。
これは、愛を知らず道具として生きてきたΩが、初めて出会った温もりに触れ、自らの意思で愛を選び直す物語。
「愛を知らず道具として生きてきたΩが転生を機に、
年上αの騎士と本物の愛を掴みます。
全6話+番外編完結済み!サクサク読めます。
王命で第二王子と婚姻だそうです(王子目線追加)
かのこkanoko
BL
第二王子と婚姻せよ。
はい?
自分、末端貴族の冴えない魔法使いですが?
しかも、男なんですが?
BL初挑戦!
ヌルイです。
王子目線追加しました。
沢山の方に読んでいただき、感謝します!!
6月3日、BL部門日間1位になりました。
ありがとうございます!!!
【16話完結】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー
AI比較企画作品
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
貧乏子爵のオメガ令息は、王子妃候補になりたくない
こたま
BL
山あいの田舎で、子爵とは名ばかりの殆ど農家な仲良し一家で育ったラリー。男オメガで貧乏子爵。このまま実家で生きていくつもりであったが。王から未婚の貴族オメガにはすべからく王子妃候補の選定のため王宮に集うようお達しが出た。行きたくないしお金も無い。辞退するよう手紙を書いたのに、近くに遠征している騎士団が帰る時、迎えに行って一緒に連れていくと連絡があった。断れないの?高貴なお嬢様にイジメられない?不安だらけのラリーを迎えに来たのは美丈夫な騎士のニールだった。
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
祖国に棄てられた少年は賢者に愛される
結衣可
BL
祖国に棄てられた少年――ユリアン。
彼は王家の反逆を疑われ、追放された身だと信じていた。
その真実は、前王の庶子。王位継承権を持ち、権力争いの渦中で邪魔者として葬られようとしていたのだった。
絶望の中、彼を救ったのは、森に隠棲する冷徹な賢者ヴァルター。
誰も寄せつけない彼が、なぜかユリアンを庇護し、結界に守られた森の家で共に過ごすことになるが、王都の陰謀は止まらず、幾度も追っ手が迫る。
棄てられた少年と、孤独な賢者。
陰謀に覆われた王国の中で二人が選ぶ道は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる