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44話 金髪、笑う☆
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【若井蒼汰視点】
最初は、ぼんやりとした幽霊みたいなじいさんというイメージだった。
ただ、歩き方含めなんか気品と言うか静かなのに重厚と言うか、オーラがある感じがして、気にはなった。
オーナーは有能な人だ。ここに連れてくるのだからそれなりの人なのだろう。
あと、めっちゃオーナーがニコニコしてるから、良い人なのは分かる。
というか、あのニコニコ顔、誰かの話してた時に……誰だっけ?
そんな事を考えているうちに俺のところまでやってくる。
「おーい、若井君」
「はい、ここに。それで、どなたです、この方? お客様?」
「違う違う。この人、ウチで採用しようかと思って」
採用。この爺さんを? そこで気付いた。
そう言えば、オーナーがずっと言ってたカフェの店員。白髪で……
「ん? 白髪? この感じ? もしかして、福家さん?」
「そう!」
「ああ、あんたが噂の!」
「うわさの?」
「いやあ、オーナーがことある毎にあんたをひきあびっ……」
いてえ! オーナーが肘撃ちを喰らわせてきた。
「ちょっと! オーナー!」
「若井~、あんた余計な事言ったらどうなるか分かってるよね~」
「へいへい、黙りまーす」
なんで余計な事? ああ、好きだって事は本人に伝えてないのか。乙女かよ!
オーナーに好きな人がいて、その男の話は良く聞いてた。いや、聞かされていた。
しかも、まっっっっっっったく進展のない話を!
ただ、想像とは違って、すごくうっすらした感じの人だった。大丈夫か?
だけど、この人は俺の今の【GARDEN】での立ち位置を一瞬で見抜いた。
観察力はあるみたいだ。
そして、
「あー、まあ、あの、結構コンセプトカフェと喫茶店って違うと思うんで、その辺に苦労するかもですけど、一先ず頑張ってみましょうか」
「はい、よろしくお願いいたします」
礼を見てビビった。いや、礼を見てビビるってなんだよって話だけど、ビビった。
言うなれば、日舞か? 意識が凝縮された動き。美しくゆっくりと。
見惚れてしまった。
「おおぅ……なるほど」
「ね? この人のリズムが既にこれなのよ」
「確かに。ある意味日本人離れっすね」
今はなんでもスピードの時代だ。そして、早ければ多少のノイズを気にしない。
だが、この人は全くノイズのない動きをやっている。自分のゆったりとしたペースで。
当然だが、俺もオーナーも割とせかせかしてる。
けど、この人の周りだけ空気が違う気がする。
この人は……
その後もビビった。珈琲を作ってるところ見た。
本当に無駄がない。
全ての工程で最適を選び続けている。
言わば、職人だ。
オーナーが好きになるのも分かる。凄すぎる。
っていうか、オーナーが福家さん好きすぎて面白い。
動揺するオーナーにどうしたらいいか分からない福家さんも面白い。
とにかく面白過ぎる。
俺は、人生で初めてと言っていいくらいこの出会いに、そして、福家さんに執事喫茶を教えることにメチャクチャワクワクしていた。
結論。福家は化け物。以上。
教えたことを完璧にやるし、それ以上を目指すし。
カップの飲み物ってそんなに揺れないもんだっけっていう位揺れないし、珈琲うめえし、料理うめえし、気遣いできるし、聞き上手だし、研修でちょっと関わっただけでファンになったお嬢様だっているし。
ただ、一点。欲を言えば、福家さん自身に、欲がなかった。
だから、誰かに何かを求めたりしない。全部自分のやれるところまでやり、あとは諦める。
誰かさんと同じだった。
「どう? 白銀は?」
「いや、凄過ぎでしょ」
その日、俺はオーナーに呼び出された。福家さん、改め、白銀の研修についてだった。
「仲良くなれそう?」
「ん? ああ、勿論……」
あんないいひと仲良くなれないわけがない。
穏やかで聞き上手で、周りが良く見えていて、
「どうっすかね」
なのに、俺は気付けばそんなことを言っていた。
「どういうこと?」
オーナーに聞き返されてハッとする俺は何を言っているんだ?
余計な事なんて言わなくていいだろ。やるべきことを完璧にやる。
それが、正しい、はず、なのに……
「欲がなくてつまんないってところはあるかもしれないっすね」
言ってしまった。余計な事を。
けれど、オーナーはにやりと笑って、
「昔の誰かさんに似てるね」
この人はこういうことを言う……。
オーナーは基本不器用だ。有能ではあるけど、それは滅茶苦茶努力してるからであって、センスというかそういうのはあまりないように思う。好きな人に対しても不器用だし。
けれど、人の本質を見抜くのが凄い。
なんというか歪みとかそういうのを見つけるのがうまいんだと思う。
「ですかね?」
「だよだよ。だからさ、仲良くしてあげて、君が。そして、二人でもっともっとここを素敵な場所にして」
本当に、うまい。
俺は教育係というポジションに満足していた。
蒼樹みたいな慕ってくれる後輩がいるのは嬉しいし、自分の力で成長させていく喜びも凄く感じてる。
けれど、俺は?
俺は、自分の成長を諦めてなかったか?
白銀は、あんなに出来るのに。俺はここで満足してしまうのか。そう心の中に問いかける自分がいた。
オーナーも求めている。もっともっと俺が成長することを、白銀が変わることを。
なら、
「了解です。もっともっと凄い店にしてみせますよ、俺達で」
「ウチの金と銀。期待してるから」
ニヤリと笑いながらオーナーは俺を挑発する。上等だ。
「任せてください。けど、これ以上白銀モテても知りませんよ」
「えぇえええええええ!?」
俺はニヤリと笑い返してオーナーを挑発してやった。
けど、嘘はない。アイツ、絶対モテるよ。
その日から俺は、アイツ、白銀をライバルとして、全てを吸収してやろうと近づいた。
そしたら、思った以上に、白銀も、不器用で、古くて、自分に自信がないヤツだった。
分かれば分かるほど面白い人間だった。
俺は演技なしの百パーの笑顔を気付けばしていた。
「無自覚チートじいさん、面白過ぎるだろ」
本当に面白過ぎた。
初めてのお嬢様、未夜お嬢様にアドバイスされた上でアドバイスし返したり、
ハイレベル美女たちに慕われていたり、
朝日お嬢様に勇気を持たせたり、簡単に人をぶん投げたり、
執事たちの意識をひとステージ上に引き上げたり、
T大出てたり、武道で段持ちだったり、金めっちゃ持ってたり、ダンスも出来て、英語もフランス語も喋れたり、
笑うしかない。
俺の前には白銀がいる。
俺が『まだ出来ていない』ことを出来る白銀がいる。
俺の可能性はまだまだまだ無限に広がっていた。
笑うしかない。
最高の目標であり、ライバルだ。
けど、
「しかしまあ、あの色、地毛だったか。結構派手な色で大変だろうなあ」
「千金楽さんと同じですよね?」
「……なんで分かった?」
「勘です。まあ、節々の行動とかでなんとなく。瞳も多分違いますよね」
「カラコン」
「からこん」
「辛いこんにゃくじゃないですよ、おじいちゃん」
「それくらいは分かります」
「カラーコンタクト。色付きのコンタクトレンズだな。まあ、俺の学生時代はもっとこういうのに理解なかったし……あと」
「あと?」
「……モテすぎて困るから」
「そうでしたか」
「見たい?」
「いえ、別に」
俺を分かってくれる親友だ。
親友と言ったことはない。言ったらなんか調子乗りそうだし。
白銀の前では遠慮なく言いたいことを言っている。
コイツは変な嫉妬しない。まあ、能力ありまくりだからっていうのもあるけど、偏見で物を見ない。
『蒼汰って、美形のハーフで勉強も運動も出来るってズルいよな』
そんなことを言わない。
何で出来るのか、どうやったら自分にそういう事が出来るようになるのか、そんなことばっかり考えていそうだ。
『蒼はいいよな。恵まれてて。分かんないだろうな、努力する人間の気持ちなんて』
分からない、お前程度の努力で、他人を嫉妬するような、居場所を追い出すような人間の気持ちなんて。
他人を蹴落とす暇ないくらいずっと努力して何かを成し遂げることしか考えていない人間の方が、白銀の方がよっぽど俺の事を分かってくれるだろう。
『俺は、蒼汰さんみたいになりたいんです!』
俺は、白銀みたいになりたい。
ただただ、自分に出来ることを静かにやり続けられるような人間に。
「On n'a qu'une vie. 出来ることを誠心誠意やるだけです」
白銀はそう呟いていた。
俺も。やるだけだ。
雨が降ろうと槍が降ろうと。
俺はもう負けない。
自分にも周りにもライバルにも。
手始めに、此処を、【GARDEN】をもっともっと良くして見せる。
金と銀。二人の執事を中心に。
もっともっと輝きを。
俺は、込み上がってくる笑いをこらえきれず、また銀の親友に窘められた。
最初は、ぼんやりとした幽霊みたいなじいさんというイメージだった。
ただ、歩き方含めなんか気品と言うか静かなのに重厚と言うか、オーラがある感じがして、気にはなった。
オーナーは有能な人だ。ここに連れてくるのだからそれなりの人なのだろう。
あと、めっちゃオーナーがニコニコしてるから、良い人なのは分かる。
というか、あのニコニコ顔、誰かの話してた時に……誰だっけ?
そんな事を考えているうちに俺のところまでやってくる。
「おーい、若井君」
「はい、ここに。それで、どなたです、この方? お客様?」
「違う違う。この人、ウチで採用しようかと思って」
採用。この爺さんを? そこで気付いた。
そう言えば、オーナーがずっと言ってたカフェの店員。白髪で……
「ん? 白髪? この感じ? もしかして、福家さん?」
「そう!」
「ああ、あんたが噂の!」
「うわさの?」
「いやあ、オーナーがことある毎にあんたをひきあびっ……」
いてえ! オーナーが肘撃ちを喰らわせてきた。
「ちょっと! オーナー!」
「若井~、あんた余計な事言ったらどうなるか分かってるよね~」
「へいへい、黙りまーす」
なんで余計な事? ああ、好きだって事は本人に伝えてないのか。乙女かよ!
オーナーに好きな人がいて、その男の話は良く聞いてた。いや、聞かされていた。
しかも、まっっっっっっったく進展のない話を!
ただ、想像とは違って、すごくうっすらした感じの人だった。大丈夫か?
だけど、この人は俺の今の【GARDEN】での立ち位置を一瞬で見抜いた。
観察力はあるみたいだ。
そして、
「あー、まあ、あの、結構コンセプトカフェと喫茶店って違うと思うんで、その辺に苦労するかもですけど、一先ず頑張ってみましょうか」
「はい、よろしくお願いいたします」
礼を見てビビった。いや、礼を見てビビるってなんだよって話だけど、ビビった。
言うなれば、日舞か? 意識が凝縮された動き。美しくゆっくりと。
見惚れてしまった。
「おおぅ……なるほど」
「ね? この人のリズムが既にこれなのよ」
「確かに。ある意味日本人離れっすね」
今はなんでもスピードの時代だ。そして、早ければ多少のノイズを気にしない。
だが、この人は全くノイズのない動きをやっている。自分のゆったりとしたペースで。
当然だが、俺もオーナーも割とせかせかしてる。
けど、この人の周りだけ空気が違う気がする。
この人は……
その後もビビった。珈琲を作ってるところ見た。
本当に無駄がない。
全ての工程で最適を選び続けている。
言わば、職人だ。
オーナーが好きになるのも分かる。凄すぎる。
っていうか、オーナーが福家さん好きすぎて面白い。
動揺するオーナーにどうしたらいいか分からない福家さんも面白い。
とにかく面白過ぎる。
俺は、人生で初めてと言っていいくらいこの出会いに、そして、福家さんに執事喫茶を教えることにメチャクチャワクワクしていた。
結論。福家は化け物。以上。
教えたことを完璧にやるし、それ以上を目指すし。
カップの飲み物ってそんなに揺れないもんだっけっていう位揺れないし、珈琲うめえし、料理うめえし、気遣いできるし、聞き上手だし、研修でちょっと関わっただけでファンになったお嬢様だっているし。
ただ、一点。欲を言えば、福家さん自身に、欲がなかった。
だから、誰かに何かを求めたりしない。全部自分のやれるところまでやり、あとは諦める。
誰かさんと同じだった。
「どう? 白銀は?」
「いや、凄過ぎでしょ」
その日、俺はオーナーに呼び出された。福家さん、改め、白銀の研修についてだった。
「仲良くなれそう?」
「ん? ああ、勿論……」
あんないいひと仲良くなれないわけがない。
穏やかで聞き上手で、周りが良く見えていて、
「どうっすかね」
なのに、俺は気付けばそんなことを言っていた。
「どういうこと?」
オーナーに聞き返されてハッとする俺は何を言っているんだ?
余計な事なんて言わなくていいだろ。やるべきことを完璧にやる。
それが、正しい、はず、なのに……
「欲がなくてつまんないってところはあるかもしれないっすね」
言ってしまった。余計な事を。
けれど、オーナーはにやりと笑って、
「昔の誰かさんに似てるね」
この人はこういうことを言う……。
オーナーは基本不器用だ。有能ではあるけど、それは滅茶苦茶努力してるからであって、センスというかそういうのはあまりないように思う。好きな人に対しても不器用だし。
けれど、人の本質を見抜くのが凄い。
なんというか歪みとかそういうのを見つけるのがうまいんだと思う。
「ですかね?」
「だよだよ。だからさ、仲良くしてあげて、君が。そして、二人でもっともっとここを素敵な場所にして」
本当に、うまい。
俺は教育係というポジションに満足していた。
蒼樹みたいな慕ってくれる後輩がいるのは嬉しいし、自分の力で成長させていく喜びも凄く感じてる。
けれど、俺は?
俺は、自分の成長を諦めてなかったか?
白銀は、あんなに出来るのに。俺はここで満足してしまうのか。そう心の中に問いかける自分がいた。
オーナーも求めている。もっともっと俺が成長することを、白銀が変わることを。
なら、
「了解です。もっともっと凄い店にしてみせますよ、俺達で」
「ウチの金と銀。期待してるから」
ニヤリと笑いながらオーナーは俺を挑発する。上等だ。
「任せてください。けど、これ以上白銀モテても知りませんよ」
「えぇえええええええ!?」
俺はニヤリと笑い返してオーナーを挑発してやった。
けど、嘘はない。アイツ、絶対モテるよ。
その日から俺は、アイツ、白銀をライバルとして、全てを吸収してやろうと近づいた。
そしたら、思った以上に、白銀も、不器用で、古くて、自分に自信がないヤツだった。
分かれば分かるほど面白い人間だった。
俺は演技なしの百パーの笑顔を気付けばしていた。
「無自覚チートじいさん、面白過ぎるだろ」
本当に面白過ぎた。
初めてのお嬢様、未夜お嬢様にアドバイスされた上でアドバイスし返したり、
ハイレベル美女たちに慕われていたり、
朝日お嬢様に勇気を持たせたり、簡単に人をぶん投げたり、
執事たちの意識をひとステージ上に引き上げたり、
T大出てたり、武道で段持ちだったり、金めっちゃ持ってたり、ダンスも出来て、英語もフランス語も喋れたり、
笑うしかない。
俺の前には白銀がいる。
俺が『まだ出来ていない』ことを出来る白銀がいる。
俺の可能性はまだまだまだ無限に広がっていた。
笑うしかない。
最高の目標であり、ライバルだ。
けど、
「しかしまあ、あの色、地毛だったか。結構派手な色で大変だろうなあ」
「千金楽さんと同じですよね?」
「……なんで分かった?」
「勘です。まあ、節々の行動とかでなんとなく。瞳も多分違いますよね」
「カラコン」
「からこん」
「辛いこんにゃくじゃないですよ、おじいちゃん」
「それくらいは分かります」
「カラーコンタクト。色付きのコンタクトレンズだな。まあ、俺の学生時代はもっとこういうのに理解なかったし……あと」
「あと?」
「……モテすぎて困るから」
「そうでしたか」
「見たい?」
「いえ、別に」
俺を分かってくれる親友だ。
親友と言ったことはない。言ったらなんか調子乗りそうだし。
白銀の前では遠慮なく言いたいことを言っている。
コイツは変な嫉妬しない。まあ、能力ありまくりだからっていうのもあるけど、偏見で物を見ない。
『蒼汰って、美形のハーフで勉強も運動も出来るってズルいよな』
そんなことを言わない。
何で出来るのか、どうやったら自分にそういう事が出来るようになるのか、そんなことばっかり考えていそうだ。
『蒼はいいよな。恵まれてて。分かんないだろうな、努力する人間の気持ちなんて』
分からない、お前程度の努力で、他人を嫉妬するような、居場所を追い出すような人間の気持ちなんて。
他人を蹴落とす暇ないくらいずっと努力して何かを成し遂げることしか考えていない人間の方が、白銀の方がよっぽど俺の事を分かってくれるだろう。
『俺は、蒼汰さんみたいになりたいんです!』
俺は、白銀みたいになりたい。
ただただ、自分に出来ることを静かにやり続けられるような人間に。
「On n'a qu'une vie. 出来ることを誠心誠意やるだけです」
白銀はそう呟いていた。
俺も。やるだけだ。
雨が降ろうと槍が降ろうと。
俺はもう負けない。
自分にも周りにもライバルにも。
手始めに、此処を、【GARDEN】をもっともっと良くして見せる。
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