樹くんの甘い受難の日々

生梅

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第一章

9.俺、終わったな……

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「樹、本当に具合は大丈夫?」

「それだよ。お前大丈夫か?」

「あ、はい。大丈夫です」



家についてリビングのソファーに座らされて

(そして何故か2人に挟まれている!)聞かれた。

雅樹、仮病だって分かってると思ったのに

本当に心配そうな顔してる。

勝は真面目に心配しているのが伝わる。

な、なんか罪悪感が…。



「ならいいけど。なんか食べる?」

「大丈夫ッス…あ、おばさん達は?」

「今日は2人で泊りのデート。結婚記念日だってさ。

ラブラブだよね~」

「雅樹の親ってマジでラブラブなのな。毎年じゃね?」

「うん。忘れたら母さんが激怒するからさ」

「へぇ~。そんな風に見えないな」

「外面がいいんだよ」



ん?



「ま、雅樹くん?その手は何かな?」



雅樹のイタズラな手が俺の太ももを撫でている。



「スキンシップだよ?」

「勝?お前のそのチッスの嵐はなんだよ」



勝が俺の頭にちゅっちゅちゅっちゅしている。



「え?スキンシップー!」

「お前らどんなスキンシップだよ!!んや!」



勝の唇が首筋に落ちてきて、ぞくりとした快感が背中を這った。

そのまま耳たぶを甘噛みされてどんどん頭がぽーっとなる。

自分がこんなに快感に弱いだなんて、こんな事になって初めて知った。

ふと胸元をみると雅樹がシャツを捲り上げていた。



「樹の乳首ってさ、ホント綺麗だし可愛いよね。

ピンク色で小粒で、刺激するとぷくっと立って主張しててさ。たまらない」

「ひゃ!あ!ああっ」



乳首を指先でクリクリと優しく刺激されて、快感が体を突き抜ける。

そのまま乳首を弄られながら雅樹にキスされて、頭の中がとろとろになる。



「はっ…ん。まさきぃ…」

「樹、口からよだれが出てるよ。ほんと、可愛いよねぇ」



ちゅっと俺の口から出たよだれを吸い取ってにっこりと極上の笑顔で俺を見る。



「俺も忘れんなよ」



勝がそう言って、激しくキスをしてきた。息が苦しくなって勝の胸を叩く。



「ぷはっ!くっ、苦しいってば」

「鼻で息しろってば」

「んっ」



そう言って勝がまたキスしてきた。舌をじゅっと吸われてたまらなくなる。

俺も必死で舌を絡めながら勝にすがりつく。



「ひゃ!あっ。やぁぁん!」



気づいたら雅樹に下半身をすっぽんぽんにされてちんこをしごかれた。

人にされるそれはめちゃくちゃ気持ち良くて頭が痺れたようになる。

ちんこから出る先走りでぐちゃぐちゃ音がするのも羞恥心を煽られながらも興奮する。



「樹、腰が動いてるよ」



耳元で雅樹に囁かれてぞくぞくとする。

気持ちいい。めちゃくちゃ気持ち良いけど、

なんだか物足りない。

お尻の秘部を触って欲しくてたまらなくなって、

思わず腰を突き出してしまった。



「なに?どうして欲しいの?」

「…」

「黙ってちゃ分からないよ。どこ触って欲しい?」

「け、けつ…」

「お尻?お尻のどこ?」

「~~~!もう!分かってるくせに!雅樹の意地悪!!!」



テスト前は連日エロテロ攻撃を受けて開発気味になってしまった俺のケツは素直に快楽を求めてキュンキュンし始めている。

こうなった責任を取ってもらわないと納得できん!



「仕方ないなぁ~。今日はもうちょっと奥まで可愛がってあげるね?」

「はっ…」



その言葉を聞いただけで期待で甘い吐息が出てしまった。

俺、終わったな…。





雅樹がローションをたっぷり使って俺のケツの入口をふにふに弄る。

もう、それだけで期待から喘ぎ声が止まらない。

俺、マジで終わったかもしれん。

好奇心と快楽への飽くなき探求心から素直にゆだねてきたけど早まったんじゃないかという気持ちが、ちらりと脳裏をよぎった。

そんな逡巡が顔に出てしまったのか、それを目ざとく見つけた勝が俺の乳首をきゅっとつねる。



「やぁ!」



途端に脳みそが快楽に蕩けはじめた。



「樹、余計なこと考えるな」



勝が低い声でぼそっと耳元で囁いた。

そんな言葉にすら体が反応して胸がきゅんとする。

なんだよこれ。なんで勝にときめくんだよ。おかしいだろ。



ちくっと腰とか背中の下あたりに刺激が走ったからそこを見たら、雅樹が幾つもキスマークをつけていた。

何してんだ?と思って見ていたら雅樹と目があって微笑まれた。



「俺のっていうシルシ」

「ほぇ?」



一瞬、なんのこっちゃい?と思って言葉を咀嚼して理解した。

きゅきゅーん!と胸がときめく。

なんだよこれ。なんで雅樹にもときめくんだよ!おかしいだろ!

ちょっとした束縛っつーか、所有欲を見せられた気持ちになって胸がドキドキして顔が顔が赤くなるのが分かった。



「えー。なんかちょっとジェラシー」



赤くなった顔を見て勝が不満そうに言う。



「~~~~!」



俺はもう、何も言えなくなって勝の胸に顔をうずめて黙った。



「俺には?俺にはときめいてくんねーの?」



くぃっと顎を持ち上げられて勝に聞かれた。

さっきときめいた事を思い出して目を合わせるのが気恥ずかしくてうろうろと目線をさ迷わせる。

もっと顔が赤くなっていくのが分かった。



「もしかして、俺にもときめいちゃった?」



更に目が泳いでしまった俺を見て勝がニンマリと笑った。



「へぇ~。そうかそうか。俺にもときめいちゃったか!」

「う、うるせぇ…」



声がか細くなってしまい、その反応に勝がかなり気をよくしたのが分かった。

なんかめっちゃ悔しい。



「樹~~!可愛いなぁ。お前!!」



顔中にキスの雨を降らせたあと、俺の好きな口の中を優しくくすぐるキスをしてきた。



「ふぁ。ん…」



ちゅるっ…ちゅっとキスをずっとしていると、胸がぎゅーっとなってほわーんとなって、なんだか嬉しい気持ちがむくむくこみ上げてきて笑いだしたいような、泣きたいような複雑な気持ちになった。

こんな気持ちになったのは初めてで、これがなんなのか俺には全然分からなくて動揺してしまう。



「嬉しいなぁ。樹がそんな風に思ってくれるなんてな」

「な!すげー嬉しいな。可愛い可愛い俺たちの樹…」



勝と雅樹がそんな事を言うから、よく分からない気持ちが溢れて胸が苦しくなってきた。



「泣くなよ、樹。ま、泣いてくれるのは嬉しいけどな」



ぽろりと零れ落ちた涙が頬を伝って、

その上から勝がそっとキスをした。

(いつの間に泣いてたんだ?)

あやすようにまぶたの上にキスをたくさんしてくれる。

ちょっとくすぐったくて笑うと、勝も笑い返してくれたんだけどその笑顔がめちゃくちゃ優しくて、俺はさらにドキドキしてしまった。

(俺、どうしちゃったんだろ…)

勝と深い深いキスをしながら、胸に広がる甘やかな気持ちを味わった。
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