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第4章

第16話、◆セックスをするわよ①◆

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 それは本当に、唐突な宣言であった。

「ユウト、今晩セックスをするわよ! 」

 青空の下、昼間っから明朗にエッチな事を言っているのは、黒を基調としたゴスロリ服に袖を通し頭にちょこんと王冠を乗せた色白美少女アズである。
 アズはこの間俺がリアさんとも最後までしちゃったのを知ったはずなんだけど、数日経った今になって思い出したかのように憤慨している。恐らく一人だけ除け者にされていると感じての発言なんだろうけど——

 そんなこんなでその日の夜、俺は暗い夜道を歩きみんなが宿泊している所とは別の宿に来ていた。そこで事前に聞かされていた部屋番号の前まで行くと、その部屋の扉をノックする。

「開いてるわよ」

 中からいつもの調子でアズ声が聞こえた。
 そのため『失礼します』と言いながらドアノブを回し中を覗くと、アズが可愛らしい寝間着姿で部屋の中央に陣取るようにして仁王立ちをしていた。

「さぁ、煮るなり焼くなり好きにするが良いわ! 」

 そんな台詞を吐きながら瞳を輝かせているアズさん。どうやらワクワクしているみたいですけど、アズは真琴達と違って戦闘中に合体をしていないため未開発状態である。それに一生に一度、最初で最期の初体験だから、優しくリードしようと思います。

「とにかく離れていたらなにも出来ないから、そっちに行くね」

「断るわ」

「えっ!? 」

 どゆこと? と思っていると、アズが俺の懐に飛び込んできた。
 あぁ、そういう意味だったんですね。しかしいつも通りと言えばそうなんだけど、今からセックスする気満々な状態の時に抱きつかれると、いつも以上にドキリとしてしまう。

「アズ、ゆっくり進めていくから、無理だと感じたらすぐに言ってね」

「わかったわ」

 俺はこんな風にはたから見たら冷静に話しているわけなんだけど、実は興奮を抑えるので必死だったりする。
 だってこの柔らかな甘い香りが、すぐ胸元からしていて、更にアズは実年齢はすんごいいっているようだけど、見た目と中身が本当に幼く感じるため、今からあどけない少女にいけない事をするような背徳的は感情があったりするからだ。
 いや、考えたら人間になってから数日しか経っていないから、アズの肉体は本当の意味で幼い……。

 とにかく、リードすると決めたからには、真琴やリアさんの時のように暴走しないようにしないと、である。
 アズをお姫様抱っこしてベットまで運ぶと、そのまま下へ降ろす形でベットの上に腰掛ける。
 アズ、やっぱり小さくて軽いな。でも攻撃力はその見た目とは違って、凶悪なぐらいあるんだよね。
 そんなアズはこちらを見上げながら、純粋無垢な表情で小首を傾げている。その可愛らしい姿をみてると、本当にこれから俺が悪戯をするような気がしてきてしまう。

 ええぃ、これからの事は本人も承諾している事なんだ! 俺が躊躇してどうする!
 俺が一人百面相をしている間、暇を持て余しているアズは俯きながらも伺うようにしてこちらを見つめている。
 よし、始めるぞ!
 俺は意を決すると唇を寄せる。そしてそっと目を閉じたアズの柔らかな唇に、俺の唇が重なり合う。

「ちゅっ、くちゅっ」

 互いに力を抜いた柔らかな唇を触れ合わせ、感触を感じたのちにハムハムに移行する。
 アズもきっとキスが好きだよね、とか思いながらも思考を働かせる。そう、俺は今晩のためについさっきまで試行錯誤を繰り返していた。
 そしてこれからその計画通りに進める事によって、処女であるけど初めてのエッチで満足して貰うんだ!

 まずは下唇を咥えて左右にスイングする事により、ハムハムをより一層楽しんで貰う。そして口内に舌を侵入させると、絡める事なくアズの舌の上に自身の舌を乗せるように移動させ、アズの上顎のところをチロチロ。そこからやっと舌を絡ませていく、んだけど——
 なんだかんだで緊張しているのかな?
 アズの舌先に力が入っているため、うまく互いの舌が絡み合わない。

「アズ、舌先の方も、唇みたいに力を抜いてみて」

「うん」

 そこからはアズの舌が柔らかくなり、まるで互いの舌同士がべっとり引っ付いたかのような濃厚なディープキスが始まる。
 ねちゃねちゃぺちゃりと絡み合う感触が、音が、俺たちの感度を少しずつ押し上げていく。
 キスはそろそろいいかな?

 舌を抜き取ると、唇にハムハムチュッチュッと軽めのキスをしてから一旦アズの唇から完全に離れる。と思わせて一回ほっぺにキス。
 それを皮切りに浮き立つような白さの首筋にキスをすると、綺麗な首筋に濡らした舌先を這わしそこから少しづつ耳へと近づけていく。

 女性は男性と比べて五感が敏感らしい。さらに言うなら男性は多くの興奮が視覚から来るものらしいけど、女性は全ての感覚を使ってエッチを味わっているらしい。
 だからやりようによっては聴覚だけで犯す事も出来るとか。まぁー経験不足の俺ではそこまでは到底無理だけど、ただより感じて貰うために耳責めをしない手はない。
 両腕でアズの細い身体をガッチリ抱き締め密着して自由を奪うと、まずは耳朶みみたぶ、フチ、軟骨の部分に舌先をゆっくりねっとり這わせていく事に。

 ◆

 ユウトにギュッと抱きしめられている私は、ただそれだけでドキドキしてしまっていた。
 それに辺りは静寂に包まれてもいる。
 だから私はユウトの一つ一つの動きを、音を、余す事なく拾い上げ感じ取ってしまい、呼吸が苦しくなるほどゾクゾクしてしまっていた。

 呼吸音が近づいてくる。
 さっきから私をゾクゾクさせっぱなしのユウトの舌が、私の耳元にまで這い上がって来たのだ。
 今まで分からなかったけど、耳のすぐ近くまで来たことにより、舌が動くたびに音が鳴っている事に気付く。
 これって……。

 舐められる感触も気持ちよくて身体の奥底から何かが湧き上がる感覚がしているのに、音はそれとは別で違った角度から攻めて来ている?
 ただ音が鳴っているだけなのに、耳と頭の中を直接震わせるほどの強烈な快感が走り抜けている。しかもその快感は頭の中から拡散。首筋と背中を通り全身の隅々にまで広がっていくため、その快感によって身体の至る所が震えるようにピクピク動いてしまっている。

 ユウトの濡れた舌先が耳の周りを這うたびに鳴るヌチョヌチョ音。ユウトが息継ぎのためなのか少しだけ離れた時にユウトの口内から聞こえるンチェッって言うその唾液の音に、時折囁くようにあ~んと漏れるその声と、唇で私の耳に吸い付くチュッというリップ音。
 その全ての音が心地よくて、終始頭の中と身体が痺れさせられっぱなしである。

 我慢しなければ——
 しかし私はいつしか吐息を漏らし、呼吸間隔が狭まってしまっている。
 そこでユウトの舌が、私の耳の中に侵入してきた。
 入り口付近でニチャニチャ動いて、私の頭の中をくちゃくちゃにかき乱す舌。その舌が更に穴の中まで伸びる。

 そこからはまさに怒涛の攻めであった。
 唾液まみれの舌を搔き回しながらピストン、かと思っていたら吐息をかけられてまた舐められる。
 思考が快感以外なにも感じられなくなっている時、突然ピリッとした今までとは異質な刺激を感じとる。
 これはわたしの耳を甘噛みしているのだ。
 耳たぶに対しては軽く上下の歯で挟んで、軟骨が入り組んでいる上の辺りは軽く歯を当てるようにして。
 抑えようとしているのに、ユウトの腕の中でビクンッとまた身体を震わせてしまう。
 そして耳を攻められている最中、不意に寝間着の上から私のおっぱいにユウトの手が触れてきた。
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