虐げられた皇女は父の愛人とその娘に復讐する

ましゅぺちーの

文字の大きさ
34 / 41
皇太子アルフレッド編

真実

しおりを挟む
アルフレッドは父親と同じ髪と目の色をしており、誰が見ても皇帝の子供だと分かる皇子だった。


しかし皇女シャーロットは皇后に瓜二つだった。


最初は皇帝もシャーロットが自分の子供じゃないなんて思っていなかった。


しかし、ある女が皇帝に接触したことでその考えが大きく変わることになる。


それが後に皇帝の愛妾となるキャサリンだ。


キャサリンは平民ではあったが美しい容姿を利用してそれなりに地位のある男を虜にし皇帝に近づいた。


彼女は皇后の座を狙っていた。


だからこそどんな手を使ってでも皇后フレアを蹴落とそうとしていた。


そして皇帝に嘘を吹き込んだのだ。


「皇女シャーロットは皇帝陛下の子供ではない。」


「皇后陛下は不貞をしていた。」


もちろん皇帝もそれを完全に信じたわけではなかった。


しかしキャサリンは自分が虜にした男たちを証人として皇后の不貞を証言させたのだ。


キャサリンが虜にしていた男はそれなりに地位の高い男で信憑性があった。


次第に皇帝は皇后フレアに疑いを持つようになる。


元々皇帝は自分に自信が無かった。


そしてフレアが貴族令嬢だった頃どれだけ令息たちに人気があったのかを知っていた。


だからこそ、フレアを信じられなかったのだ。


そして皇帝は多くの時間をキャサリンと過ごすようになり、フレアを冷遇した。


皇帝の中では皇女シャーロットは自分の子供ではない。


だからシャーロットをあそこまで毛嫌いしている。



(まぁ・・・シャーロットが皇帝の子供じゃないわけないんだがな。)


皇帝に同情の余地はない。


この男は長い間苦楽を共にした妻よりもポッと出の女を信用したのだ。



(私が・・・この男を地獄に堕とす・・・!)


私はずっと前からそう決めていた。


皇帝はきっと天国へは行けないだろう。


キャサリンとプリシラもだ。


実の父親を毒殺した私もそうかもしれない。


だけどこのままシャーロットを苦しめ続けるよりかはマシだ。


地獄に行く覚悟も既に出来ている。


私はゆっくりと深呼吸をしてから口を開いた。



「・・・父上、あなたはまさか本当にシャーロットが自身の子供ではないとお思いですか?」


私は目の前で弱っている皇帝に尋ねた。


「・・・あぁ、あいつはフレアと別の男との子供だろう。」


皇帝は憎らしげにそう言った。


どうやら本気でそんなことを思っているらしい。


「・・・最初にそう言われた時おかしいと思わなかったのですか?まさか父上はキャサリンの言ったことをそのまま鵜呑みにしたのですか?」


「・・・」


私の問いに父上は少しだけ黙り込んでから口を開いた。


「最初は私も信じなかった。・・・だが、証人がいたんだ。私の側近で信頼出来る男だった。その他にも高位貴族が何人も目撃している。」


(だからそれはキャサリンに骨抜きにされた奴らだろうが!)


私は心の中でそう思いながらも冷静に話した。


「・・・父上、不思議だと思いませんか?」


「何がだ?」


「それだけ目撃されているのなら何故王宮に勤めている侍女や侍従は誰一人皇后陛下の不貞についての噂話をしていなかったのでしょうか?」


「・・・!」


私のその言葉に皇帝はハッとなった。


「たまたま王宮に訪れた高位貴族が見ているのなら王宮勤めの侍女や侍従も必ず目撃しているはずです。しかし私の記憶では王宮で皇后陛下の不貞の噂が流れたことはありません。」


「・・・」


皇帝は完全に黙り込んだ。


王宮にいる侍女には噂好きな人間が多い。


「皇后の不貞」だなんてそんなビッグニュースを侍女たちが放っておくわけがない。


もし誰かが見ていたのなら確実に噂になっているだろう。


「・・・」


皇帝は先ほどと変わらず黙り込んでいる。





(このままこいつを地獄に堕としてやろう。)


私はそう決めて再び口を開いた―




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】あなたに従う必要がないのに、命令なんて聞くわけないでしょう。当然でしょう?

チカフジ ユキ
恋愛
伯爵令嬢のアメルは、公爵令嬢である従姉のリディアに使用人のように扱われていた。 そんなアメルは、様々な理由から十五の頃に海を挟んだ大国アーバント帝国へ留学する。 約一年後、リディアから離れ友人にも恵まれ日々を暮らしていたそこに、従姉が留学してくると知る。 しかし、アメルは以前とは違いリディアに対して毅然と立ち向かう。 もう、リディアに従う必要がどこにもなかったから。 リディアは知らなかった。 自分の立場が自国でどうなっているのかを。

【完結】妹に存在を奪われた令嬢は知らない 〜彼女が刺繍に託した「たすけて」に、彼が気付いてくれていたことを〜

桜野なつみ
恋愛
存在を消された伯爵家の長女・ビオラ。声を失った彼女が、唯一想いを託せたのは針と糸だった。 白いビオラの刺繍に縫い込まれた「たすけて」の影文字。 それを見つけたのは、彼女の母の刺繍に人生を変えられた青年だった──。 言葉を失った少女と、針の声を聴く男が紡ぐ、静かな愛の物語。

完結 女性に興味が無い侯爵様、私は自由に生きます

ヴァンドール
恋愛
私は絵を描いて暮らせるならそれだけで幸せ! そんな私に好都合な相手が。 女性に興味が無く仕事一筋で冷徹と噂の侯爵様との縁談が。 ただ面倒くさい従妹という令嬢がもれなく付いてきました。

両親に溺愛されて育った妹の顛末

葉柚
恋愛
皇太子妃になるためにと厳しく育てられた私、エミリアとは違い、本来私に与えられるはずだった両親からの愛までも注ぎ込まれて溺愛され育てられた妹のオフィーリア。 オフィーリアは両親からの過剰な愛を受けて愛らしく育ったが、過剰な愛を受けて育ったために次第に世界は自分のためにあると勘違いするようになってしまい……。 「お姉さまはずるいわ。皇太子妃になっていずれはこの国の妃になるのでしょう?」 「私も、この国の頂点に立つ女性になりたいわ。」 「ねえ、お姉さま。私の方が皇太子妃に相応しいと思うの。代わってくださらない?」 妹の要求は徐々にエスカレートしていき、最後には……。

溺愛されている妹の高慢な態度を注意したら、冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになりました。

木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナフィリアは、妹であるレフーナに辟易としていた。 両親に溺愛されて育ってきた彼女は、他者を見下すわがままな娘に育っており、その相手にラナフィリアは疲れ果てていたのだ。 ある時、レフーナは晩餐会にてとある令嬢のことを罵倒した。 そんな妹の高慢なる態度に限界を感じたラナフィリアは、レフーナを諫めることにした。 だが、レフーナはそれに激昂した。 彼女にとって、自分に従うだけだった姉からの反抗は許せないことだったのだ。 その結果、ラナフィリアは冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになった。 姉が不幸になるように、レフーナが両親に提言したからである。 しかし、ラナフィリアが嫁ぐことになった辺境伯ガルラントは、噂とは異なる人物だった。 戦士であるため、敵に対して冷血ではあるが、それ以外の人物に対して紳士的で誠実な人物だったのだ。 こうして、レフーナの目論見は外れ、ラナフェリアは辺境で穏やかな生活を送るのだった。

私をいじめていた女と一緒に異世界召喚されたけど、無能扱いされた私は実は“本物の聖女”でした。 

さら
恋愛
 私――ミリアは、クラスで地味で取り柄もない“都合のいい子”だった。  そんな私が、いじめの張本人だった美少女・沙羅と一緒に異世界へ召喚された。  王城で“聖女”として迎えられたのは彼女だけ。  私は「魔力が測定不能の無能」と言われ、冷たく追い出された。  ――でも、それは間違いだった。  辺境の村で出会った青年リオネルに助けられ、私は初めて自分の力を信じようと決意する。  やがて傷ついた人々を癒やすうちに、私の“無”と呼ばれた力が、誰にも真似できない“神の光”だと判明して――。  王都での再召喚、偽りの聖女との再会、かつての嘲笑が驚嘆に変わる瞬間。  無能と呼ばれた少女が、“本物の聖女”として世界を救う――優しさと再生のざまぁストーリー。  裏切りから始まる癒しの恋。  厳しくも温かい騎士リオネルとの出会いが、ミリアの運命を優しく変えていく。

完結 王子は貞操観念の無い妹君を溺愛してます

音爽(ネソウ)
恋愛
妹至上主義のシスコン王子、周囲に諌言されるが耳をを貸さない。 調子に乗る王女は王子に婚約者リリジュアについて大嘘を吹き込む。ほんの悪戯のつもりが王子は信じ込み婚約を破棄すると宣言する。 裏切ったおぼえがないと令嬢は反論した。しかし、その嘘を真実にしようと言い出す者が現れて「私と婚約してバカ王子を捨てないか?」 なんとその人物は隣国のフリードベル・インパジオ王太子だった。毒親にも見放されていたリリジュアはその提案に喜ぶ。だが王太子は我儘王女の想い人だった為に王女は激怒する。 後悔した王女は再び兄の婚約者へ戻すために画策するが肝心の兄テスタシモンが受け入れない。

氷の騎士と契約結婚したのですが、愛することはないと言われたので契約通り離縁します!

柚屋志宇
恋愛
「お前を愛することはない」 『氷の騎士』侯爵令息ライナスは、伯爵令嬢セルマに白い結婚を宣言した。 セルマは家同士の政略による契約結婚と割り切ってライナスの妻となり、二年後の離縁の日を待つ。 しかし結婚すると、最初は冷たかったライナスだが次第にセルマに好意的になる。 だがセルマは離縁の日が待ち遠しい。 ※小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。

処理中です...