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「なんだこりゃ」
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令嬢たちの背中が見えなくなるまでぼんやりと見送った後、私はハッとする。
あ、あの令嬢たちのボロボロの格好撮っておくんだった。十分に笑える写真だったのに。
あ~あ、日本だったら絶対ああいう良い被写体は撮り損ねないのにな。
やっぱり、ここが異世界だからかな。
無意識に調子が崩されちゃっているのかも。
「随分と、ひどいことを言っていたんだな」
ため息交じりに影薄王子は言った。
あ、そういえば傍に影薄王子もいたんだっけ。すっかり忘れていた。
さすが、影の薄い王子。きっとあの令嬢たちもこの影薄王子に気づかなかっただろうな。
ていうか、普通にスラスラしゃべれるんじゃないか。
普通にしゃべれ、という意味を込めて私よりも背が高い影薄王子を見上げる。私の意図が伝わっているのか伝わっていないのか、私と目が合うと影薄王子は頭を少し下げた。
「彼女たちの暴言を、代わりに謝罪する。耳に入っているかは知らないが、実は今、秘匿すべき聖女の存在が収拾が難しいほどの噂が出回っている状態になっている………まさか、爵位の低いさきほどの令嬢たちにまでに聖女の存在が耳に入っているなんて思っていなかった」
再び、影薄王子はため息を吐く。
なんだよ、やっぱり普通にしゃべれるじゃんか。
「別に王子様が頭を下げる必要はないよ。私たちをよく思わないのは当然だと思うし。私たち、色々やらかしちゃったからね」
「いや、元々聖女の存在を良く思っていない、恐れている人間が多数いる」
「恐れている?そうなんだ」
「モンスターと戦ったなら知っていると思うが、聖女には人間やモンスターの魔法攻撃が一切効かないんだ。それに召喚された時点で神の加護が与えられ、肉体も強化される」
「モンスターだけじゃなくて人間の魔法も?マジかい」
影薄王子はこくんと頷いた。
「どんな高等魔法も聖女には効かないと聞いている」
すっごい、まさにチートじゃん。
「国の強さは魔術の強さで成り立っている事柄が多い。しかし、その魔術が聖女には一切効かない。だから、懸念している声も多いんだ。聖女は国力を土台から揺るがす力も持っている危険な存在、と」
「なるほど」
聖女を懸念材料として見ちゃうのは当たり前か。
もし、聖女が国を征服しようと思ったら、マジでできちゃうかもしれないってことか。
何せ、魔法が一切効かないからね。
肉体も強化されているのなら、人間が放つ物理攻撃もほぼ効かないってこと?
いまだに私たちは聖女の能力についての全貌は把握してない。把握していない聖女の能力の中に、国一つをひっくり返すほどの力がもし、あったら………。
マジ最強じゃんか。
そりゃ、危険視したくもなるか。しかも、召喚したのが清らかさとは真逆の双子だったんだから、尚更警戒しちゃうか。別に私ら国取りなんて興味ないんだけどね。再三、繰り返し言っているけど、私たちが望んでいるのは現実世界への帰還、その一つだけ。
「別に私ら国を乗っ取るつもりなんてないよ。ただ現実世界に早く還りたいだけ」
「わかっている。そのために魔術師や医者が大司教の治療に全力にあっているところなんだ。何にしても、聖女の噂が王宮内で独り歩きしている状態は良くない。もし、この噂が外部に漏れたら大変なことになる。今、聖女の噂の出所を探っている最中なんだ」
「へぇ、そうなんだ」
一体、誰だろうね。
噂を振りまいているバカは。いるはずだからね、そういうバカ。
「ねぇ、もしかしてさっき私を引き止めたのってそれ言うため?王宮内であることないこと聖女の噂が流れているって私に教えようとしてくれた」
「あ………いや、それは、違う」
あれ?違うの?
また、目を泳がせちゃったよ。
「言いたいことがあるなら、はっきり言ってってば」
影薄王子はかなり言いづらそうにしていたが、私が凄むように睨みつけていると、たどたどしくだが口から言葉が出てきた。
「………私は、大司教が殴られた時も………そしてさっきの令嬢の話を聞いていて心の底から感じていたんだ。こんな気持ち初めてで、どうすればいいのか………わからなく、て。私は、私は………」
ふいっと顔を逸らすと小さく呟いて見せた。
「―――って思ったんだ」
「………………え」
「いや、やっぱり、いい。聞かなかったことに………」
「いやいやいや、ぼそっと言ったつもりだろうけど、ちゃんと聞こえていたから」
さっきの一言は聞こえるか聞こえないかの声だった。
でも、はっきりと聞こえた。
そして、軽く驚いた。
マジで?
だからずっとしどろもどろだったの?目が泳いでいたの?
頬や耳がちょっと赤かったの?言いにくそうにしていたの?
合点がいった。
私は影薄王子の顔をもっと近くでみたいと思って、ぐいっと胸倉を掴んで引き寄せた。
影薄王子は私の手を振り払うことはせずにされるがままになっている。
「………………」
「………………」
じっと見ていると、影薄王子の顔がだんだん真っ赤になっていく。
こういう人間、実は現実世界で見たことがある。
「………………あ、の」
「マジか。ないわー」
私はパッと捨てるように胸倉を放した。
影薄王子ってそういうタイプだったの?苦手だわ、そういうの。
なんか、気持ち悪い。
「私、行くから」
「え」
「じゃあ」
私は踵を返し、令嬢達のような足取りでそそくさとその場から立ち去ることにした。
◇◇◇
私はさっき撮った写真を整理しながら、スタスタと廊下を歩いている。
「王宮内で聖女の噂が予想以上の人間の耳に入っていると話したな?その半数以上が位の低い令嬢たちらしい」
「ふぅん」
「その令嬢たちに噂の出所について従者たちが聞き回っている。さっきの令嬢たちにもそろそろ話を聞きに行っている頃だろう」
「そうなんだ」
「総力を挙げて、調べてみる。したがって、今日中には噂の出所が明らかになる可能性が高い」
「へぇ」
「もちろん、これ以上噂が広まらないように話を聞いた後、聖女の存在について従者たちが固く口を閉じるように言い渡しているはずだ」
「あのさ」
私はピタッと止まり、振り返った。
「ついてこないでくれる?」
影薄王子は適度な距離を保ちながら、後ろについてきていた。
げんなりする。鬱陶しい。
「また、さっきの令嬢達のような酷い物言いをする人間と出くわすかもしれない。だから、せめて賓客の間まで見送ろうと―」
「いやいや、違うでしょ?私、さっきの一言聞いたんだから。本心は別のところにあるでしょ」
そういうと、影薄王子はぐっと言葉に詰まったような表情をする。
ほんと、面倒くさいこういうタイプ。
マジ張り倒したい。蹴りたい。潰したい。
でも、それができない。やりたくてもできない。
殴ったらもっと面倒くさいことになる。経験上、そう感じる。
王子だから、の理由じゃない理由があった。
「はぁ~」
今日一番の大きなため息をはく。ついてくるなって言ってもついてくるんだろうな。
あ~、いやだいやだ。
「頼むからさ、もっと離れてくんない?」
私は影薄王子に向けてしっしっと手で軽く払った後、また歩き出した。
私、もう影薄王子の相手なんてしたくない。
あとは、夏芽にまかせよう。もう、無視だ無視だ。
私は後ろを振り向かなかったが、付いてきているのはわかった。足音が聞こえるから。
賓客の間が見えてくると、その部屋の中からガタガタとひどい騒音らしき音が聞こえてくる。悲鳴や何かが割れる音、ガタンと大きな家具が倒れるような音など様々だ。
「なんだなんだ」
何事だと思い、小走りに賓客の間に向かった。
「なんだこりゃ」
そして扉を開けると私は呆気に囚われた。
あ、あの令嬢たちのボロボロの格好撮っておくんだった。十分に笑える写真だったのに。
あ~あ、日本だったら絶対ああいう良い被写体は撮り損ねないのにな。
やっぱり、ここが異世界だからかな。
無意識に調子が崩されちゃっているのかも。
「随分と、ひどいことを言っていたんだな」
ため息交じりに影薄王子は言った。
あ、そういえば傍に影薄王子もいたんだっけ。すっかり忘れていた。
さすが、影の薄い王子。きっとあの令嬢たちもこの影薄王子に気づかなかっただろうな。
ていうか、普通にスラスラしゃべれるんじゃないか。
普通にしゃべれ、という意味を込めて私よりも背が高い影薄王子を見上げる。私の意図が伝わっているのか伝わっていないのか、私と目が合うと影薄王子は頭を少し下げた。
「彼女たちの暴言を、代わりに謝罪する。耳に入っているかは知らないが、実は今、秘匿すべき聖女の存在が収拾が難しいほどの噂が出回っている状態になっている………まさか、爵位の低いさきほどの令嬢たちにまでに聖女の存在が耳に入っているなんて思っていなかった」
再び、影薄王子はため息を吐く。
なんだよ、やっぱり普通にしゃべれるじゃんか。
「別に王子様が頭を下げる必要はないよ。私たちをよく思わないのは当然だと思うし。私たち、色々やらかしちゃったからね」
「いや、元々聖女の存在を良く思っていない、恐れている人間が多数いる」
「恐れている?そうなんだ」
「モンスターと戦ったなら知っていると思うが、聖女には人間やモンスターの魔法攻撃が一切効かないんだ。それに召喚された時点で神の加護が与えられ、肉体も強化される」
「モンスターだけじゃなくて人間の魔法も?マジかい」
影薄王子はこくんと頷いた。
「どんな高等魔法も聖女には効かないと聞いている」
すっごい、まさにチートじゃん。
「国の強さは魔術の強さで成り立っている事柄が多い。しかし、その魔術が聖女には一切効かない。だから、懸念している声も多いんだ。聖女は国力を土台から揺るがす力も持っている危険な存在、と」
「なるほど」
聖女を懸念材料として見ちゃうのは当たり前か。
もし、聖女が国を征服しようと思ったら、マジでできちゃうかもしれないってことか。
何せ、魔法が一切効かないからね。
肉体も強化されているのなら、人間が放つ物理攻撃もほぼ効かないってこと?
いまだに私たちは聖女の能力についての全貌は把握してない。把握していない聖女の能力の中に、国一つをひっくり返すほどの力がもし、あったら………。
マジ最強じゃんか。
そりゃ、危険視したくもなるか。しかも、召喚したのが清らかさとは真逆の双子だったんだから、尚更警戒しちゃうか。別に私ら国取りなんて興味ないんだけどね。再三、繰り返し言っているけど、私たちが望んでいるのは現実世界への帰還、その一つだけ。
「別に私ら国を乗っ取るつもりなんてないよ。ただ現実世界に早く還りたいだけ」
「わかっている。そのために魔術師や医者が大司教の治療に全力にあっているところなんだ。何にしても、聖女の噂が王宮内で独り歩きしている状態は良くない。もし、この噂が外部に漏れたら大変なことになる。今、聖女の噂の出所を探っている最中なんだ」
「へぇ、そうなんだ」
一体、誰だろうね。
噂を振りまいているバカは。いるはずだからね、そういうバカ。
「ねぇ、もしかしてさっき私を引き止めたのってそれ言うため?王宮内であることないこと聖女の噂が流れているって私に教えようとしてくれた」
「あ………いや、それは、違う」
あれ?違うの?
また、目を泳がせちゃったよ。
「言いたいことがあるなら、はっきり言ってってば」
影薄王子はかなり言いづらそうにしていたが、私が凄むように睨みつけていると、たどたどしくだが口から言葉が出てきた。
「………私は、大司教が殴られた時も………そしてさっきの令嬢の話を聞いていて心の底から感じていたんだ。こんな気持ち初めてで、どうすればいいのか………わからなく、て。私は、私は………」
ふいっと顔を逸らすと小さく呟いて見せた。
「―――って思ったんだ」
「………………え」
「いや、やっぱり、いい。聞かなかったことに………」
「いやいやいや、ぼそっと言ったつもりだろうけど、ちゃんと聞こえていたから」
さっきの一言は聞こえるか聞こえないかの声だった。
でも、はっきりと聞こえた。
そして、軽く驚いた。
マジで?
だからずっとしどろもどろだったの?目が泳いでいたの?
頬や耳がちょっと赤かったの?言いにくそうにしていたの?
合点がいった。
私は影薄王子の顔をもっと近くでみたいと思って、ぐいっと胸倉を掴んで引き寄せた。
影薄王子は私の手を振り払うことはせずにされるがままになっている。
「………………」
「………………」
じっと見ていると、影薄王子の顔がだんだん真っ赤になっていく。
こういう人間、実は現実世界で見たことがある。
「………………あ、の」
「マジか。ないわー」
私はパッと捨てるように胸倉を放した。
影薄王子ってそういうタイプだったの?苦手だわ、そういうの。
なんか、気持ち悪い。
「私、行くから」
「え」
「じゃあ」
私は踵を返し、令嬢達のような足取りでそそくさとその場から立ち去ることにした。
◇◇◇
私はさっき撮った写真を整理しながら、スタスタと廊下を歩いている。
「王宮内で聖女の噂が予想以上の人間の耳に入っていると話したな?その半数以上が位の低い令嬢たちらしい」
「ふぅん」
「その令嬢たちに噂の出所について従者たちが聞き回っている。さっきの令嬢たちにもそろそろ話を聞きに行っている頃だろう」
「そうなんだ」
「総力を挙げて、調べてみる。したがって、今日中には噂の出所が明らかになる可能性が高い」
「へぇ」
「もちろん、これ以上噂が広まらないように話を聞いた後、聖女の存在について従者たちが固く口を閉じるように言い渡しているはずだ」
「あのさ」
私はピタッと止まり、振り返った。
「ついてこないでくれる?」
影薄王子は適度な距離を保ちながら、後ろについてきていた。
げんなりする。鬱陶しい。
「また、さっきの令嬢達のような酷い物言いをする人間と出くわすかもしれない。だから、せめて賓客の間まで見送ろうと―」
「いやいや、違うでしょ?私、さっきの一言聞いたんだから。本心は別のところにあるでしょ」
そういうと、影薄王子はぐっと言葉に詰まったような表情をする。
ほんと、面倒くさいこういうタイプ。
マジ張り倒したい。蹴りたい。潰したい。
でも、それができない。やりたくてもできない。
殴ったらもっと面倒くさいことになる。経験上、そう感じる。
王子だから、の理由じゃない理由があった。
「はぁ~」
今日一番の大きなため息をはく。ついてくるなって言ってもついてくるんだろうな。
あ~、いやだいやだ。
「頼むからさ、もっと離れてくんない?」
私は影薄王子に向けてしっしっと手で軽く払った後、また歩き出した。
私、もう影薄王子の相手なんてしたくない。
あとは、夏芽にまかせよう。もう、無視だ無視だ。
私は後ろを振り向かなかったが、付いてきているのはわかった。足音が聞こえるから。
賓客の間が見えてくると、その部屋の中からガタガタとひどい騒音らしき音が聞こえてくる。悲鳴や何かが割れる音、ガタンと大きな家具が倒れるような音など様々だ。
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