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第三章:聖女は一般人になる
30.聖女の提言
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ルカ統括の説明によると、この首都アケツには学校が八つあるとのことだ。その中でも私が通っている学校は街の中央に近く規模が大きいらしい。
そのためやはり全学年を別々にすると、学校によっては参加者が一人も出てこないなんてことになりかねない。それに八つの学校から八人の代表が出てきても代表選をするときに大変だ。
「ですが確かにアキナさまの言うことも一理あります。いくらなんでも五歳と十二歳では体力、体格差がありすぎますからね。かしこまりました。教育組合と再度調整しまして再検討いたしましょう」
「マジで! ルカ統括ありがとー やっぱさ、けが防止って意味でもせめて二つに分けるくらいはしてもいいと思うんだぁ。八歳までとそれ以上って感じなら代表選も十六人で済むしね」
「ええ、わたくしもそれがよろしいかと存じます。アキナさまの案で調整してみましょう。それにしてもさすがですね。すぐにそのようなことにお気づきになるとは恐れ入ります」
「あのさ、必ずしも悪いことじゃないんだけど、この国の人って平等主義すぎるんだよね。ある程度は区別していかないと弱い側にしわ寄せがいっちゃうじゃない?」
「さようでございますね。階級を撤廃しての改革でしたから、その影響が大きいのでしょう。それから二百年ほど経っていますから急な意識改革は難しいかと。ですが聖女さまの影響で今後は緩やかに変化しているかもしれません」
「それはウチのこと言ってる? それとも代理のほう?」
「いいえ、概念として、と言うことにございます。二十年ほど前から始まった神力の低下は社会的な不安だったのです。それが解消されたことによって、テンカーは再び活気を取り戻しつつあります」
「なるほど、そういうこと? ま、みんなが元気になったのならウチが呼び出されたかいもあったってもんね。ちなみに自分では全く分からないけど、本当に役に立ってんの? 神力を地面へ流すってやつ?」
「はい、もちろんでございます。わたくしの髪はすっかり黒くなりそのままですし、離宮内で働くほかの神官たちも元気を取り戻してきました。離宮内を歩いていて白髪の神官が目立たなくなっていると感じませんか?」
「そう言われても来たばかりのころはずっと閉じ込められてたし? 最近はずっと学校で忙しくて離宮内をうろちょろしてないからね」
「これは失礼いたしました…… ですが閉じ込めていたと言うのは語弊が……」
「はいはい、安全のためね。それくらいわかってるって。だから軟禁されてたとまでは言わなかったじゃん。結局あれってウチのことを秘密にしておくために隔離してたくせにさ」
いくら否定しようが言い訳しようが私には筒抜けだ。なんといっても光属性の神力によって、嘘をついている場合は相手の動揺が黒いもやとなって視認できる。なんならそのまま真実を喋らせることもできるのだ
こんなウソ発見器みたいな能力のどこに光要素があるのかわからないが、便利なことはいいことだ。きっと光は善良で、黒い靄は悪意みたいなものを表しているのだろうと勝手に決めてつけいた。
ほかにも光を屈折させて色や形を誤認させる力もあるし、光の膜を作り出して防御するとか、目の前に光球を作り出して目くらましをすることもできる。
だが本当にやばいのは精神操作とともに危険度の高い、目からビームを出す能力だろう。我ながらいらないと感じる能力ナンバーワンである。
試しに一回撃ってみただけなのだが、見つめた先へ発射することを念じただけで、瞬時に焦げ目がついてビックリした。これだけはうかつに暴発しないよう注意が必要だ。
ほかにもなにか工夫すればできそうな気はするが、それはいざと言う時が来たら考えればいい。普通の神力と違って創意工夫で能力を増やせることが最大の違いであり優位性ともいえる。
「これってある意味反則級だよねぇ。しかも普通の人たちはみんな何年かかけて修行したりしてるわけなのにさ。ウチだけ努力もしないで力を得ているのはなんか納得しがたい気がする……」
「どうかしたのですか、突然そのようなことをおっしゃって。なんと言っても正真正銘聖女なのですから我々一般人と異なっていて当然、特別でよろしいではございませんか。何の問題がありましょう」
「そうかもしれないけどさぁ。ウチだって頑張ってるってとこ見せたいときもあるし、もしなにかすごいことしたって聖女だから当たり前って思われるのもイヤなの」
「わたくしには知りえない苦悩があると言うことでしょうか。アキナさまが正しいと思われることに神力を用いる限り、それが非難されることはございません。もちろん貢献して当然とも考えません。ですので思う存分、ご自身の思うままに御力を振るっていただきたく存じます」
結局よくわからない言い回しで丸め込まれたような気もするが、ようはおかしな真似をするなよ、ってことだと受け取った。確かに悪用しようと思えばいくらでもなんとでもできるだろう。
「ですがアキナさま? こうして色々な案やご意見をいただくことは、決して神力に頼ったモノではございません。当然そのようなこと、わたくしは理解しているつもりでございます。ですのでもっと我々を信じてご安心してお過ごしくださいませ」
「うん、ありがと。だったらもう閉じ込めたりしない? 今はいいけどまたいつかやらかしちゃうかもしれないじゃん?」
「アキナさま? もしかして相当根に持っていらっしゃいます?」
私はひきつった笑みを浮かべたルカ統括へ向かって、ペロッと舌を出しながらニヤリと意地悪そうに笑い返した。
そのためやはり全学年を別々にすると、学校によっては参加者が一人も出てこないなんてことになりかねない。それに八つの学校から八人の代表が出てきても代表選をするときに大変だ。
「ですが確かにアキナさまの言うことも一理あります。いくらなんでも五歳と十二歳では体力、体格差がありすぎますからね。かしこまりました。教育組合と再度調整しまして再検討いたしましょう」
「マジで! ルカ統括ありがとー やっぱさ、けが防止って意味でもせめて二つに分けるくらいはしてもいいと思うんだぁ。八歳までとそれ以上って感じなら代表選も十六人で済むしね」
「ええ、わたくしもそれがよろしいかと存じます。アキナさまの案で調整してみましょう。それにしてもさすがですね。すぐにそのようなことにお気づきになるとは恐れ入ります」
「あのさ、必ずしも悪いことじゃないんだけど、この国の人って平等主義すぎるんだよね。ある程度は区別していかないと弱い側にしわ寄せがいっちゃうじゃない?」
「さようでございますね。階級を撤廃しての改革でしたから、その影響が大きいのでしょう。それから二百年ほど経っていますから急な意識改革は難しいかと。ですが聖女さまの影響で今後は緩やかに変化しているかもしれません」
「それはウチのこと言ってる? それとも代理のほう?」
「いいえ、概念として、と言うことにございます。二十年ほど前から始まった神力の低下は社会的な不安だったのです。それが解消されたことによって、テンカーは再び活気を取り戻しつつあります」
「なるほど、そういうこと? ま、みんなが元気になったのならウチが呼び出されたかいもあったってもんね。ちなみに自分では全く分からないけど、本当に役に立ってんの? 神力を地面へ流すってやつ?」
「はい、もちろんでございます。わたくしの髪はすっかり黒くなりそのままですし、離宮内で働くほかの神官たちも元気を取り戻してきました。離宮内を歩いていて白髪の神官が目立たなくなっていると感じませんか?」
「そう言われても来たばかりのころはずっと閉じ込められてたし? 最近はずっと学校で忙しくて離宮内をうろちょろしてないからね」
「これは失礼いたしました…… ですが閉じ込めていたと言うのは語弊が……」
「はいはい、安全のためね。それくらいわかってるって。だから軟禁されてたとまでは言わなかったじゃん。結局あれってウチのことを秘密にしておくために隔離してたくせにさ」
いくら否定しようが言い訳しようが私には筒抜けだ。なんといっても光属性の神力によって、嘘をついている場合は相手の動揺が黒いもやとなって視認できる。なんならそのまま真実を喋らせることもできるのだ
こんなウソ発見器みたいな能力のどこに光要素があるのかわからないが、便利なことはいいことだ。きっと光は善良で、黒い靄は悪意みたいなものを表しているのだろうと勝手に決めてつけいた。
ほかにも光を屈折させて色や形を誤認させる力もあるし、光の膜を作り出して防御するとか、目の前に光球を作り出して目くらましをすることもできる。
だが本当にやばいのは精神操作とともに危険度の高い、目からビームを出す能力だろう。我ながらいらないと感じる能力ナンバーワンである。
試しに一回撃ってみただけなのだが、見つめた先へ発射することを念じただけで、瞬時に焦げ目がついてビックリした。これだけはうかつに暴発しないよう注意が必要だ。
ほかにもなにか工夫すればできそうな気はするが、それはいざと言う時が来たら考えればいい。普通の神力と違って創意工夫で能力を増やせることが最大の違いであり優位性ともいえる。
「これってある意味反則級だよねぇ。しかも普通の人たちはみんな何年かかけて修行したりしてるわけなのにさ。ウチだけ努力もしないで力を得ているのはなんか納得しがたい気がする……」
「どうかしたのですか、突然そのようなことをおっしゃって。なんと言っても正真正銘聖女なのですから我々一般人と異なっていて当然、特別でよろしいではございませんか。何の問題がありましょう」
「そうかもしれないけどさぁ。ウチだって頑張ってるってとこ見せたいときもあるし、もしなにかすごいことしたって聖女だから当たり前って思われるのもイヤなの」
「わたくしには知りえない苦悩があると言うことでしょうか。アキナさまが正しいと思われることに神力を用いる限り、それが非難されることはございません。もちろん貢献して当然とも考えません。ですので思う存分、ご自身の思うままに御力を振るっていただきたく存じます」
結局よくわからない言い回しで丸め込まれたような気もするが、ようはおかしな真似をするなよ、ってことだと受け取った。確かに悪用しようと思えばいくらでもなんとでもできるだろう。
「ですがアキナさま? こうして色々な案やご意見をいただくことは、決して神力に頼ったモノではございません。当然そのようなこと、わたくしは理解しているつもりでございます。ですのでもっと我々を信じてご安心してお過ごしくださいませ」
「うん、ありがと。だったらもう閉じ込めたりしない? 今はいいけどまたいつかやらかしちゃうかもしれないじゃん?」
「アキナさま? もしかして相当根に持っていらっしゃいます?」
私はひきつった笑みを浮かべたルカ統括へ向かって、ペロッと舌を出しながらニヤリと意地悪そうに笑い返した。
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