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第四章:聖女はどこへ向かうのか
34.聖女の日常
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こちらの世界へやってきてから間もなく一年が経とうとしている。一体どれだけのおかしな経験をして、どれだけ未知なることを体験しただろうか。
その中でもっとも変わったことと言えば、神力と言う不思議な能力の存在であることは間違いない。しかも私の場合は超レアな光属性と言うものだった。
今のところは派手に使ったりはしていないし、危ない能力も暴発しないよう気を付けている。たまに嘘を見抜くのに使うくらいだし相手はたいていルカ統括である。
もちろん学校へ行っているときには完全に封印しているので、勉強や運動でズルをしているわけでもない。相変わらず相撲は盛んで近いうちに行われる代表選はもう三回目で今回も代表選手まで勝ち上がった。
その学校も中途入学だったわりには成績は悪くなく、懸念していた丸暗記もよく考えたらもともとやっていたことだ。なんせテストのときには教科書もノートも持込みできないわけで、結局やっていたことは丸暗記なのだから。
一月になり年が明けて六歳のクラスへ進級したし背も少し伸びたはず。それに問題だった睡魔対策も今はバッチリで、とにかく甘いものを食べまくっている。
もちろん太るなんてことはなく、かえって油断してると痩せていってしまう。やっぱり自分ではわからなくても、一日中神力を使っているに等しいエネルギーを消費しているようだ。
日々の生活にだいぶ慣れてきたとはいってもしょせんは幼児に毛が生えた程度の子供であることは変わりなく、私は相変わらずリヤンに送り迎えしてもらって通学している。
一つ変化があったとすれば、より一層仲良くなったクラリアと一緒に登校していることくらいか。六歳からは一人で通う子も多く、クラリアの親もそうするつもりだったようだ。
だが彼女の家が離宮から学校へ向かう途中にあって都合が良かったので、毎朝迎えに立ち寄るようになったと言うわけである。
クラリアのお母さんからはリヤンが送迎している私との通学は安心できて助かっていると礼を言われているけど、実際に役に立っているのはリヤンなんだけどと思わなくもない。
そして今日も――
「アキナちゃんおはよー! いよいよ今日やるんだもんね。絶対負けないよね?」
「もちろん勝つよ! まったくあのバカったらどさくさにひどいことしてくれたもんだよねぇ。おかげで着替えを借りることになっちゃったんだからさぁ」
「本当はアキナちゃんのことが気になってるんじゃない? その照れ隠しかもしれないよ? ふふー」
「いやいやマジ勘弁だから。ウチはいいとこの坊ちゃんだって自分以外の力を誇示するような子って大っ嫌い。ううん、軽蔑しちゃうってくらいだよ」
「でも最近はそんなそぶりなくない? ライバル視がずっと変わらないだけで前みたいに威張り散らすこともないしさ。離宮から王城へお嫁に行くなんておとぎ話っぽくて良くない?」
「良くない! それにウチたちはまだ六歳だよ? お嫁に行くってなに!? クラリアはおかしな創作話が好き過ぎ!」
学校には教科書のほか、少量だが本があって自由に読める。しかし絶対量が少ないので同じ本を何度も読むしかない。
演劇や物語が本が好きなクラリアは、そんな限られた蔵書の中から白雪姫的な本ばかり選んで読んでいる。だからなのか考え方までメルヘンチックになっている。
「クラリアもさ、自分でなにかやってみたら? 相撲はいまいち向いてないってことがわかったじゃん。でも本を一冊覚えちゃうくらいだから、演劇とかやったらいいかもよ? ほかにも興味ある子がいて一緒にできるかもしれないしさ」
「演劇かぁ。確かに見るのも好きだし自分でセリフを言ってみることもあるよ? でも大勢の前で演技するなんてできそうにないよ。恥ずかしいじゃん」
「そんなの慣れだよ、慣れ。クラリアならきっとできるって。まずは学校で発表してさ。ゆくゆくは劇団を作るの。それが仕事になったらきっと毎日楽しいし、見るのが好きな人たちだって海外のよくわからない演劇を待つ必要なくなるじゃない?」
「まあそうだよね。いろんな国々を回ってる劇団だと戦記物が多いから子供が楽しめないし、自分で劇団作れたらお祭りがもっと楽しくなるかもしれないなぁ」
「そうだよ、なんでもやってみてから考えたらいいんだよ。ウチだって相撲以外の楽しみが多いほうが嬉しいし、なによりクラリアの劇を見てみたいもん。朗読もいいけどやっぱり動きがあるほうが楽しいじゃん」
「おっと、アキナさま、つきましたね。それじゃ私はまた終わりの時間に来ますから勉強頑張ってくださいね。相撲以外もまじめにやらないとだめですよ?」
「もうリヤンってば変な心配しないでよ。ダイジョブだから! でも今日は負けられない勝負があるからそっちが優先ね。二度と挑む気が無くなるくらいにとっちめてやるんだから!」
私は鼻息を荒くしながらノシノシと学校へ入って行った。
その中でもっとも変わったことと言えば、神力と言う不思議な能力の存在であることは間違いない。しかも私の場合は超レアな光属性と言うものだった。
今のところは派手に使ったりはしていないし、危ない能力も暴発しないよう気を付けている。たまに嘘を見抜くのに使うくらいだし相手はたいていルカ統括である。
もちろん学校へ行っているときには完全に封印しているので、勉強や運動でズルをしているわけでもない。相変わらず相撲は盛んで近いうちに行われる代表選はもう三回目で今回も代表選手まで勝ち上がった。
その学校も中途入学だったわりには成績は悪くなく、懸念していた丸暗記もよく考えたらもともとやっていたことだ。なんせテストのときには教科書もノートも持込みできないわけで、結局やっていたことは丸暗記なのだから。
一月になり年が明けて六歳のクラスへ進級したし背も少し伸びたはず。それに問題だった睡魔対策も今はバッチリで、とにかく甘いものを食べまくっている。
もちろん太るなんてことはなく、かえって油断してると痩せていってしまう。やっぱり自分ではわからなくても、一日中神力を使っているに等しいエネルギーを消費しているようだ。
日々の生活にだいぶ慣れてきたとはいってもしょせんは幼児に毛が生えた程度の子供であることは変わりなく、私は相変わらずリヤンに送り迎えしてもらって通学している。
一つ変化があったとすれば、より一層仲良くなったクラリアと一緒に登校していることくらいか。六歳からは一人で通う子も多く、クラリアの親もそうするつもりだったようだ。
だが彼女の家が離宮から学校へ向かう途中にあって都合が良かったので、毎朝迎えに立ち寄るようになったと言うわけである。
クラリアのお母さんからはリヤンが送迎している私との通学は安心できて助かっていると礼を言われているけど、実際に役に立っているのはリヤンなんだけどと思わなくもない。
そして今日も――
「アキナちゃんおはよー! いよいよ今日やるんだもんね。絶対負けないよね?」
「もちろん勝つよ! まったくあのバカったらどさくさにひどいことしてくれたもんだよねぇ。おかげで着替えを借りることになっちゃったんだからさぁ」
「本当はアキナちゃんのことが気になってるんじゃない? その照れ隠しかもしれないよ? ふふー」
「いやいやマジ勘弁だから。ウチはいいとこの坊ちゃんだって自分以外の力を誇示するような子って大っ嫌い。ううん、軽蔑しちゃうってくらいだよ」
「でも最近はそんなそぶりなくない? ライバル視がずっと変わらないだけで前みたいに威張り散らすこともないしさ。離宮から王城へお嫁に行くなんておとぎ話っぽくて良くない?」
「良くない! それにウチたちはまだ六歳だよ? お嫁に行くってなに!? クラリアはおかしな創作話が好き過ぎ!」
学校には教科書のほか、少量だが本があって自由に読める。しかし絶対量が少ないので同じ本を何度も読むしかない。
演劇や物語が本が好きなクラリアは、そんな限られた蔵書の中から白雪姫的な本ばかり選んで読んでいる。だからなのか考え方までメルヘンチックになっている。
「クラリアもさ、自分でなにかやってみたら? 相撲はいまいち向いてないってことがわかったじゃん。でも本を一冊覚えちゃうくらいだから、演劇とかやったらいいかもよ? ほかにも興味ある子がいて一緒にできるかもしれないしさ」
「演劇かぁ。確かに見るのも好きだし自分でセリフを言ってみることもあるよ? でも大勢の前で演技するなんてできそうにないよ。恥ずかしいじゃん」
「そんなの慣れだよ、慣れ。クラリアならきっとできるって。まずは学校で発表してさ。ゆくゆくは劇団を作るの。それが仕事になったらきっと毎日楽しいし、見るのが好きな人たちだって海外のよくわからない演劇を待つ必要なくなるじゃない?」
「まあそうだよね。いろんな国々を回ってる劇団だと戦記物が多いから子供が楽しめないし、自分で劇団作れたらお祭りがもっと楽しくなるかもしれないなぁ」
「そうだよ、なんでもやってみてから考えたらいいんだよ。ウチだって相撲以外の楽しみが多いほうが嬉しいし、なによりクラリアの劇を見てみたいもん。朗読もいいけどやっぱり動きがあるほうが楽しいじゃん」
「おっと、アキナさま、つきましたね。それじゃ私はまた終わりの時間に来ますから勉強頑張ってくださいね。相撲以外もまじめにやらないとだめですよ?」
「もうリヤンってば変な心配しないでよ。ダイジョブだから! でも今日は負けられない勝負があるからそっちが優先ね。二度と挑む気が無くなるくらいにとっちめてやるんだから!」
私は鼻息を荒くしながらノシノシと学校へ入って行った。
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