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第15章 光と影の距離
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週末・ショッピングモール前
「ノア~! お前、また時間ギリギリ!」
待ち合わせ場所に着いた律は、手を振って駆けてくる白銀の少年を迎えた。
「ごめんごめん。ちょっと寝坊してさ」
「寝坊って……お前、本当に不思議な奴だな。なんか、いつも夢の中にいるみたいな雰囲気してる」
「夢なら、君がいてくれてよかったよ」
「……な、何言ってんだよ」
律の顔が赤く染まる。
それを見たノアは、イタズラっぽく笑った。
⸻
カフェ・二人席
話題は自然と律の学校生活、兄とのことへと流れた。
「……兄貴ってさ、すげー変わってるっていうか、なんか人間っぽくないって昔から思ってた」
「宗一さん、そんな感じあるよね。でも、君も少し似てる。……本当のことを話すとき、ちょっとだけ黙る癖がある」
「……マジで?」
「うん。でも、そこがいいんだよ。君って……“嘘がつけない”人だから」
律はふいに視線を逸らす。
「なあ、ノア……俺、最近すげー変なんだ」
「変?」
「お前のことばっか考える。なんでこんな気持ちになるのか分かんなくて……でも、放っておけないんだ」
ノアはその言葉を、まるで宝物のように受け止めた。
けれど、彼の胸の奥には小さく、けれど深い痛みがあった。
「……僕も、同じ気持ちだよ」
だけどその“同じ”が、同じ未来を意味しないことを──
二人はまだ知らない。
⸻
同じころ・魔界・廃れた庭園
アルマは静かに、魔界の古びた庭園跡に足を踏み入れた。
そこに佇んでいたのは、長い黒髪と翡翠の瞳を持つ、華奢な青年──第五子・ミレイ。
「久しぶりね、兄さん。まさか人間界から戻ってくるなんて」
「……ミレイ。あの女(長女)に、俺をけしかけたのはお前か?」
「違うわ。私も追われてる側よ。でも、逃げるだけじゃ、私たちは何も守れない。──あなたもそう思って戻ってきたのでしょう?」
アルマは黙して頷いた。
ミレイは、魔界の中でも中立を貫いていた数少ない兄弟のひとり。
けれど、その姿には疲労と覚悟が滲んでいた。
「“彼”のこと、あなたが惹かれてるその人間のこと。長女はすでに気づいてるわ」
「……!」
「宗一を守りたいなら──戦う覚悟を決めなさい、アルマ」
⸻
夜・宗一の家・自室
アルマは帰宅後、静かに窓辺に立っていた。
その手には、ミレイから渡された一枚の“魔界の刻印紙”──これを使えば、正確に兄弟の居場所がわかる。
彼の胸に、宗一の声が浮かぶ。
「……よく分かんねぇけど、お前は誰かのために傷つくような奴に見える」
「そいつのこと、大事に思ってるんだろ?」
(……俺は、“守る”ためにここに来たはずだ)
だけど、守りたいものが、どんどん増えていく。
律も、宗一も、そして──あの弟・ノアまでも。
「ノア~! お前、また時間ギリギリ!」
待ち合わせ場所に着いた律は、手を振って駆けてくる白銀の少年を迎えた。
「ごめんごめん。ちょっと寝坊してさ」
「寝坊って……お前、本当に不思議な奴だな。なんか、いつも夢の中にいるみたいな雰囲気してる」
「夢なら、君がいてくれてよかったよ」
「……な、何言ってんだよ」
律の顔が赤く染まる。
それを見たノアは、イタズラっぽく笑った。
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カフェ・二人席
話題は自然と律の学校生活、兄とのことへと流れた。
「……兄貴ってさ、すげー変わってるっていうか、なんか人間っぽくないって昔から思ってた」
「宗一さん、そんな感じあるよね。でも、君も少し似てる。……本当のことを話すとき、ちょっとだけ黙る癖がある」
「……マジで?」
「うん。でも、そこがいいんだよ。君って……“嘘がつけない”人だから」
律はふいに視線を逸らす。
「なあ、ノア……俺、最近すげー変なんだ」
「変?」
「お前のことばっか考える。なんでこんな気持ちになるのか分かんなくて……でも、放っておけないんだ」
ノアはその言葉を、まるで宝物のように受け止めた。
けれど、彼の胸の奥には小さく、けれど深い痛みがあった。
「……僕も、同じ気持ちだよ」
だけどその“同じ”が、同じ未来を意味しないことを──
二人はまだ知らない。
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同じころ・魔界・廃れた庭園
アルマは静かに、魔界の古びた庭園跡に足を踏み入れた。
そこに佇んでいたのは、長い黒髪と翡翠の瞳を持つ、華奢な青年──第五子・ミレイ。
「久しぶりね、兄さん。まさか人間界から戻ってくるなんて」
「……ミレイ。あの女(長女)に、俺をけしかけたのはお前か?」
「違うわ。私も追われてる側よ。でも、逃げるだけじゃ、私たちは何も守れない。──あなたもそう思って戻ってきたのでしょう?」
アルマは黙して頷いた。
ミレイは、魔界の中でも中立を貫いていた数少ない兄弟のひとり。
けれど、その姿には疲労と覚悟が滲んでいた。
「“彼”のこと、あなたが惹かれてるその人間のこと。長女はすでに気づいてるわ」
「……!」
「宗一を守りたいなら──戦う覚悟を決めなさい、アルマ」
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夜・宗一の家・自室
アルマは帰宅後、静かに窓辺に立っていた。
その手には、ミレイから渡された一枚の“魔界の刻印紙”──これを使えば、正確に兄弟の居場所がわかる。
彼の胸に、宗一の声が浮かぶ。
「……よく分かんねぇけど、お前は誰かのために傷つくような奴に見える」
「そいつのこと、大事に思ってるんだろ?」
(……俺は、“守る”ためにここに来たはずだ)
だけど、守りたいものが、どんどん増えていく。
律も、宗一も、そして──あの弟・ノアまでも。
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