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24.これは修羅場ですか? いえ、作戦会議です
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トリルと一緒に宿を出て、俺達はミローネの家へと向かった。
「くふふっ♡ アキトさんは本当に最高の男ですねぇ」
トリルは俺の右腕を抱え込み、胸を押しつけている。身体がふらつくとか言って、俺に抱きつきながら歩いているのだ。
柔らかい胸の感触が、受付嬢の制服越しに伝わってきて、とても嬉しい。
だが、ここで呑気に喜んでいては、俺の事を監視しているであろうミローネに筒抜けになる。
そう、平常心、平常心だ。
「あっ♡……んんっ♡……服が擦れてっ♡……あっ♡」
なぜか、トリルは何やら艶めかしい声をあげ、身をよじらせながら歩き出した。
「わざとやってるよな?」
「んっ♡……くふふ、本当に酷いですねぇ。……あんっ♡……あんなに私のお尻を弄っておいてっ♡」
「いやいや、さっきまでは普通に歩いてただろう? なんで急にそんな声を出してるんだ」
「あんっ♡……アキトさんっ♡……そんな町中でっ♡……やんっ♡」
トリルは大きな声を出す。身体の動きも大きくなっている。
「こんな、町中で何て声を出してるんだ」
自分で言ってから、はっとして、周りを見た。
周りにいた人達はこちらを見て、何やらヒソヒソ話しをしている。
くっ、世間体など普段は気にしていないが、こうも直接的な視線を向けられると、さすがに恥ずかしい。
「トリル、何を考えているんだ」
「くふふ、お姫様抱っこをして貰えば、この身体の震えも治まると思うんですよねぇ。ああっ♡」
それが狙いか。だが、お姫様抱っこをしても視線を集める事には変わらない。
それに、トリルをここでお姫様抱っこするのは色々不味い気がする。
『ふふっ、別に構いませんよ。トリルの事をお姫様抱っこしてあげればいいじゃないですか。その代わり、私も後でお姫様抱っこして町中を一周してくださいね』
その後、イーシャもお姫様抱っこして町を一周することになるんですね。
考えるだけで、恥ずかしい気分になるぞ。
いや、でも待てよ。……そうか、逆に考えれば、恥ずかしさを捨ててしまえば、受付嬢をお姫様抱っこ出来ると言う事だな。
その事に気づいた俺は、すぐにトリルをお姫様抱っこで抱え上げた。
「くふふ、さすがアキトさんです」
周りからの視線は更に痛くなったが、受付嬢をお姫様抱っこした事実に比べれば何て事はない。何でこんな簡単な事に気がつかなかったのだろうか。
「もう変な声は出すなよ」
トリルに一言釘を刺して、ミローネの家へと向かった。
「ふふっ、とってもお楽しみだった見たいですね」
爽やかな笑顔のミローネに迎えられる。さっき承諾を得たはずだが、背中にじんわりと汗をかきながら、案内された台所のテーブルへと向かった。
テーブルには既にイーシャとスーネリア、ヘルミナが座っている。椅子が足りないのか、俺とトリルの椅子は背もたれのないものだった。
イーシャは俺の横にいるトリルを見て、俺を爽やかな笑顔で見た。
背中をぐっしょりと濡らしながら、俺は椅子に座る。
おかしい。俺はこのテーブルにつく度に背中がぐっしょりと濡れている。その殆どが俺の意思で決定できる選択ではなかった気がするのだが、どうしてこうなった。
ミローネとトリルも椅子に座り、ミローネが取り仕切って話が始まる。
「さて、皆さん、本日はお集まり頂きありがとうございます。本日皆さんに集まって貰ったのは、出張から戻ってくるケーナをどう捕らえるか。その作戦会議となります」
ミローネは作戦会議の始まりを宣言し、次いでトリルの方を見る。
「トリル、ここに来たと言う事は力を貸してくれると言う事かしら?」
「いえ、私はケーナの捕縛作戦には参加しません。そこはこれまで通り不干渉です。ただ、アキトさんが窮地に陥った場合はアキトさんを助けます。私の未来の旦那様を見捨てるわけにはいきませんからねぇ」
トリルの挑発的な旦那様発言にイーシャがむすっとなり、ミローネはピクリとこめかみの筋肉を動かしている。スーネリアとヘルミナは面白いものを見つけたような表情だ。そして、俺の背中は相変わらず汗で濡れている。
「なるほど。トリルの立ち位置はわかりました。アキトさんの旦那様に関しては後でじっくりと話し合うとしましょう。それでは、ケーナ側の戦力の確認からしておきましょうか」
「その前に、ケーナの能力について教えて欲しいんだが」
「そう言えば、ケーナの能力について詳しく説明していませんでしたね。わかりました。ケーナの能力を説明します。スーネリアやヘルミナなどのギルド職員を支配していた能力ですが、その能力はケーナのユニークスキル『役職支配』です。同一組織に属する自身より下の役職の者を支配することが可能です。冒険者ギルドの場合は、ケーナの役職よりも下の役職の者は支配されてしまうのです。ケーナの冒険者ギルドでの役職は受付嬢班長兼ギルドマスター代理です。ギルドマスター不在の冒険者ギルドは、全ての職員が支配されているのです」
自分より下の立場の者を強制的に支配下におく能力と言う事か。出世すればするだけ、どんどん支配下におけるってことだよな。相当やばい能力じゃないか。何で放置されてるんだ。
「と言うことは、今回のケーナ側の戦力は冒険者ギルドの職員か?」
「はい、その通りです。ですが、冒険者ギルドの職員で脅威だったのは、ヘルミナとスーネリアだけです。後の人達は大した戦闘力はありません」
「じゃあ、帰って来たケーナを取り押さえて終わりと言う事か?」
「いえ、そうではないのです。ギルドには臨時雇用という制度があります。この制度を使って、ケーナはレベルの高い者を雇い、職員として支配する事が可能です。ギルドに関わりの深い高ランク冒険者などがいい例です」
「なんだそれ、反則じゃないか」
「はい、まさに反則のような技なのです。ただし、この町にはCランク以下の冒険者しかいません。なので、ケーナ側には私が知る限り大した戦力はいません。一番の戦力であったヘルミナとスーネリアの支配は解きましたから」
「なんだ、それじゃあケーナの戦力は大した事ないって事か?」
「それが、そうでもないのです。ケーナはこの町を離れて出張に行っているのですが、スーネリアやヘルミナには王都へと行くと言っていたそうですね?」
「うん、そうだね。恐らく王都の有力な冒険者を引き抜いてくるつもりじゃないかな。臨時での雇用ならそこまで問題にはならないだろうしね」
「間違いなく、ミローネを捕まえる為の人材を調達しに行ったと思うのよ」
「私を捕らえるとなると、Sランクのパーティーが必要です。ケーナは間違いなくSランクのパーティーを連れて帰ってくるものと予測して、作戦を立てる必要があるのです」
「なるほど、そのSランクのパーティーってのはどれ位の強さなんだ?」
「そうですね。一般的な事を言えば、平均レベル70がSランクのパーティーと言われています。一人一人が私と同格です。何人にも囲まれてはさすがの私も対処しきれないでしょう」
受付嬢のミローネがSランクのパーティーメンバーと同格ってどう言うことだよ。ヘルミナとスーネリアも少し劣るだけだし。いや、それだけ強い受付嬢達とセックスしたと考えると……やばいな。
「ミローネと私とスーネリアとアキトとイーシャの五人じゃ、Sランクパーティーには勝てないんじゃないの?」
「そうですね。それにケーナが連れてくるのは一組とは限りません」
「そこは大丈夫じゃないかしら。臨時とはいえ、他の支部がギルドの冒険者を引き抜くことができるのは、半年でSランク一組、Aランクも二組までだったと思うわよ」
「そんな規則を守ってケーナが動くとは思えませんが」
「でも、ケーナはまだギルドマスター代理だから、他の支部のギルドマスターを支配する事はできないわよ。Sランクの引き抜きにはギルドマスターの同意が必要だから、本当に最上位のSランクは出したがらないでしょうし、今回やって来るとしても、Sランクでも下位に属するのが一組、Aランクが一組じゃないかしら。それでも、ミローネを捕らえるだけなら十分な戦力だと思うわ」
「……確かにそうかもしれません。他のギルド支部で騒ぎを起こすほどケーナも考え無しじゃないでしょうし。……それでは、その方向で話を進めましょう。先ず、Sランクパーティーの相手はアキトさんにして貰います。Aランクパーティーの相手はヘルミナとスーネリア、その他の冒険者達。これでいきましょう」
「ちょっと待て、俺一人でSランクパーティーを相手に出来るわけないだろう」
「そうだね。私を打ち負かしたアキトは強いと思うけど、Sランクパーティーに一人で勝てる程じゃなかったと思うよ。それにミローネが数に入ってなかったけど?」
「確かに今のままのアキトさんではSランクパーティーの相手は難しいでしょう。ですから、アキトさんにはケーナが帰って来るまでの三日間、ダンジョンに潜って貰おうと思います」
またレベル上げか。憑依の効果を上げる為には俺のレベルの底上げは必須だからな。
それにしてもダンジョンか。あの赤い箱をまた使う事になるんだろうなぁ。
「うえっ、まさかあのダンジョンに潜らせるつもり? さすがに鬼畜なんじゃない?」
ヘルミナが何やらうげっとした表情をしている。今回のダンジョンはそんなにやばいのだろうか。
「大丈夫です。今回は私も同行しますから。少なくとも死にはしませんよ」
死にはしないだけで、とても辛い事は待ってるんですね。
「私、今回は魔法を使ってもいいんですよね?」
「はい、いいですよ。途中で確実に魔力が無くなるとは思いますけど」
「そ、そうなんですね。私、頑張ります」
「はい、頑張りましょう。それと、私が戦闘の頭数に入っていない件ですが、ここにいる皆さんにはお話しておきましょう。私はアキトさんに乗り移って戦う事が出来ます。ヘルミナを倒したのもその能力です。ただ、その間私は動けなくなるので、イーシャには結界をはって、私の身体を守って欲しいのです」
「わかりました。任せてください」
「ふーん。じゃあ、あの時戦ってたのはミローネだったのか。それでまるで別人みたいになったわけだ」
会議はこの後も続き、ケーナが他の冒険者も連れて来た場合や、全く連れてこなかった場合も話合われた。どのパターンでも俺が先頭に立って戦う事は変わらないようだ。俺としては戦闘はあまりしたくないのだがな。まあ、実際に戦うのはミローネになるのだけれど。
俺はその後のケーナとのセックスが真の役割だ。ただ、お仕置きセックス兼支配からの解放とミローネは言っているが、ただお仕置きするだけでは、ケーナのやっている事は済まされないと思うのだが。その辺りはどうやって決着をつけるつもりなのだろうか。
「でもさあ、ケーナを懲らしめるっていっても実際にどうするわけ? それに、他の職員はまだ支配されてるわけでしょ」
ヘルミナも疑問を持ったようでミローネに質問している。
「それは、アキトさんにたっぷりとケーナを抱いて貰います。アキトさんの能力には相手の支配スキルを無効化する能力があるのです」
「うっ、……それはとっても有効そうだね。だけどさ、その後はどうするのさ? 支配を無効化してはい終わりって訳にはいかないでしょ?」
「確かにそうですね、ケーナを懲らしめたところで、終わりとはいきません。元より、精神支配系のスキルを使って他人を操ったりするのは重罪です。ちょっと使ってみました程度でも強制労働、人を操って悪事を働いた場合は死刑でもおかしくありません」
えっ? じゃあ、俺がイーシャに好感度上昇を使ったのも……いや、深く考えるのはやめよう。
「ですので、ケーナの真の処遇については、この町の法に預けたいと思います。ヘルミナとスーネリアの証言があれば、役人も動いてくれるでしょう」
「ふーん。じゃあ、その前にケーナをこっちで懲らしめてやろうって事だね」
「一番の理由は職員達をケーナから解放する事ですが、たっぷりと懲らしめてやりたいと思います」
ミローネとヘルミナはニッコリと笑いあっている。嫌がらせをされていたミローネだけじゃなく、支配されていたヘルミナも思うところがあるのかもしれない。
「アキト様の能力で支配を解けることはわかったわ。でも、私やヘルミナを解放した能力で先に職員を解放出来ないのかしら?」
そう言えば、屈服は性行為をしなくても発動することがわかった。それなら、スーネリアの言うとおり職員を解放することは可能だろう。
「……そうですね」
スーネリアの言葉にミローネは頷き、俺の方を見る。
「やろうミローネ。俺なら大丈夫だ」
「いいんですか? ケーナがいつ帰ってくるかわからない以上、憑依で手伝う事は出来ません。すべての職員を殴らないといけませんよ?」
それはつまり、女性職員も殴らないといけないということか。
「……やるよ。支配された状態がいいとは思えない。それに、ギルドの職員を解放すれば、それだけこちらが有利になるだろう?」
「わかりました。ただ、精神的に無理だと感じたらすぐに言ってください」
俺が頷いて、全職員の解放をすることが決まった。
「ところでさ、ケーナが直接私達と接触すれば支配が解けてる事は分かると思うんだけど、その辺はどうするのさ?」
「直接接触すればバレるのは間違いありません。ですので、ケーナが帰ってきたらすぐに捉えます。出来れば街の外で、それが難しければギルド内で、もしもギルドに来なかった場合は、その日のうちにケーナの自宅に捕らえに行きます。相手に準備の時間を与えないようにします」
「それなら、明日からは準備しておかないといけないわね」
「はい、ケーナを捕らえるためにご協力をお願いします」
ケーナに対する作戦会議は終わった。俺はどうやら地獄のレベル上げが待っているようだ。
「あの、ちょっといいですか?」
作戦会議は終わったと思ったが、イーシャは何やら言いたい事があるのか手をあげた。
「何でしょうか?」
「えっと、旦那様の件なんですけど」
どうやら、忘れてくれてはなかったようである。
「ああ、その件ですね。そうですね、私もちゃんと話し合っておくべきかと思っていました」
普通そういうのは、俺がいないところで事前に交渉とかするものじゃないのでしょうか。俺が選べば終わりとか、そんな簡単な状況じゃないのだし。
『ふふっ、この場で話した方が面白いじゃないですか』
……そうですか。
「イーシャはアキトさんと結婚したいと考えていると言うことでいいですか?」
いつの間にそんな段階に話しが進んでいたのでしょうか。一生面倒を見るとは言いましたが、私はそこまで話が進んでいるとは思ってもいませんでした。
「はい、私はアキトさんと結婚したいです」
イーシャも、当然のように答えてますね。僕は誰にもプロポーズした覚えはないんですよ?
「トリルもそうですよね?」
「くふふっ、もちろん私はアキトさんと結婚しますよ」
もちろんなんですね。まだ今日一日身体を重ねただけで、僕は貴方の事をほぼ何も知らないんですけどね。あっ、アナルが弱点だってことは知ってますけど。
「スーネリアとヘルミナは?」
「私はアキト様がご主人様でいてくれるのなら、結婚までは望まないわ。ただ、ずっと私のことを飼って欲しいと思っているわ」
飼う? 何時から貴方はペットになったのでしょうか? 僕の耳がおかしいのでしょうか? 首輪をプレゼントして欲しいとかでしょうか?
「アタシは、うーん。結婚まではいいかな。でも、子供は欲しいんだよね。だからさ、アキトの種だけは欲しいんだ。アキトの子供って絶対強いと思うんだよね」
いえ、今更貴方の事を何も否定する気はありません。ですが、僕は本当に種馬か何かになったのだと改めて自覚させられます。いえ、好き勝手に抱いた僕がそんな事をいうのはおこがましいというのはわかっているんですけどね。
「なるほど、イーシャとトリルは結婚希望で、スーネリアはご主人様希望、ヘルミナはアキトさんの種が欲しいと言うことですね」
「そう言うミローネさんはどうなんですか?」
「私? 私はアキトさんの正妻ですから。もう、結婚していると言ってもいいですね。そうですよね、アキトさん?」
ああ、そうだったんですね。僕、もう結婚してたんですね。違うって言ったら、きっと酷い目にあわされるよね。
「そうだな」
「ふふっ、そうですよね。でも、イーシャやトリル達の事も受け入れる気はありますよね」
ははは、僕に拒否権なんて無い事は重々承知しておりますとも。
「そうだな」
幸か不幸か、皆を養っていくだけの素質は持っているみたいだから、全員を受け入れる事が出来ない訳じゃないと思います。それに受付嬢と結婚できるなんて俺は本当に幸せ者だ。
「ありがとうございます。旦那様の件はこれくらいでしょうか。他に何かありますか?」
「はい」
イーシャが勢いよく手をあげる。
「はい、何でしょうか?」
「私、アキトさんの一番になるのを諦めたわけじゃありませんから」
「ふふっ、受けて立ちましょう」
ミローネはイーシャの強い眼差しを真っ向から受け止めている。この二人が争っている間は、きっとこのむず痒い気持ちと、背中の汗は止まらないのだと思った。
「くふふっ、とっても面白いですねぇ」
一方トリルは余裕の表情だ。案外、いざとなれば力尽くとか思っているのかもしれない。
「さて、話しも終わりましたし、それでは恒例のストレス解消の運動でも始めましょうか」
「はい、着替えてきます」
「うふふ、楽しみにしてたわ」
「うわぁ、やっぱりやるんだ」
「くふふっ、楽しみですねぇ」
五人の女は一斉に立ち上がる。
「アキトさん、ほらっ、ぼーっと座ってないで、やりますよ」
俺はミローネとトリルに引っ張られて、ベッドのある部屋へと移動する。
本当にみんな、性に対してオープンすぎませんかね。そう言う文化なのかもしれないけれど。
何はともあれ、これから人生初の六人プレイが始まる。五人プレイは飛ばしちゃったけどな。
「くふふっ♡ アキトさんは本当に最高の男ですねぇ」
トリルは俺の右腕を抱え込み、胸を押しつけている。身体がふらつくとか言って、俺に抱きつきながら歩いているのだ。
柔らかい胸の感触が、受付嬢の制服越しに伝わってきて、とても嬉しい。
だが、ここで呑気に喜んでいては、俺の事を監視しているであろうミローネに筒抜けになる。
そう、平常心、平常心だ。
「あっ♡……んんっ♡……服が擦れてっ♡……あっ♡」
なぜか、トリルは何やら艶めかしい声をあげ、身をよじらせながら歩き出した。
「わざとやってるよな?」
「んっ♡……くふふ、本当に酷いですねぇ。……あんっ♡……あんなに私のお尻を弄っておいてっ♡」
「いやいや、さっきまでは普通に歩いてただろう? なんで急にそんな声を出してるんだ」
「あんっ♡……アキトさんっ♡……そんな町中でっ♡……やんっ♡」
トリルは大きな声を出す。身体の動きも大きくなっている。
「こんな、町中で何て声を出してるんだ」
自分で言ってから、はっとして、周りを見た。
周りにいた人達はこちらを見て、何やらヒソヒソ話しをしている。
くっ、世間体など普段は気にしていないが、こうも直接的な視線を向けられると、さすがに恥ずかしい。
「トリル、何を考えているんだ」
「くふふ、お姫様抱っこをして貰えば、この身体の震えも治まると思うんですよねぇ。ああっ♡」
それが狙いか。だが、お姫様抱っこをしても視線を集める事には変わらない。
それに、トリルをここでお姫様抱っこするのは色々不味い気がする。
『ふふっ、別に構いませんよ。トリルの事をお姫様抱っこしてあげればいいじゃないですか。その代わり、私も後でお姫様抱っこして町中を一周してくださいね』
その後、イーシャもお姫様抱っこして町を一周することになるんですね。
考えるだけで、恥ずかしい気分になるぞ。
いや、でも待てよ。……そうか、逆に考えれば、恥ずかしさを捨ててしまえば、受付嬢をお姫様抱っこ出来ると言う事だな。
その事に気づいた俺は、すぐにトリルをお姫様抱っこで抱え上げた。
「くふふ、さすがアキトさんです」
周りからの視線は更に痛くなったが、受付嬢をお姫様抱っこした事実に比べれば何て事はない。何でこんな簡単な事に気がつかなかったのだろうか。
「もう変な声は出すなよ」
トリルに一言釘を刺して、ミローネの家へと向かった。
「ふふっ、とってもお楽しみだった見たいですね」
爽やかな笑顔のミローネに迎えられる。さっき承諾を得たはずだが、背中にじんわりと汗をかきながら、案内された台所のテーブルへと向かった。
テーブルには既にイーシャとスーネリア、ヘルミナが座っている。椅子が足りないのか、俺とトリルの椅子は背もたれのないものだった。
イーシャは俺の横にいるトリルを見て、俺を爽やかな笑顔で見た。
背中をぐっしょりと濡らしながら、俺は椅子に座る。
おかしい。俺はこのテーブルにつく度に背中がぐっしょりと濡れている。その殆どが俺の意思で決定できる選択ではなかった気がするのだが、どうしてこうなった。
ミローネとトリルも椅子に座り、ミローネが取り仕切って話が始まる。
「さて、皆さん、本日はお集まり頂きありがとうございます。本日皆さんに集まって貰ったのは、出張から戻ってくるケーナをどう捕らえるか。その作戦会議となります」
ミローネは作戦会議の始まりを宣言し、次いでトリルの方を見る。
「トリル、ここに来たと言う事は力を貸してくれると言う事かしら?」
「いえ、私はケーナの捕縛作戦には参加しません。そこはこれまで通り不干渉です。ただ、アキトさんが窮地に陥った場合はアキトさんを助けます。私の未来の旦那様を見捨てるわけにはいきませんからねぇ」
トリルの挑発的な旦那様発言にイーシャがむすっとなり、ミローネはピクリとこめかみの筋肉を動かしている。スーネリアとヘルミナは面白いものを見つけたような表情だ。そして、俺の背中は相変わらず汗で濡れている。
「なるほど。トリルの立ち位置はわかりました。アキトさんの旦那様に関しては後でじっくりと話し合うとしましょう。それでは、ケーナ側の戦力の確認からしておきましょうか」
「その前に、ケーナの能力について教えて欲しいんだが」
「そう言えば、ケーナの能力について詳しく説明していませんでしたね。わかりました。ケーナの能力を説明します。スーネリアやヘルミナなどのギルド職員を支配していた能力ですが、その能力はケーナのユニークスキル『役職支配』です。同一組織に属する自身より下の役職の者を支配することが可能です。冒険者ギルドの場合は、ケーナの役職よりも下の役職の者は支配されてしまうのです。ケーナの冒険者ギルドでの役職は受付嬢班長兼ギルドマスター代理です。ギルドマスター不在の冒険者ギルドは、全ての職員が支配されているのです」
自分より下の立場の者を強制的に支配下におく能力と言う事か。出世すればするだけ、どんどん支配下におけるってことだよな。相当やばい能力じゃないか。何で放置されてるんだ。
「と言うことは、今回のケーナ側の戦力は冒険者ギルドの職員か?」
「はい、その通りです。ですが、冒険者ギルドの職員で脅威だったのは、ヘルミナとスーネリアだけです。後の人達は大した戦闘力はありません」
「じゃあ、帰って来たケーナを取り押さえて終わりと言う事か?」
「いえ、そうではないのです。ギルドには臨時雇用という制度があります。この制度を使って、ケーナはレベルの高い者を雇い、職員として支配する事が可能です。ギルドに関わりの深い高ランク冒険者などがいい例です」
「なんだそれ、反則じゃないか」
「はい、まさに反則のような技なのです。ただし、この町にはCランク以下の冒険者しかいません。なので、ケーナ側には私が知る限り大した戦力はいません。一番の戦力であったヘルミナとスーネリアの支配は解きましたから」
「なんだ、それじゃあケーナの戦力は大した事ないって事か?」
「それが、そうでもないのです。ケーナはこの町を離れて出張に行っているのですが、スーネリアやヘルミナには王都へと行くと言っていたそうですね?」
「うん、そうだね。恐らく王都の有力な冒険者を引き抜いてくるつもりじゃないかな。臨時での雇用ならそこまで問題にはならないだろうしね」
「間違いなく、ミローネを捕まえる為の人材を調達しに行ったと思うのよ」
「私を捕らえるとなると、Sランクのパーティーが必要です。ケーナは間違いなくSランクのパーティーを連れて帰ってくるものと予測して、作戦を立てる必要があるのです」
「なるほど、そのSランクのパーティーってのはどれ位の強さなんだ?」
「そうですね。一般的な事を言えば、平均レベル70がSランクのパーティーと言われています。一人一人が私と同格です。何人にも囲まれてはさすがの私も対処しきれないでしょう」
受付嬢のミローネがSランクのパーティーメンバーと同格ってどう言うことだよ。ヘルミナとスーネリアも少し劣るだけだし。いや、それだけ強い受付嬢達とセックスしたと考えると……やばいな。
「ミローネと私とスーネリアとアキトとイーシャの五人じゃ、Sランクパーティーには勝てないんじゃないの?」
「そうですね。それにケーナが連れてくるのは一組とは限りません」
「そこは大丈夫じゃないかしら。臨時とはいえ、他の支部がギルドの冒険者を引き抜くことができるのは、半年でSランク一組、Aランクも二組までだったと思うわよ」
「そんな規則を守ってケーナが動くとは思えませんが」
「でも、ケーナはまだギルドマスター代理だから、他の支部のギルドマスターを支配する事はできないわよ。Sランクの引き抜きにはギルドマスターの同意が必要だから、本当に最上位のSランクは出したがらないでしょうし、今回やって来るとしても、Sランクでも下位に属するのが一組、Aランクが一組じゃないかしら。それでも、ミローネを捕らえるだけなら十分な戦力だと思うわ」
「……確かにそうかもしれません。他のギルド支部で騒ぎを起こすほどケーナも考え無しじゃないでしょうし。……それでは、その方向で話を進めましょう。先ず、Sランクパーティーの相手はアキトさんにして貰います。Aランクパーティーの相手はヘルミナとスーネリア、その他の冒険者達。これでいきましょう」
「ちょっと待て、俺一人でSランクパーティーを相手に出来るわけないだろう」
「そうだね。私を打ち負かしたアキトは強いと思うけど、Sランクパーティーに一人で勝てる程じゃなかったと思うよ。それにミローネが数に入ってなかったけど?」
「確かに今のままのアキトさんではSランクパーティーの相手は難しいでしょう。ですから、アキトさんにはケーナが帰って来るまでの三日間、ダンジョンに潜って貰おうと思います」
またレベル上げか。憑依の効果を上げる為には俺のレベルの底上げは必須だからな。
それにしてもダンジョンか。あの赤い箱をまた使う事になるんだろうなぁ。
「うえっ、まさかあのダンジョンに潜らせるつもり? さすがに鬼畜なんじゃない?」
ヘルミナが何やらうげっとした表情をしている。今回のダンジョンはそんなにやばいのだろうか。
「大丈夫です。今回は私も同行しますから。少なくとも死にはしませんよ」
死にはしないだけで、とても辛い事は待ってるんですね。
「私、今回は魔法を使ってもいいんですよね?」
「はい、いいですよ。途中で確実に魔力が無くなるとは思いますけど」
「そ、そうなんですね。私、頑張ります」
「はい、頑張りましょう。それと、私が戦闘の頭数に入っていない件ですが、ここにいる皆さんにはお話しておきましょう。私はアキトさんに乗り移って戦う事が出来ます。ヘルミナを倒したのもその能力です。ただ、その間私は動けなくなるので、イーシャには結界をはって、私の身体を守って欲しいのです」
「わかりました。任せてください」
「ふーん。じゃあ、あの時戦ってたのはミローネだったのか。それでまるで別人みたいになったわけだ」
会議はこの後も続き、ケーナが他の冒険者も連れて来た場合や、全く連れてこなかった場合も話合われた。どのパターンでも俺が先頭に立って戦う事は変わらないようだ。俺としては戦闘はあまりしたくないのだがな。まあ、実際に戦うのはミローネになるのだけれど。
俺はその後のケーナとのセックスが真の役割だ。ただ、お仕置きセックス兼支配からの解放とミローネは言っているが、ただお仕置きするだけでは、ケーナのやっている事は済まされないと思うのだが。その辺りはどうやって決着をつけるつもりなのだろうか。
「でもさあ、ケーナを懲らしめるっていっても実際にどうするわけ? それに、他の職員はまだ支配されてるわけでしょ」
ヘルミナも疑問を持ったようでミローネに質問している。
「それは、アキトさんにたっぷりとケーナを抱いて貰います。アキトさんの能力には相手の支配スキルを無効化する能力があるのです」
「うっ、……それはとっても有効そうだね。だけどさ、その後はどうするのさ? 支配を無効化してはい終わりって訳にはいかないでしょ?」
「確かにそうですね、ケーナを懲らしめたところで、終わりとはいきません。元より、精神支配系のスキルを使って他人を操ったりするのは重罪です。ちょっと使ってみました程度でも強制労働、人を操って悪事を働いた場合は死刑でもおかしくありません」
えっ? じゃあ、俺がイーシャに好感度上昇を使ったのも……いや、深く考えるのはやめよう。
「ですので、ケーナの真の処遇については、この町の法に預けたいと思います。ヘルミナとスーネリアの証言があれば、役人も動いてくれるでしょう」
「ふーん。じゃあ、その前にケーナをこっちで懲らしめてやろうって事だね」
「一番の理由は職員達をケーナから解放する事ですが、たっぷりと懲らしめてやりたいと思います」
ミローネとヘルミナはニッコリと笑いあっている。嫌がらせをされていたミローネだけじゃなく、支配されていたヘルミナも思うところがあるのかもしれない。
「アキト様の能力で支配を解けることはわかったわ。でも、私やヘルミナを解放した能力で先に職員を解放出来ないのかしら?」
そう言えば、屈服は性行為をしなくても発動することがわかった。それなら、スーネリアの言うとおり職員を解放することは可能だろう。
「……そうですね」
スーネリアの言葉にミローネは頷き、俺の方を見る。
「やろうミローネ。俺なら大丈夫だ」
「いいんですか? ケーナがいつ帰ってくるかわからない以上、憑依で手伝う事は出来ません。すべての職員を殴らないといけませんよ?」
それはつまり、女性職員も殴らないといけないということか。
「……やるよ。支配された状態がいいとは思えない。それに、ギルドの職員を解放すれば、それだけこちらが有利になるだろう?」
「わかりました。ただ、精神的に無理だと感じたらすぐに言ってください」
俺が頷いて、全職員の解放をすることが決まった。
「ところでさ、ケーナが直接私達と接触すれば支配が解けてる事は分かると思うんだけど、その辺はどうするのさ?」
「直接接触すればバレるのは間違いありません。ですので、ケーナが帰ってきたらすぐに捉えます。出来れば街の外で、それが難しければギルド内で、もしもギルドに来なかった場合は、その日のうちにケーナの自宅に捕らえに行きます。相手に準備の時間を与えないようにします」
「それなら、明日からは準備しておかないといけないわね」
「はい、ケーナを捕らえるためにご協力をお願いします」
ケーナに対する作戦会議は終わった。俺はどうやら地獄のレベル上げが待っているようだ。
「あの、ちょっといいですか?」
作戦会議は終わったと思ったが、イーシャは何やら言いたい事があるのか手をあげた。
「何でしょうか?」
「えっと、旦那様の件なんですけど」
どうやら、忘れてくれてはなかったようである。
「ああ、その件ですね。そうですね、私もちゃんと話し合っておくべきかと思っていました」
普通そういうのは、俺がいないところで事前に交渉とかするものじゃないのでしょうか。俺が選べば終わりとか、そんな簡単な状況じゃないのだし。
『ふふっ、この場で話した方が面白いじゃないですか』
……そうですか。
「イーシャはアキトさんと結婚したいと考えていると言うことでいいですか?」
いつの間にそんな段階に話しが進んでいたのでしょうか。一生面倒を見るとは言いましたが、私はそこまで話が進んでいるとは思ってもいませんでした。
「はい、私はアキトさんと結婚したいです」
イーシャも、当然のように答えてますね。僕は誰にもプロポーズした覚えはないんですよ?
「トリルもそうですよね?」
「くふふっ、もちろん私はアキトさんと結婚しますよ」
もちろんなんですね。まだ今日一日身体を重ねただけで、僕は貴方の事をほぼ何も知らないんですけどね。あっ、アナルが弱点だってことは知ってますけど。
「スーネリアとヘルミナは?」
「私はアキト様がご主人様でいてくれるのなら、結婚までは望まないわ。ただ、ずっと私のことを飼って欲しいと思っているわ」
飼う? 何時から貴方はペットになったのでしょうか? 僕の耳がおかしいのでしょうか? 首輪をプレゼントして欲しいとかでしょうか?
「アタシは、うーん。結婚まではいいかな。でも、子供は欲しいんだよね。だからさ、アキトの種だけは欲しいんだ。アキトの子供って絶対強いと思うんだよね」
いえ、今更貴方の事を何も否定する気はありません。ですが、僕は本当に種馬か何かになったのだと改めて自覚させられます。いえ、好き勝手に抱いた僕がそんな事をいうのはおこがましいというのはわかっているんですけどね。
「なるほど、イーシャとトリルは結婚希望で、スーネリアはご主人様希望、ヘルミナはアキトさんの種が欲しいと言うことですね」
「そう言うミローネさんはどうなんですか?」
「私? 私はアキトさんの正妻ですから。もう、結婚していると言ってもいいですね。そうですよね、アキトさん?」
ああ、そうだったんですね。僕、もう結婚してたんですね。違うって言ったら、きっと酷い目にあわされるよね。
「そうだな」
「ふふっ、そうですよね。でも、イーシャやトリル達の事も受け入れる気はありますよね」
ははは、僕に拒否権なんて無い事は重々承知しておりますとも。
「そうだな」
幸か不幸か、皆を養っていくだけの素質は持っているみたいだから、全員を受け入れる事が出来ない訳じゃないと思います。それに受付嬢と結婚できるなんて俺は本当に幸せ者だ。
「ありがとうございます。旦那様の件はこれくらいでしょうか。他に何かありますか?」
「はい」
イーシャが勢いよく手をあげる。
「はい、何でしょうか?」
「私、アキトさんの一番になるのを諦めたわけじゃありませんから」
「ふふっ、受けて立ちましょう」
ミローネはイーシャの強い眼差しを真っ向から受け止めている。この二人が争っている間は、きっとこのむず痒い気持ちと、背中の汗は止まらないのだと思った。
「くふふっ、とっても面白いですねぇ」
一方トリルは余裕の表情だ。案外、いざとなれば力尽くとか思っているのかもしれない。
「さて、話しも終わりましたし、それでは恒例のストレス解消の運動でも始めましょうか」
「はい、着替えてきます」
「うふふ、楽しみにしてたわ」
「うわぁ、やっぱりやるんだ」
「くふふっ、楽しみですねぇ」
五人の女は一斉に立ち上がる。
「アキトさん、ほらっ、ぼーっと座ってないで、やりますよ」
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