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第四章:聖女はどこへ向かうのか
36.聖女の過信
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昼のおやつの時間が終わり、私は口の中がこれ以上ないくらいに甘ったるくなるのをガマンしながらおなかが落ち着くのを待っていた。
さすがに運動の時間前には落ち着くと思うけど、食べ終わったばかりで動いたらいろいろ危険だ。
人より多く用意されているおやつを食べきってからなので、私が校庭へ出たのは最後のほうだった。広い校庭はすでにボール投げをしたり追いかけっこをしている生徒たちでいっぱいだ。
このあとの勝負に向けて、私はクラリアと一緒に軽く走ったり柔軟運動をして体をほぐす。嫌な顔一つしないで付き合ってくれるクラリアにはいつも感謝している。
相手のケイラムと言うと土俵のそばにいるのが見えた。どうやら取り巻きを相手に立ち会いの練習をしているようだ。
彼は最近になって随分と背が伸びたし、その分力もついただろうから油断するなんてとんでもない。
今や他校を含む学校界? では相撲が大ブームになっている。しかも大人の大会まで始められている一大ムーブメント、そんな注目のスポーツなのだ。
そんな世間の後押しもあって校庭には土俵が常設されていた。しかも屋根付きなのでやろうと思えば雨の中の取組も可能ときてる。今のところは雲一つない晴天なので今日は関係ないけど。
休み時間が終わってようやく運動の時間となった。本当は相撲の時間ではないんだけど、校庭で自由に運動することになったので相撲を取るのも自由である。
そんなわけで、私とケイラムは無言のまま土俵の外側で睨み合っていた。もちろんこの大一番を見逃せないと、クラスメートたちは周囲に陣取っている。
なにせこれは男女の代表戦でもあるのだからややこしい。女の子も男の子も別にいがみ合っているわけじゃなく普段は仲がいい。しかしこと相撲になると話は別だ。
これはきっとケイラムがやたらと私にからんでくるせいだと思っている。好きなら好きと言えばいいのに否定するもんだから余計にこじれてしまう。
実は女の子たちの間では一つのうわさが話題になっていた。それはこの勝負にかけるケイラムの覚悟についてだ。
どうやらケイラムはこの勝負に勝って私に告白するつもりらしいと男子の間で噂になっている。それはなかば公然の事実として女子まで漏れ聞こえていた。
だけど私はそんなことに興味はない。そもそも前世と言っていいかわからないけど、高校生になってもまだ恋愛には興味がなかったからである。
初恋らしきものはもちろんあったけど、月並みに? 中学のころの教育実習の先生に憧れるというやつで、よくあるテンプレ的なアレだ。
ここで急に思い出したけど、帰り際にあいさつする振りをしてその大学生の背中にバカって書いた紙を張り付けたことがあった! これはまるで泥団子投げと一緒じゃないか。
思わず思い出し笑いをすると、クラリアは驚いたようにこちらを覗き込む。
「アキナちゃんどうしたの!? 急に笑い出すなんて驚かさないでよね?」
「ごめんごめん、ちょっと思い出し笑いしちゃっただけだから気にしないでー」
どうやら私よりもよっぽど緊張している様子で、大きな深呼吸をする様子がかわいらしい。それでも緊張は解け無いようで、私の一挙手一投足に敏感な反応をしてしまっていた。
「もう、クラリアったらなんでそんなに緊張するの? 勝負するのはウチなんだから気楽にしてればいいんだよ? まさかあの噂を真に受けてるわけ? どうせ勝っても負けても何も変わらないって」
「でも勝手に緊張しちゃうんだからしょうがないじゃないの。逆になんでアキナちゃんは平気なのかわかんないよ。だって告白だよ!?」
「そっち!? それが一番どうでもいいよ…… ウチは勝負だけしか考えてないし、もちろん勝つとしか思ってないからね」
そこへクリスもやってきて興奮気味にくっついてくる。どうもクリスは取組でぶつかり合ったせいなのか急激に距離がちぢまり、今ではすっかり仲良しだ。
だけどちょっと距離が近すぎて戸惑うことも多い。女子同士のスキンシップが好きな子は確かに少なくないんだけど、ここまでべたべただとこっちが恥ずかしくなってしまう。
こうして私たちがキャピキャピとたわむれている間に準備が整ったようだ。体格差もある男女の勝負なので、普通ならただのじゃれ合いとなるだけでそれほど盛り上がらない。
だが私とケイラムの取組となれば話は別だ。同学年の誰もがその因縁? を知っている。
とは言え、因縁だと考えているのは私以外の全員で、私は正直言ってただめんどくさいやつくらいにしか思っていない。
そんな取組が迫る中、丁度いいところにクリスがやって来たのでまわしをきつく締めるのを手伝ってもらうと、いい感じに気合いが高まってくる。
しかも私にとっては最高に力が発揮できる三月の日の翌日。負ける要素がないどころか、正直言ってインチキと思えなくもない。
私は少々ケイラムに同情しながら土俵前で仁王立ちして呼び出しを待った。
さすがに運動の時間前には落ち着くと思うけど、食べ終わったばかりで動いたらいろいろ危険だ。
人より多く用意されているおやつを食べきってからなので、私が校庭へ出たのは最後のほうだった。広い校庭はすでにボール投げをしたり追いかけっこをしている生徒たちでいっぱいだ。
このあとの勝負に向けて、私はクラリアと一緒に軽く走ったり柔軟運動をして体をほぐす。嫌な顔一つしないで付き合ってくれるクラリアにはいつも感謝している。
相手のケイラムと言うと土俵のそばにいるのが見えた。どうやら取り巻きを相手に立ち会いの練習をしているようだ。
彼は最近になって随分と背が伸びたし、その分力もついただろうから油断するなんてとんでもない。
今や他校を含む学校界? では相撲が大ブームになっている。しかも大人の大会まで始められている一大ムーブメント、そんな注目のスポーツなのだ。
そんな世間の後押しもあって校庭には土俵が常設されていた。しかも屋根付きなのでやろうと思えば雨の中の取組も可能ときてる。今のところは雲一つない晴天なので今日は関係ないけど。
休み時間が終わってようやく運動の時間となった。本当は相撲の時間ではないんだけど、校庭で自由に運動することになったので相撲を取るのも自由である。
そんなわけで、私とケイラムは無言のまま土俵の外側で睨み合っていた。もちろんこの大一番を見逃せないと、クラスメートたちは周囲に陣取っている。
なにせこれは男女の代表戦でもあるのだからややこしい。女の子も男の子も別にいがみ合っているわけじゃなく普段は仲がいい。しかしこと相撲になると話は別だ。
これはきっとケイラムがやたらと私にからんでくるせいだと思っている。好きなら好きと言えばいいのに否定するもんだから余計にこじれてしまう。
実は女の子たちの間では一つのうわさが話題になっていた。それはこの勝負にかけるケイラムの覚悟についてだ。
どうやらケイラムはこの勝負に勝って私に告白するつもりらしいと男子の間で噂になっている。それはなかば公然の事実として女子まで漏れ聞こえていた。
だけど私はそんなことに興味はない。そもそも前世と言っていいかわからないけど、高校生になってもまだ恋愛には興味がなかったからである。
初恋らしきものはもちろんあったけど、月並みに? 中学のころの教育実習の先生に憧れるというやつで、よくあるテンプレ的なアレだ。
ここで急に思い出したけど、帰り際にあいさつする振りをしてその大学生の背中にバカって書いた紙を張り付けたことがあった! これはまるで泥団子投げと一緒じゃないか。
思わず思い出し笑いをすると、クラリアは驚いたようにこちらを覗き込む。
「アキナちゃんどうしたの!? 急に笑い出すなんて驚かさないでよね?」
「ごめんごめん、ちょっと思い出し笑いしちゃっただけだから気にしないでー」
どうやら私よりもよっぽど緊張している様子で、大きな深呼吸をする様子がかわいらしい。それでも緊張は解け無いようで、私の一挙手一投足に敏感な反応をしてしまっていた。
「もう、クラリアったらなんでそんなに緊張するの? 勝負するのはウチなんだから気楽にしてればいいんだよ? まさかあの噂を真に受けてるわけ? どうせ勝っても負けても何も変わらないって」
「でも勝手に緊張しちゃうんだからしょうがないじゃないの。逆になんでアキナちゃんは平気なのかわかんないよ。だって告白だよ!?」
「そっち!? それが一番どうでもいいよ…… ウチは勝負だけしか考えてないし、もちろん勝つとしか思ってないからね」
そこへクリスもやってきて興奮気味にくっついてくる。どうもクリスは取組でぶつかり合ったせいなのか急激に距離がちぢまり、今ではすっかり仲良しだ。
だけどちょっと距離が近すぎて戸惑うことも多い。女子同士のスキンシップが好きな子は確かに少なくないんだけど、ここまでべたべただとこっちが恥ずかしくなってしまう。
こうして私たちがキャピキャピとたわむれている間に準備が整ったようだ。体格差もある男女の勝負なので、普通ならただのじゃれ合いとなるだけでそれほど盛り上がらない。
だが私とケイラムの取組となれば話は別だ。同学年の誰もがその因縁? を知っている。
とは言え、因縁だと考えているのは私以外の全員で、私は正直言ってただめんどくさいやつくらいにしか思っていない。
そんな取組が迫る中、丁度いいところにクリスがやって来たのでまわしをきつく締めるのを手伝ってもらうと、いい感じに気合いが高まってくる。
しかも私にとっては最高に力が発揮できる三月の日の翌日。負ける要素がないどころか、正直言ってインチキと思えなくもない。
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