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守りの聖女と学園生活
学園入学 3
しおりを挟む先生からの挨拶とかが終わって教材が配られる。受け取る時にお礼を言うと、目の前の女の子の瞳がキラキラ輝いた。
何故だろう?
しっかりと結界術の応用で習得した保護魔法をかけておく。
申し訳ないのだけれど、前回の人生の教訓から、嫌がらせの際は教科書泥ぽちゃは序の口だと知っているので対策はしておきたかったのです。
まぁ、こちらの国ではそんなことないと思いますが、アルマリアの貴族って何故か教材はタダだと思っているようだったので念のため。
実際は、教会の上の人が「お前のために使う金などないというのに」とかぶつぶつ言っていたので多少汚れてもページが開く限りはそのままだった。
あの時の上官は、私を貴族に近づけたいのかそうでないのかわからなかった。教養は必要だとしながらもバカであってほしいと思っていたのでしょうか?流石に矛盾するとは思いますが。
初日は、顔合わせ程度。
さて帰ろうか、とオリヴィア義姉様から渡された鞄に教材を詰めると、「マーガレット!!」という声と共に扉が大きな音を立てて開いた。女子の「待ってくださいませ、ジェリー様ー」みたいな声も聞こえるけど何も聞こえないかのように私の前に跪き、手を差し出した。
「待ちきれなくて来てしまったよ、私の愛しい人。一緒に帰ろう」
そもそも帰る場所が一緒なのだけれど、なんだか嬉しくなってしまう。
ちなみにタウンハウスの離れの方にジェリーたちは滞在しています。なんか、一応令嬢になったので体面というものがあるのだそうで。
「はい、ジェリー」
その手を取ると、後ろから走って来た銀髪の女の子が「わたくしのジェリー様に何触れてるんですの泥棒猫!!」と叫んでジェリーに「私の婚約者に何か?」と瞬殺されていた。
「ごめんね。勘違い女は多少何かあろうとも消しておくべきだったかな?」
「簡単に手を汚さないでください」
リミッターをどこに置いて来たんだろう…?
1回目の人生かな。
「この世で最も尊い君のために命をかけられるならそこの彼女も光栄だろう?」
目が据わっていた。
ちなみに銀髪の彼女は歯をガタガタ言わせて震えている。
「あなたが何をやっても嫌いにはなりませんが、私はあなただけを思っている……それだけではいけませんか?」
そう尋ねると、頬を染めて「十分な殺し文句だよ」としっかりと私の目を見ながらそう言った。
「二人とも!!自分達の世界を作るのはプライベートのみで頼みたい!!」
「授業はもう終わっているのだからプライベートだろう?」
卒業するまでアロイスさんの胃が保つのか心配になってきた。わざとではないのです。すみません。
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