上 下
3 / 67
魔の森編

3. 森の精霊さん、スライムから卒業する。

しおりを挟む
 
 ホ〇ミじゃなくて、ハイミ?

 まさか、魔法じゃなくて、旨味調味料とかじゃないよね?

 俺は、取り敢えず、旨味調味料ハイミーの名前の似た、ハイミを調べてみる事にする。

 コマンドを操作し【じゅもん】【ハイミ】【調べる】の順で、ポチポチ押していくと、

【ハイミ、一人のHPを30~40程度回復させMPを2~3消費する】

 うん。ホ〇ミと一緒だね。
 俺の現在の最大HP20だから、ハイミで全回復しちゃうという事みたいである。

 そんな感じで、ガンガンスライムを倒してレベル上げしていたのだが、Lv.12になった時点で、スライムではレベルがまったく上がらなくなってしまった。

 因みにステータスはこんな感じ。

 ちから :  25
 すばやさ : 95
 たいりょく: 25
 かしこさ : 20
 うんのよさ : 7
 さいだいHP : 55
 さいだいMP : 65
 こうげき力 : 15
 しゅび力 : 15
 経験値は省略。

 結構強くなって、パンチでスライムを倒せるようになっている。
 攻撃を受けないのかって?

 俺のステータスをよく見てみ。
 そう、森の精霊さんは、すばやさ95もあり、スピードスターなのである。

 モハメド・アリのような、蝶のように舞い、蜂のように刺すを、地で行ってるのである。まあ、七色の羽根持ってるしね。

 そんな訳で、俺は、森の中を高速で飛び回っている。
 そして分かった事は、この森には、結構、高ランクの魔物が生息してる事。

 俺の縄張りの泉は、丁度、森の中心付近で、弱い魔物しかいなかったりする。
 森の端に行けば、端の方に行くほど強い魔物が徘徊してるようである。

 まあ、俺はまだ低レベル過ぎて、森の中心付近でしか活動出来ないのだけど。

 でもって、これからである。
 俺は、今日、ついにスライムから卒業する事にしたのだ。
 攻撃魔法を覚えてからと思ってたのだが、俺は、どうやら攻撃魔法を覚えられない気がしてきたのである。

 ハイミの後に覚えた魔法は、デトックス。どうやら解毒の魔法らしい。
 そんでもって、次に覚えたのが、ハハイミ。
 これは、ハイミの上位版。ドラ〇エで言えば、ベホ〇ミって所だと思う。

 もうそろそろ、メラとかギラとか覚えたいのだけど、感覚的に覚えそうな気がしないのだ。

 だって、俺って、森の精霊さんだから、とても聖なる存在のようなのだ。
 俺が、森の中心付近に居るから、森の凶悪な魔物が森の中心付近に近付いてこないみたいだし。

 まあ、俺って基本キラキラしてるし、特に羽根が。しかも、なんか金色の鱗粉みたいなのが体から出てるみたいで、それが森の植物にかかると、そりゃあもう、植物が良く育つのだ。

 俺の縄張り辺りに、美味しそうなフルーツとかがたくさん成ってたの、どうやら俺の鱗粉のせいみたい。
 蛾の鱗粉みたいに、痒くならなくて本当に良かった。

 まあ、それは置いといて、俺はついに、大人の階段を登るのである。

 ゴブリンとかいう人型の魔物を殺しちゃうのだ。

 ゴブリンは、俺の縄張りである泉から10キロ位の所に住んでいる。

 弱っちいから当然なんだけど、しかしながら、邪悪そうな顔をしてるゴブリンが、森の中心付近に暮らすのは辛そう。

 俺って、存在自体が聖なる存在だし。
 前世は、例え小汚い小太りのオッサンでも、この世界では、誰がなんと言おうと聖なる森の精霊さんなのである。

 実際、ゴブリンに俺が近付くと、ゴブリンは悲壮な顔をして逃げていくし。
 まるで、十字架を突き付けられた、バンパイアみたいに。

 よっぽど、聖なる存在が苦手なのであろう。

 まあ、そんな訳で、俺はゴブリンの生息地域まで、飛んで行く。

 トゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥルゥゥゥ……!!

【ゴブリンが2匹あらわれた! まだゴブリンは気付いてない】

 いた!
 ゴブリンは、本当に醜悪。上空に飛んでても臭い匂いが臭ってくるし。

 因みに、俺は無臭。
 毎日、泉で泳いてるし、勝手に体が、鱗粉で浄化されてるし。

 俺は、早速、ゴブリンに石を投げつける。
 最近では、コマンドを使って投げるより、普通に投擲した方が命中率が高いのだ。

 それに、コマンド使うと、強制的に相手モンスターのターンを受けないといけないので、時間の無駄だし。

 石に当たったゴブリンが、地上で、地団駄踏みながら怒っている。

 なんだか弱い者虐めの気もするが、しょうがない。
 だって、ゴブリン、鼻が曲がるほど臭いんだもん。

 俺は、これでもかと、ゴブリンに石を投げつける。
 怒ったゴブリンも、俺に向かって石を拾って投げてくるが、俺は空中に居るから当たらない。

 この世界には、重力ってものがあるのだよ。

 俺が投げた石は、重力の力も加わりスピードが早くなるが、ゴブリンが投げる石は、俺に全く届かないのである。
 まあ、ゴブリンが届かない位置から攻撃してるから当然なんだけど。

 そんな感じで、石を投げ続けたら、ゴブリンを倒す事に成功してしまった。

「ゴブリン弱ッ!そして、臭ッ!」

 しかしながら、やはり、ゴブリンはスライムより経験値が高かったようだ。
 俺は久しぶりにレベルが上がり、Lv.12から、Lv.13になったのだ。

 ーーー

 ここまで読んで下さり、ありがとうございます。

 今日は、森の精霊さんが、ゴブリンスレイヤーになったお話でした。
 面白かったら、ブックマーク押してくれると嬉しく思います。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

転生悪役令嬢は冒険者になればいいと気が付いた

恋愛 / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:237

鬼神転生記~勇者として異世界転移したのに、呆気なく死にました。~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:99pt お気に入り:10,139

(人間不信の悪態エルフ奴隷しか頼れない)追放後の悪役聖女に転生したので

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,371pt お気に入り:223

不本意な転生 ~自由で快適な生活を目指します~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:6,113pt お気に入り:3,653

鳥籠の中の道化師

BL / 連載中 24h.ポイント:142pt お気に入り:33

転生不憫令嬢は自重しない~愛を知らない令嬢の異世界生活

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:29,991pt お気に入り:1,859

ある公爵令嬢の生涯

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:1,966pt お気に入り:16,122

処理中です...