樹くんの甘い受難の日々

琉海

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第二章

80.おれ、無実です!!!

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「こんな事なら、あいつ(佐久間)の機嫌気にしておねだりなんか聞かなければ良かった」

クソッ!と勝が声をあらげた。俺を抱きしめる腕の力が強くなる。

「———薬盛られてかなり際どい所だったんだって?」

目が据わった志木が低い声で言った。俺に向けられた訳じゃないけど、その声の低さと隠しきれない獰猛さに背筋がぶるっとなる。

「薬の影響は?もう大丈夫なのか?」
「うん。大我のおかげで」
「獅子尾、本当にありがとう。感謝してもしきれない」
「俺は俺にできる事をしたまでだ。樹を守れるならいくらでも使ってくれ」
「———ありがとう」
「もちろん、僕もいくらでも協力するから。こんな事になってしまって本当に申し訳ない。生徒会長として後日、きちんとそちらの学校長にお詫びするから!」

俺ら4人は2人に頭を深々と下げた。

「そ、そんな!今回はこちらが全面的に悪いし、協力させて欲しいのはこっちだよ!だから頭なんて下げないで!!」

慌てて俺ら4人に頭を上げてと朱雀があまりにも必死に言うから、くすりと笑ってしまったけど、それを見てほにゃりと相好を崩した表情が天使のように可愛かった。

「朱雀って、すっげぇ可愛いよなぁ」

思わず口にしてしまうと、それを聞いた朱雀があわあわと照れだした。

「そ、そんな…。樹くんに言われると照れちゃうなぁ。ていうか、美鈴って呼んで?僕、樹くんと友達になりたいんだ。こんな時にどさくさ紛れで申し訳ないけど言っちゃう!」
「あはは。俺はもう友達のつもりだったよ。分かった。美鈴って呼ぶな」
「うん!」

ほんのりと頬を染めた美鈴が可愛い。女子だったら好きになってたかも?と思ったけど、いや、やっぱり今の俺には恋人たち以外には惚れないなと思った、のに。
ふとこちらを優しい目で見ている大我と目が合ったらドキッと胸が高鳴った。かぁっと顔が赤くなったのが分かって自分の節操のなさに呆れてしまう。多分、大我とはキスしたし、さっき色々してくれたからだと思う。うん。多分…うん。
なんで自信ねぇんだよと内心1人突っ込みしながら慌てて目をそらした。
動揺してて、その様子を雅樹に見られてたなんて気づかなかった。

「……樹くん?」
「あっ。ごめん。ボーっとしてた。アハハ…」
「そっか。そうだよね。あんな事があったんだから、精神体にも疲れてるよね。調書も取ったし、今日はもう解散しよっか」

美鈴のその言葉を受けて、帰宅する事になった。

「あれ?雅樹、美鈴と帰んなくていいのか?」
「うん?うん。今日は樹を家まで送るからね。あんな事があったんだから少しでも長く樹の側にいたいんだよ」
「そ、そっか。……う、嬉しいな」
「樹……」
「俺も!俺も送る!」
「もちろん、俺も」
「ありがとな、みんな」

なんだかんだと3人に家まで送ってもらえる事になった。雅樹となんて久しぶりすぎて、自分がご機嫌ではしゃいでいるのが分かったけど、3人ともすっげぇ優しい目で見てくれてるから、止められなかった。




「———さて、樹。お仕置きの為の事情聴取をしようか」
「はへ?」

俺の部屋に着いてから今日の無事と今まで離れていた時間を取り戻すような激甘々な時間を堪能していたら、冷静に声音を変えた雅樹に言い渡された。
そういえば“お仕置きはあとでじっくり”とか不穏な事を言っていたなと他人事のように思い返していたけど、雅樹の眇めるような冷たい目を目の当たりにして背筋を伸ばした。

「お、俺、無実です!!!」

なんの罪なのかも分からないけど、思わずそう言って後ずさりした。

「ふぅん?心当たりでもあるの?」

あ。なんか地雷踏んだ。

「……」
「樹、適当に言ったでしょ」
「イ、イエ……ア、ハイ」

更に冷たくなった目に慌てて撤回する。あぁでも、もう遅い気がする。。

「ねぇ、樹。獅子尾って、いい男だね?」
「は?」
「俺らが樹を仕方なく———本当に、断腸の思いでそうせざるを得なかったんだけど、放置している間、随分と親しくなったみたいだね?」
「えぇと、仲良くはなった…デス」
「その、仲良くはさ、どういう仲良しなのかな?」
「どういうって……」


さてと困った。
大我はイイヤツだし、これからも仲良くしていきたいとは思ってるけど、仲良くするのに種類とかあるのか?どういうって言われても困る。仲良しは仲良しだ。

「質問を変えようか。今日、薬盛られて、獅子尾に処理してもらったんだよね?」
「ハイ…」
「助けてもらった事と、事後処理自体は俺らもすごい感謝してる。樹の精神的なケアもしてくれた事は———これも渋々ながらありがたいとは思ってるよ、本当に。
みぃも気にしてたから、俺らが離れている間それとなく気にしてやってくれとお願いしてくれてたみたいだし。でも、樹の心の中にまで入り込むほどケアして欲しいとは思ってないんだ」
「はい?!心の中…?」
「そう。質問に答えて、樹。処理は獅子尾がやってくれたんだよね?」
「ハイ…」
「どういう処理をしてもらったの?」
「そ、それは…」

脳裏に俺の痴態が浮かんだ。薬で脳みそがやられていたとはいえ、とてつもなく乱れまくった覚えがある。と、同時に大我とのキスを思い出してふるっと震えた。
ギンギンにおっ勃てて頭がおかしくなりそうな時のキスは、まぁまだ分かる。だけど、落ち着いてから口移しで水を飲ませてもらった時のキスは…余計だったかもしれない。
だけど、あの時は大我とキスしたかったんだ。余韻かなぁ。

処理を手伝ってもらってた時、時おり体勢によっては大我のちんこが俺の腰に当たってた。服の上からでも硬く、熱くなっているのが分かって、突き入れて欲しいと思った。実際、何度も懇願した。
その度に「あとで後悔するのはお前だ」って言われて、悲しくてちょっと泣いた。
そりゃ、成り行き上、仕方なく処理を手伝ってくれてるのは分かるけど、あんなに硬くギンギンになってるのに、最後まで冷静な大我を目の当たりにしてそんなに魅力ないのかと思ったから。

「たーつき?」
「ひゃい!」
「色々考えて百面相している顔も可愛いけどね?今は質問に答えようか」

助けを求めて勝たちを見るも、2人も真剣な顔をして俺を見るだけで援護してくれそうにない。

「お、俺さ、信じられないくらいちんこギンギンでさ。肌に触れる刺激すべてが快感になってさ。イきたくてイきたくて頭がおかしくなりそうでさ…。
そんな状態だから医務室で知らない人に見られたくなくて。大我にお願いして部屋に連れて行ってもらったんだ。それで———」
「うん。それで?」
「い、色々して…もらった…その、フェ、フェラとか…」

居たたまれなくてどんどん尻すぼみになっていく。男のちんこ咥えるとか、大我には拷問以外の何物でもなかったんじゃないかと、今さらながらに思う。
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