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58. 爵位授与式

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 結局、俺達と権蔵爺さんは、王城の王様の元に行く事にする。
 アマンダさんは、新調した家紋入りのビキニアーマーを装着してね。

 ビキニアーマーで、王様に謁見して良いか疑問だけど、俺達は一応、冒険者だから良いだろう。一応、家紋も入ってるし。

 まあ、そんな俺達は、王様に何度か会った事があるから大丈夫だけど、リーナは、突然、王様に謁見する事となって、カチンコチンに緊張してしまっている。
 無理も無い。つい最近というか、昨日まで、カスタネット準男爵領から出た事が無かったのだ。

 それなのに、この国で一番偉い王様と謁見なんて、普通考えられない事だしね。

「お兄ちゃん、私、大丈夫かな? やっぱり、私、付いて行かない方がいいんじゃないかな?」

 リーナが、涙目で俺に聞いてくる。

「大丈夫だ! 王様が何か、リーナに酷い事言ったら、お兄ちゃんがぶっとばしてやるからな!」

「お兄ちゃん~」

 リーナに頼られて、とても嬉しくなってしまう。
 俺は、可愛い妹の為なら、王様にだって喧嘩を売る覚悟があるのだ。

「あの~私のお父さんは、子供に酷いこと言いませんから。それにリーナちゃんは、将来、私の妹になるので、私が責任持って、リーナちゃんを守ります!」

 なんか、最近、益々しっかりして来て、姉のクレア姫に似てきたサクラ姫が言う。

「本当? サクラお姉ちゃん?」

「私が、リーナちゃんの姉として、しかっかり守りますから!
 例え、お父さんであっても、リーナちゃんを虐める人は、許しません!」

 結局、サクラ姫も、王様を許さないんじゃねーかよ!
 まあ、王様が、本当にリーナを虐める訳ないのだけどね。

 そんでもって、王様に謁見すると、つつがなく、権蔵爺さんと、ナナミさんへの爵位授与が行われる。

 どうやら、権蔵爺さんは男爵に。ナナミさんは準男爵を授与されるようだ。
 そして、権蔵爺さんが男爵になるにあたり、貧民街で武器屋をやってるのは、流石に貴族として体裁が悪いという事で、王都の一等地に土地を貰える事となった。

「よーし! 早速、建設じゃ!」

「うん。腕が鳴る」

 なんか、それを聞いた、権蔵爺さんとナナミさんがヤル気に燃えている。
 どうやら、建築とか物作りに、種族的に燃えてしまう所が有るのだろう。

 多分、ドワーフという種族は、物作りだけさせておけば、平和な種族なのかもしれない。
 早速、権蔵爺さんとナナミさんは、新たな権蔵さんのお店の建築に必要な資材の調達に行っちゃったし。
 本当に、あの親子じゃなくて、爺さんと孫は自由過ぎる。

「で、そちが、トトの妹のリーナか?」

 権蔵爺さんとナナミさんの爵位授与式が終わると、側近から、既にリーナの存在を知らされていた王様が、リーナに言葉をかける。

「はい……」

 リーナは、オドオドしながらも、緊張気味に答える。

「あの! お父さん!私の可愛い妹のリーナちゃんを虐めたら、どうなるか分かってるよね!」

 まだ、王様は、何も虐めるような事を行ってないのに、サクラ姫が牽制をかける。
 どんだけ、リーナ好きだよ。

「ええと……儂、ただサクラと仲良くしてやってなと、言おうとしただけなんじゃが……」

 王様も、サクラ姫に、思いがけず怒られちゃったので、オロオロしながら答える。
 こっちも、どんだけ娘バカなのだろう。
 王様の威厳が、全く無くなってしまってるし。

「はい! 仲良くして貰ってます!」

 王様の言葉を聞いて、リーナが元気に返事をする。
 まあ、これは俺が王様に、ガツンと言わなくても良くなったな。

「うむ! そうか! サクラに同年代の友達が出来て、儂は嬉しいぞ!」

 本当に、この国の王様は、お人好し過ぎる。
 まあ、悪い王様より良いのだけどね。

 そんなこんなで、無事、俺達は権蔵爺さんとナナミさんの爵位授式を終えて、権蔵爺さんに与えられた土地を見に行ったり、途中だった王都の観光をしたりした後、パーティーハウスに帰って来たのであった。

「お兄ちゃん、本当に楽しかったし、それから物凄く緊張したよ!」

 パーティーハウスに帰って来たリーナは、余っ程、疲れてしまったのか、パーティーハウスに着くやいなや、リビングのソファーでぐったりしてしている。

「今日も泊まって行くか?」

 昨日、黙って、リーナをパーティーハウスに連れて来てしまったが、継母が知ってるから大丈夫だと思い、俺はリーナに提案してみる。

「やったー!!」

 リーナは、大喜び。

「じゃあ、お風呂に入ってこいよ。俺は夕食の準備をしておくから」

「私、久しぶりに、お兄ちゃんとお風呂に入りたいよ!」

 突然、リーナが甘えてくる。
 確かに、俺が王都に来るまで、俺はリーナと一緒にお風呂に入っていた。
 2人ともお子様だったし。というか、8歳と13歳の兄妹なら、まだ2人ともお子様か……

「だったら、私も一緒に入る!」

 サクラ姫も参戦して来た。
 というか、サクラ姫はダメでしょ。
 兄妹じゃないし。

 それに、王様に知られたら、怒られそうだし。

「じゃあ、私も一緒に入ろうかな?」

 アマンダさんまで、参戦してきた。
 アマンダさんは、絶対にダメでしょ!
 俺の3本目の足が、反応してしまう。

 最近は、慣れてきて、普段は3本目の足は大人しくなってたのだけど、アマンダさんの裸なんかみたら、また、ビンビンになって、大変な事になってしまうのだ。

 最初は、何故、3本目の足がビンビンになって、毎回、オシッコ漏らしてしまうか分からなかったけど、騎士団のアルフレッドさんに相談したら教えてくれたのだ。
 それは、オシッコじゃなくて、成長した男子なら誰しも経験する生理現象だと。

 そして、また、アマンダさんと一緒にお風呂などに入ってしまったら、3本目の足がビンビンになってしまい、とても恥ずかしい事になってしまうのだ。

 妹に、ビンビンになってしまった、俺の3本目の足を見られたくないし、しかも、お風呂にミルクを発射してしまうかもしれないし、そんな事になったら、とても恥ずかし過ぎる。

「アマンダさんだけは、遠慮して下さい!」

 俺は、必死になってアマンダさんに、頭を下げる。
 申し訳ないが、アマンダさんだけは遠慮させて貰う。
 湯船に、ミルクなんか発射したら、その時点で兄としての威厳がなくなってしまうし!

 これ何? お兄ちゃん?とか、聞かれたら、どう説明すればいいか分かんないし。

 ミルク風呂だよ。と、答えればいいのか?

「えっ? 何で私だけ、仲間外れ?」

 アマンダさんが、1人だけ仲間外れにされてむくれている。

「それは、僕の下半身が耐えられなくなるからです。まだ子供のリーナやサクラ姫に、恥ずかし所を見られたくないので……」

 俺は、勇気を振り絞り、アマンダさんに説明する。
 本当は、アマンダさんと一緒にお風呂に入りたいのを我慢して。

「ふふふふふ……成程」

 全てを悟った、アマンダさんは含み笑いをして引いてくれた。
 きっと、アマンダさんは、俺と初めて会った時も、俺の下半身の状態が分かってたに違いない。

 ずっと、俺の事を見てたし。
 発射して、パンツとズボンが濡れてしまったのも、微笑ましく見ていたのだ。
 今、思うと、本当に恥ずかし過ぎる。

 まあ、それだけ俺がアマンダさんの事が大好きな、証拠なんだけど。

 そして、いつ日にか俺は、アマンダさんとも一緒にお風呂に入るのだ。
 それがいつになるのかは、分からないけど……きっと、結婚してから。

 その時は、堂々と、俺のありのままの姿を見せつけてやるのだ。

 俺の頼れる兄貴分のアルフレッドさんは、大人になって男女の営みをするようになったら、男の3本目の足はビンビンの方が、女の子は喜ぶと言ってたしね。

 ーーー

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