聖女は良い子と呼ばれたくない! ~社会からはみ出した夜遊び少女のゆるり異世界生活~

釈 余白(しやく)

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第二章:聖女はとうとう聖女になる

14.聖女たちの女子雑談(ガールズトーク)

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 どうやら窓際で表を見ながら話していた私とフロラの声は下の階まで響いていたらしく、特に笑い声は相当の迷惑になっていたようだ。

 ちなみに真下は学習部屋で、さっきの時間は休憩時間を使って自習をしていた神官見習いたちがいたとこのこだった。

「実はアキナさまの側仕えになれなかった子たちの嫉妬しっとがすごいんですよ? そういう見習いたちが私たちの仕事にとって代わってやるって努力してて、下の学習部屋にはそんなのがゴロゴロしてるんです」

「絶対ムリだって。あの統括が理由もなく業務の入れ替えなんてするはずないもん。少なくともアタシみたいな優秀な神官は安泰に決まってるよ」

「アンタだってまだ見習いじゃないの…… それに座学だってできないと神官にはあがれないんだからね? 入れ替えがあるとすれば私かもしれない……」

「なんで!? ウチは最初に来たのがリヤンだから辞めないで欲しいし、三人ともずうっと一緒だって思ってたのに! やだよ、辞めないで!」

「えーリヤンってばそんな早く結婚するつもりなの? あの仲いい男の子だって同い年でしょ? まだ一人前になってないし、いくらなんでも早すぎじゃないの?」

「なっ、フロラってばなんでそんなおかしなこと言いだすの!? 結婚なんてまだまだ先の話に決まってるじゃないの! 私も来年には十八だからだよ」

「えー、十八になったら続けちゃダメならなんで選んだんだろうね。でもそんなのウチがルカ統括へ頼んで残ってもらえるようにするからダイジョブだよ」

 一応? 真剣な話をしていたと思っていた私だが、どうにもフロラの様子がおかしい。なんでそんなににやけて笑いをこらえているんだろう。

「ぷぷぷ、リヤンったら来年には自分が神官になれるって思っちゃってんの? 全然優等生でもないし、神力だってごく普通なんでしょ? 一発で合格するはずないからムダな心配だよ」

「そんなの受けてみないとわからないでしょ! だけどもし、もしも神官になれたらこういう仕事からは外されちゃうからさ。最初はきっと見習いの教育係だろうなぁ」

 神官の序列じょれつ組織そしきについては興味がないが、せっかく慣れていたリヤンがいなくなるのはさみしいし不安だ。

 でもフロラの言い方だと見習いから正規せいきの神官へは試験があって簡単でもないらしいからひとまずは安心?

 だが今の話の中にはもっと重要なことが出てきていた。

「ちょっとリヤン? ウチはそんなことよりも気になることがあるんだけど?」

「えっ? ああ、聞こえちゃってましたよね…… 実は私、ぜんぜん優等生じゃないんです。どちらかと言うと落ちこぼれに近くて、テストはいっつも下のほうなのにアキナさま付きに抜擢ばってきされたから嫉妬がすごくて……」

「いじめられてるならウチがなんとかしたげるよ? でもそこじゃないの! その仲のいい男の子ってとこだよ! なになに、彼氏? どうやって知り合ったの?」

「そこですか!? 小さい子に聞かせるような話では…… あっすいません、もとは違うってわかってるんですけどつい。いや、今のはフロラがからかってきただけでただの幼馴染ですよ。学校も同じだったから仲いいだけですー」

「でも休みの日には会いに行ったりしてるんでしょ? そうでもなきゃフロラが気にするなんてないだろうし。ねえねえどんな子なの? 二人になるときはどっかへ遊び行くんでしょ? どこでどういうことしてるの?」

「ちょ、随分食いついてきますね…… そんな特別なことはなくて普通です、普通。どちらかの家でおやつ食べたり、散歩へ行ったり、たまに演劇を見に行ったりとか」

「きゃー、青春って感じ! いいなぁ、ウチもいつかはそういう相手が見つかるといいけどー 何してる人なの? 街で働いてる子?」

「アキナさま、アキナさま、リヤンの彼って養蚕場ようさんじょうで働いてるんですよ? リヤンがいつも髪に巻いているのはそこで作ったチーフなんですから! キャー、うらやましー!」

「なんでフロラはそうやってなんでもバラしちゃうのよ! 恥ずかしいから言わないでよね! 違うんです、アキナさま、これはほかにちょうどいいものがないから使ってるだけで……」

 そうは言っても真実だと言うことは私に筒抜けなのだ。だがたとえ光の神力がなくても、彼女の顔色を見れば一発で分かることだった。

 それくらいリアンは表情に出てしまうようで、顔は真っ赤どころか耳まできれいな紅色で染まっている。正直言ってうらやましいくらいにかわいらしい。

 だが私はその程度では満足せずさらなる追求を続けた。もちろんフロラも調子に乗って、あることないこと次から次へと話し続けている。

 しまいにはおやつがなかったとしてもおなかがいっぱいになるほどごちそうになり、大満足しながら昼寝をするのだった。
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